
※この記事は2009年に執筆していただいたものです。
第8回

I.デボスト流スケール・ゲーム
Taffanel et Gaubert : 日課練習 No.4のスケール課題をベースに、各調毎に、ダイナミックス、キャラクター(輝かしく、陽気に、流麗に、柔らかく、明確に、等々)、スタイル(古典派風、ロマン派風、20世紀風、等々)、そして考えられる限りの種々のアーティキュレーションなど、有益にしかも楽しんで練習出来るような様々な工夫がほどこされています。譜例1
II.Reichertのアルペッジオ
Reichert : 7 Exercices Journaliers op.5 の No.4 , No.2III.デボスト流インターバル(跳躍音形)練習
Moyse : De la Sonoritéの “Attaque et Liaison des Sons”や、Gilbertの “Chromatic Intervals”などの跳躍音形の練習とは違った長短と完全音程のDebost流3つの組み合わせのアイデアは、単に音の跳び方というだけでなく、音楽的なイメージも生まれるのではないでしょうか?No.1 : 半音とオクターブの練習
中庸のVibrato、音量( mp - mf ) cresc.やdim. もなしで練習する。指は、キーのごく近くに, 自由に止めてよい。
No.2 a : 下行、長3度と上行、短6度
No.2 b : 下行、短3度と上行、長6度
No.3 a : 下行、完全4度と上行、完全5度
No.3 b : 下行、完全5度と上行、完全4度
IV.三和音のアルペッジョ
mfで、過度に速すぎないように、そして、ほぼいつもレガートで練習すること。V.アタック
デリケートな音,低音や高音な発音は、t, d, k, g, のような子音または、アタックなしで(ha-ha-ha)始めることができます。アタックなしの場合、その音に近い指を非常に軽くキーをたたく事で音の立ち上がりを的確にします。VI.半音階
この課題は、レガートならびにシングル, ダブル, トリプル・タンギングでも練習する。VII.ハーモニックスの運指による音階練習
左手のみを動かすこの音階練習は、ノーマルな運指でも、楽器の安定をきわだたせるために交差する手を置いて練習してもよい。この練習は、次の VIII. 左手の安定にも応用される。VIII.左手の安定
この例題は、先に VII でも書いた方法で、メカニスムと顎とリップ・プレートの安定を感じるための練習です。IX.Mozartの協奏曲のためのカデンツァ(Debost作)
過去のフレンチ・スクールの教本でも、Taffanel et Gaubert が著したように、ここでは、Debostが作り、彼がこれまでもレコードや演奏会で披露してきた素晴らしいカデンツァが印刷譜となって登場しています。X.易しくするため、音程のための運指
安定性、音程修正、易しさ、音色、響きのための正規運指と替え指Debostが、その豊富な経験から得た替え指の数々をそれぞれの目的とともに並べて紹介してくれています。以下の XI , XII も同様に替え指のアイデアが続きます。XI.易しくする経過音の運指
XII.特殊なトリルの運指
野崎和宏
桐朋学園大学卒業。林りり子、小出信也の両氏に師事。同大学卒業後、渡欧。C.ラルデ氏に師事。パリ・エコール・ノルマル音楽院ソリストコースを首席で卒業。特別賞を受ける。マリア・カナルス国際コンクールで名誉ディプロム賞を受賞。【終了】プレゼントキャンペーンは終了いたしました。たくさんのご利用、ありがとうございました。
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