解説
この曲は、ベートーヴェン唯一のフルートソナタですが、、真作であるかどうか、疑問視されている作品です。現存する草稿はベートーヴェンの遺産のなかから発見された写稿譜で、これも別人の手によるものと推定されています。もし、ベートーヴェンの作であるとすれば、1790年代の始め、つまりベートーヴェンの20代の始め頃の作品とされています。ここでは、真作談義よりも、実際にこの曲を演奏して、その感触から仮説を立ててみる方が楽しいことではないでしょうか。この曲は、全曲を通じて当時の習慣に従って、フルート・パートよりピアノ・パートに重きがおかれて作曲されています。第1楽章 「アレグロ」 はソナタ形式。生きの良い第1主題 (ピアノ・パート) が出てくるたびに装いを変えているのがしゃれています。第2楽章 「ポロネーズ」 は三部形式。第3楽章 「ラルゴ」は往年のマルセル・モイーズの演奏 (レコード) が耳の奥になっている方もいらっしゃることでしょう。第4楽章は主題と4つの変奏からなっています。(解説/三上明子)ニュース
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