解説
大バッハの次男として生まれたC.P.E.バッハは、情感の陰影を自由に表現する「多感様式」の重要な作曲家です。ライプツィヒとオーデル河畔のフランクフルトで法学を学びましたが、この頃から音楽活動を始めていたようです。1738年プロイセンの王子フリードリヒの宮廷楽団のメンバーとなり、1740年の大王即位後もポツダムの宮廷楽団の第1チェンバロ奏者に任命されました。ただ、フリードリヒ大王のエマヌエルに対する評価は芳しくなく、居心地の良くない職場だったようです。長く転職を望んでいましたが、テレマンの没後に後任として1767年に自由都市ハンブルグの音楽監督に選ばれ、1788年に没するまでの20年間、5大教会の礼拝のための音楽や市民愛好家のための作曲など活躍の場を広げました。「ソナタ イ短調」は宮廷楽団に任用された1740年の作。大王の好んだ緩−急−急の3楽章構成。第1楽章Andante 12/8、第2楽章Allegro 2/4、第3楽章Vivace(主題と2つの変奏)。大バッハの「ソナタ ホ長調」BWV1035は翌年1741年に作曲されたことを考えるとエマヌエルは早くから自らの個性を打ち出していたことが分かります。第3楽章の主題の美しさが印象に残ります。(解説/三上明子)スタッフより
特撰コーナーにて取り上げています⇒C.P.E.バッハ生誕300年「第2回 ベルリン時代T(室内楽曲)」ニュース
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