スタッフのおすすめ

30000点以上もある中から、ムラマツのスタッフが「これは!」と思う楽譜をご紹介します。

「フルート界のツェルニー」をご存知ですか? (Fl.Pf)

ヴィルヘルム・ポップ(1828-1902)は、19世紀ドイツで活躍したフルーティスト・作曲家です。
クンマーやドゥルーエに師事し、当時最先端だったベーム式フルートをいち早く採用した革新的な演奏家でした。ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者を務めたほか、フルート教育や作曲にも力を注ぎました。その生涯で残した作品数は600曲を超え、「フルート界のツェルニー」と呼ばれています。 ポップの作品は、19世紀後半の音楽的流行のエッセンスが取り入れられており、学生やアマチュアの方でも演奏しやすいように配慮され、音楽的・演奏効果が高く、「見せ場」の多い作品となっています。 しかし、作品数に比べて出版されているものが少ないので、ポップの楽譜はある意味貴重といえます。
そんなポップの代表的な小品集のひとつが、「演奏会用小品 作品462」です。 この作品は、以下の3曲で構成されています。

1. Landliche Hochzeit(村の結婚式)
2. Russisches Zigeundlied(ロシアのジプシーの歌)
3. Italianisches Staendchen(イタリアのセレナーデ)

今回ご紹介する「ロシアのジプシーの歌」は、哀愁漂うロシア風の旋律から始まり、情熱的な舞曲風の中間部を経て、華やかで技巧的な終結部に展開します。 特に終結部は、速度記号が「Prest possibile (出来る限り急速に)」、強弱記号がppからffと、盛り上がりながらクライマックスに向かっていきます。 難易度は中級程度、演奏時間は約4分とコンパクトではありますが、全体を通じてテンポやダイナミクスのコントラストが印象的で、演奏者の表現力が発揮できる作品です。 ドラマティックで「演奏映え」の要素も十分ありますので、演奏会用小品としてはもちろん、発表会やコンクールなど、さまざまなシーンで活用できます。 また、ポップの作品は知られざる演奏会用の小品を探しておられる方には良い候補曲になると思いますので、是非他の曲も今後のレパートリーに入れてみてはいかがでしょうか?

(H.A.)

「循環呼吸」という新たな武器を手に入れよう(Method)

循環呼吸とは、息を吸いながら音を出し続ける特殊な奏法です。
「長いフレーズを一息で吹きたいのに息が続かない」「音色に変化をつけたいけれど方法が分からない」、そんな悩みをお持ちの方に、音楽表現の幅を大きく広げてくれる「循環呼吸」を是非体験していただきたいと思います。
本書『誰でも必ずできる!フルートの循環呼吸』では、呼吸の基礎から応用までを段階的に解説しており、どのレベルの方でも無理なく進められる構成になっています。さらに、付属のDVDには、著者自身が実演を交えながら、重要なポイントと練習のコツが収められているので、実際のアンブシュアや呼吸の動きを目で見て、耳で確認しながら練習を進められます。本を読むだけでは分からない微妙な感覚もつかむことができ、自分のペースで丁寧に練習することができます。循環呼吸を習得するには、これまでのアンブシュアについても考えなければいけません。そのため音色の変化も期待できます。
つまずいた箇所は一つ前のステップに戻って確認するなど、あいまいにしないことが循環呼吸を習得するカギになりそうです。
「循環呼吸」という新たな武器を手に入れて、より自由で豊かな音楽表現を目指してみませんか。あなたのフルート人生が、さらに一歩先へ進むきっかけになる一冊です。

(TO)

名アリアをフルートとピアノで楽しむ本格オペラ名曲集 (Fl.Pf)

有名なオペラ・アリアを編曲した楽譜はこれまでにも数多く出版されてきましたが、その多くはやさしいアレンジであったり、メインテーマのみを抜粋したものだったりと、物足りなさを感じていた方も多いのではないでしょうか。今回ご紹介する楽譜は、これまであまり取り上げられてこなかったアリアも含む8曲を、若干のカットこそあるものの、ほぼ原曲どおりにフルートとピアノ用に編曲したものです。コロラトゥーラで歌われる技巧的旋律は、「これを本当に歌うのか」と驚くばかりです。
W.A.モーツァルトが1791年に作曲したオペラ《魔笛》からは、第2幕で夜の女王の娘パミーナが歌うアリア〈愛の喜びは消え〉と、同じく第2幕に登場する夜の女王の有名なアリア〈復讐の炎は地獄のように我が心に燃え〉の2曲を収録。また、現在でも上演されてはいるものの、モーツァルトの他のオペラほど広く知られていない、1770年作曲のオペラ《ポントの王ミトリダーテ》からは、ミトリダーテの婚約者アスパージアが歌う最初のアリア〈迫り来る運命から〉が含まれています。この曲がフルート用に編曲されるのは、今回が初めてかもしれません。
ドニゼッティのオペラ《愛の妙薬》からは、この曲集で唯一の男声アリア〈人知れぬ涙〉を収録。第2幕で、農民の若者ネモリーノが、愛するアディーナの瞳に浮かんだ一筋の涙を見つけ、自分の想いが届きはじめたことを感じながら歌う、美しくも切ない名アリアです。
ヘンデルのオペラ《ジュリアス・シーザー》は、シーザーとクレオパトラの愛と策略を描いたバロック・オペラの名作です。第3幕で歌われるクレオパトラのアリア〈難破した船が嵐から〉が収録されています。
ベッリーニのオペラ《ノルマ》は、古代ガリアの女祭司ノルマの悲恋と母性を描いた、ベルカント・オペラの傑作です。この曲集には、第1幕でノルマが歌う、ソプラノ歌手にとって特に難易度の高い有名なアリア〈清らかな女神よ〉が収録されています。
ロッシーニが1817年に作曲したオペラ《チェネレントラ》は、童話『シンデレラ』をもとにした作品です。第2幕の終盤で主人公アンジェリーナ(チェネレントラ)が歌うアリア〈悲しみと涙のうちに生まれ〉は、超絶技巧のコロラトゥーラが要求されるロッシーニ・ソプラノの代表的なレパートリーです。この旋律は、ショパンの《ロッシーニ「シンデレラ」の主題による変奏曲》でご存じの方も多いでしょう。
ヴェルディが1853年に作曲したオペラ《椿姫》からは、第1幕でヴィオレッタが歌うアリア〈花から花へ〉が収録されています。自由奔放な恋心を軽やかに歌い上げる、華やかで技巧的なソプラノ・アリアです。
多彩な名アリアを通じて、オペラの魅力を存分にお楽しみいただける一冊です。ピアノ伴奏音源は出版社のHPで購入可能(ダウンロード)です。

【中・上級者向け】 (B)

モーリス ラヴェル生誕150周年 (Fl.Pf)

モーリス・ラヴェル(1875-1937)は「ボレロ」「マ・メール・ロワ」「亡き王女のためのパヴァーヌ」など数々の名曲を生み出したフランスの作曲家で、このソナチネもその中の一曲です。
この曲は1903年にピアノのために作曲されました。このソナチネが作曲された頃は「水の戯れ」や「シェエラザード」などの名曲が生み出されており、当時の芸術家たちの登竜門となっていたローマ賞に応募していた時期とも重なり、若く勢いがあった時代とも言えます。 編曲者のアレクサンドル・ガスパロフはモスクワ生まれのピアニスト・作曲家で現在パリにて活動しています。ガスパロフ編曲のこの楽譜は、オリジナルのピアノ版にほぼ忠実なアレンジで、この曲をご存じの方もあまり違和感なく吹くことができるのではないでしょうか。 今年2025年はラヴェルの生誕150周年です。この機会にぜひ取り上げてみてください。

演奏時間:約10分 (M.R.)


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