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ヴァイオリン・ソナタの傑作として有名なフランクのソナタのフルート編曲版です。1886年、作曲者64才の晩年の作品で、フランクと同郷のリエージュ生れの大ヴァイオリニスト、ウジェ―ヌ・イザイの結婚記念のお祝いとして作曲されました。全曲を通じて、ヴァイオリンの歌う特質、ピアノの重厚な和声が存分に生かされ、室内楽として素晴らしい出来上がりとなっています。静的と動的表現の対比、和声的表現と対位法的表現の絶妙さ、そして全曲を通じて統一感をもたらしている循環形式と呼ばれる手法により、構造的にも説得力のある作品となっています。フランク存命中に、チェロに編曲した版が出版され、早い段階から、フルートでも演奏されてきました。フルートで演奏する場合、音域や重音に関する処理をしなければならないことと、演奏上の方針として、最終的にフルートで吹くことへの必然性、言い換えれば、ヴァイオリンとは違う美質を提示することが要求されます。また、ソロ・パートの改編に対して、ピアノ・パートの対応をどうするかという室内楽的センスが重要です。フルート版がいくつか出版されていますが、ヴァイオリンのための原典版も参照して細かい差異を検討する価値を持った作品だと思います。(解説/三上明子)ニュース
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