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近代フランスのオルガンの巨匠、作曲家として知られるシャルル=マリー・ヴィドールはロッシーニとミヨーの双方と面識があったという程、長い期間に渡って、西洋音楽の変動を体験しつつ生きた人でした。オルガン製作を代々続ける家に生まれた彼は、自然とオルガンの道へ進み、ブラッセルで修業した後、パリのサン・シュルピス教会のオルガニストとして64年間も務めました。また、パリ音楽院でオルガンと作曲を教え、門下からシュヴァイツァー、マルセル・デュプレ、オネゲル、ミヨーらを輩出しました。「組曲」 作品34は、1898年に作曲され、音楽院の同輩としてフルート科教授を務めていたポール・タファネルに捧げられています。第1曲 「モデラート」 は、レガートで流れる16分音符によって音楽が始まります。メロディーとハーモニーはすべて19世紀のものなのですが、古典的なたたずまいを感じさせる曲想になっているのは、ヴィドール自身、古典への造詣が深かったからでしょうか。バロックのトリオソナタを思い起させるパターンを使っています。第2曲 「スケルツォ」 は、フルートの軽さと機敏さを生かした曲です。中間にピアノ・パートがメロディーを受け持つ部分があり、変化を与えています。第3曲 「ロマンス」 は、あたかも歌曲のようで、メンデルスゾーンの 「無言歌」 の影響を感じさせます。第4曲 「終曲」 は、全体の締めくくりとして、たいへん熱っぽく力強さに満ちた曲になっています。転調を重ねながらハ長調で終わるやり方など、フランクのヴァイオリンソナタを思わせるところがあります。色彩の変化に満ちた、華麗なフィナーレです。(解説/三上明子)スタッフより
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