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ウィーンの笛吹き

Der Wiener Pfeifer

vol.4 ビルギット・ラムスル

プロフィール

――お気に入りの1枚を教えてください

私のこれまでの録音は、ソロも室内楽もデュオもすべて、とても愛おしいものです。フルートにとって重要なレパートリーに接することが出来ただけでなく、その時々の私の成長や興味、飾らない私自身を反映しているものと言えるでしょう。
新しいCD『The Bird of Life』(CD-ID:8484)は今とても話題となっているようで、BBCの雑誌などでも非常に好評を得ており、とてもうれしく思います。私が最も力を注いだ録音の一つとして、ずっと記憶に残るものになるだろうと思います。
世紀の変わり目に書かれたフルート音楽について考えてみると、パリでの音楽そしてフレンチ・スクールがまず頭に浮かんできます。
ですが、ハプスブルグ家の影響下にあった地域においても、多くの作曲家がフルートの曲を書きました。チェコ、スロバキア、オーストリア、ルーマニアやハンガリーなど、フランツヨゼフ1世の統治下に生まれ、シューベルトやドップラー兄弟によって豊かな音楽文化が築き上げられていたウィーン周辺で育った作曲家たちによってです。
20世紀以降、そのような作曲家による多くの作品が録音されはしましたが、その多くが忘れ去られていきました。Egon Kornauth(エゴン・コウナルト)、Marcel Mihalovici(マルセル・ミハロヴィッチ)、Karel Jirak(カレル・イラーク)、 Sandor Jemnitz(シャーンドル・ジェムニッツ)、 Vally Weigl(ヴァリー・ヴァイグル)などは、フルートのレパートリーに加えるべき宝といってもよい優れた作品だと思います。
フランスにおいてだけでなくこの地においても、フルートが復活を果たし、主役に躍り出ていたことが、このCDに収録されている、忘れ去られてしまっていた名曲となるべき作品を聴いていただければ、お分かりいただけるかと思います。
イラークの2楽章は、このCDの中でも特にお気に入りの作品です。
ゆりかごでゆらゆらと瞑想しているような、とてもゆったりとした雰囲気に溢れた冒頭部。カンティレーナのような旋律を温かみのある低音で歌い上げ、最後に消えゆくその瞬間まで途切れずに緊張感が増していく。なんて官能的なんでしょう!
初めてこの曲を吹いてみたとき、その質の高さにとても驚きました。これはぜひとも、ドナウの岸辺をぶらぶらしながらフルートの旋律を口笛で奏でたりなんかしている音楽愛好家の皆さんに聴いてもらわなければ!と思いました。
素晴らしい仲間と共に、音楽の再発見に立ち会うことができ、とても幸せです。ぜひ聴いてみてください。

――日本のフルートファンにひと言いただけますか

とても長期間窮屈な思いをし、思うように仕事もできず、難しい時間が続いていますね。先が見えず、モチベーションも上がらず、常に「待て!」と言われて、ずっと延期が続きました。でも私たちはみんな、すべてが良くなり、再び音楽ができる時が必ず来る、とわかっています。
コロナウィルスは私に、恐怖もプラスのモチベーションに変えることが出来得る、と教えてくれました。
恐怖に打ち勝って、身を守って、日々傍らにあるものとして接して、決して立ち止まらずに歩み続ける。
勇気は、恐怖から生まれてくるのですね。
長い時間を山登りやランニングなど自然の中で過ごしていたので、常に頭をすっきりさせて考えを巡らせることが出来ました。
こんなチャンスは二度とないでしょう。そのおかげでフルートを練習することの意味を再確認できたのです。
フォルクスオーパーが再開した時に自分がどうあるべきか、そこに個人的な目標を定めていました。
いま、公演が再び全速力で回り始めて、客席が笑顔で溢れかえっているのを音楽家として再び目にすることが出来て、本当に幸せでいっぱいです。
数えきれないくらい素晴らしいホールがある日本、そしてそこに溢れる日本の皆さんの笑顔。早くまた皆さんにお会いしたいです!
日本食も恋しいです!

―――ビルギット・ラムスル


  • CD-ID:8484

    生命の鳥 後期ロマン派のフルート作品集

    ビルギット・ラムスルはオーストリア、クレムス出身のフルーティストです。ウィーン音楽大学、ミュンヘン音楽大学で学び、在学中よりウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団の首席フルート奏者として契約を結びました。現在はソリスト、室内楽の分野でも活躍しています。このCDは、19世紀の終わりに誕生したオーストリア、チェコ、ハンガリー、ルーマニア出身の個性豊かな作曲家たちの知られざるフルート作品を集めたもので、世界初録音も多数収録されています。カール=ハインツ・シュッツもペティレクの「3つの舞曲」に共演しています。フルートの新しいレパートリーと、ラムスルの多彩な魅力に出会える1枚です。

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  • CD-ID:7275

    フルートでめぐる、音楽の旅(日本語解説付)

    世界各国のフルートの名曲を辿るこちらのCDは、C.P.E.バッハの「無伴奏フルート・ソナタWQ.132」から始まります。C.ライネッケ、J.フランセをめぐり、武満徹「エア」、O.メシアン「黒つぐみ」、そしてS.プロコフィエフの「フルート・ソナタ」で結ばれます。ラムスルは暖かく深みのある音色から、透明感のある澄んだ音色で歌い、それぞれの楽曲の魅力を伝えています。「エア」や「黒つぐみ」は現代音楽の名手ピエール=イヴ・アルトーやニコレ、パユに師事していたことを感じさせる華麗な演奏です。共演はイタリア出身のピアニスト、ヴィート・ラッタルロ。ソリスト、室内楽、そして指揮者としても活躍しています。多くのフルート愛好家におすすめしたい1枚です。

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  • CD-ID:7272

    フルートでめぐる、音楽の旅(輸入盤)

    世界各国のフルートの名曲を辿るこちらのCDは、C.P.E.バッハの「無伴奏フルート・ソナタWQ.132」から始まります。C.ライネッケ、J.フランセをめぐり、武満徹「エア」、O.メシアン「黒つぐみ」、そしてS.プロコフィエフの「フルート・ソナタ」で結ばれます。ラムスルは暖かく深みのある音色から、透明感のある澄んだ音色で歌い、それぞれの楽曲の魅力を伝えています。「エア」や「黒つぐみ」は現代音楽の名手ピエール=イヴ・アルトーやニコレ、パユに師事していたことを感じさせる華麗な演奏です。共演はイタリア出身のピアニスト、ヴィート・ラッタルロ。ソリスト、室内楽、そして指揮者としても活躍しています。多くのフルート愛好家におすすめしたい1枚です。

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  • CD-ID:6161

    ファルベンシュピール(色彩の戯れ)

    ウィーン交響楽団のヴィオリスト、ヨハネス・フリーダーと、ウィーン・フォルクスオーパーでソロ・ハーピストを務めるガブリエラ・モシルシュ、そしてラムスルのフルートによるトリオ『TRIO PARTOUT(トリオ・パルトゥー)』。この編成と言えば、ドビュッシーの晩年のトリオを思い浮かべる方が多いでしょう。ドビュッシーの他に、現在活躍しているウィーンの作曲家J.M.シュタウト、ケルト音楽からもインスピレーションを得ているイギリスの作曲家A.バックス、ヒンデミットに学んだ室内楽曲の名手H.ゲンツマーの作品を収録しています。この夢のように響く3つの楽器と3人の息の合ったアンサンブルが聞く人の心に広がります。フルート、ヴィオラ、ハープの編成の新しいレパートリーに出会えるおすすめのアルバムです。*CD:ID8038【フルート、ヴィオラとハープのための作品集】と同音源です。

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  • CD-ID:8038

    フルート、ヴィオラとハープのための作品集

    ウィーン交響楽団のヴィオリスト、ヨハネス・フリーダーと、ウィーン・フォルクスオーパーでソロ・ハーピストを務めるガブリエラ・モシルシュ、そしてラムスルのフルートによるトリオ『TRIO PARTOUT(トリオ・パルトゥー)』。この編成と言えば、ドビュッシーの晩年のトリオを思い浮かべる方が多いでしょう。ドビュッシーの他に、現在活躍しているウィーンの作曲家J.M.シュタウト、ケルト音楽からもインスピレーションを得ているイギリスの作曲家A.バックス、ヒンデミットに学んだ室内楽曲の名手H.ゲンツマーの作品を収録しています。この夢のように響く3つの楽器と3人の息の合ったアンサンブルが聞く人の心に広がります。フルート、ヴィオラ、ハープの編成の新しいレパートリーに出会えるおすすめのアルバムです。*CD:ID6161【ファルベンシュピール(色彩の戯れ)】と同音源です。

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  • CD-ID:8542

    J.シュトラウス2世:ワルツ

    ”音楽の都ウィーン”を象徴するJ.シュトラウスⅡ(1825-1899)のワルツ、ポルカの室内楽編曲版が収められたCDです。編曲者はA.シェーンベルク、A.ヴェーベルン、A.ベルクの新ウィーン楽派の3名と、現在も活躍するドイツ人作曲家のM.トロヤーン、H-P.ドットです。シェーンベルクらは、1918年に「私的演奏協会」という当時最先端の音楽を紹介する協会を設立しました。これらの編曲はその音楽界のプログラムの一部だったそうです。小編成になっていますが、”古き良きウィーン”の香り漂う美しい響きを味わえるでしょう。ラムスルは「皇帝円舞曲」「観光列車」「ウィーンの森の物語」そして「トリッチ・トラッチ・ポルカ」に登場します。『トーマス・クリスティアン・アンサンブル』の珠玉の演奏でお楽しみください!

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  • CD-ID:6338

    テオフィル・アンサンブル・ウィーン:マルティヌー、ツァノウ、ブラームス(日本語解説ページ有)

    『Theophil Ensemble Wien(テオフィル・アンサンブル・ウィーン)』は2008年に結成された、ウィーン・フィル、ウィーン放送響、ウィーン・フォルクスオーパー首席奏者で構成される管弦アンサンブルです。B.マルティヌー「調理場のレビュー」、A.ツァノウ「ヨーゼフ・ワインヘーバーのテキストによる俳優と器楽アンサンブルのための」、J.ブラームス「セレナーデ第1番ニ長調OP.11」というあまり聞く機会の少ないレパートリーではありますが、ウィーンの名手たちによる演奏で個性的な難曲が生き生きと輝き、つい引き込まれてしまいます。貴重な音源になりますので、気になる方はお聴き逃がしなく!

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  • CD-ID:7536

    テオフィル・アンサンブル・ウィーン:マーラー、他

    『Theophil Ensemble Wien(テオフィル・アンサンブル・ウィーン)』2枚目のアルバムは、R.シュトラウス「もう一人のティル・オイレンシュピーゲル」、G.マーラー「さすらう若者の歌」、そしてベーラ・コヴァーチの「リヒャルト・シュトラウスへのオマージュ(クラリネット・ソロのための)」という音楽ファンにとって気になる楽曲が並んでいます。ラムスルはマーラーに参加。それぞれの高い技術により、豊かで洗練された音楽が広がっています。管弦楽アンサンブルの素晴らしさを堪能できるCDです。

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vol.5 ヴォルフガング・シュルツ(準備中)