解説
1896年にパリ音楽院の作曲法と対位法の教授となったフォーレは、教育上の目的を待った作曲もするようになりました。 1898年に作曲された「コンクール用小品」は、「初見」のための問題として、後世に広く親しまれることなど念頭になく作曲されました。今日知られるようになったのは1970年にブラッセルのコレクターからこの楽譜が売りに出されて、出版されたおかげです。伴奏形がシンプルなのは、試験の際に伴奏者に負担をかけないためもあってのことでしょう。フルートのパートは、フルートの特質を生かした素晴らしい歌になっていて、同時に奏者のソルフェージユ能力もチェックできる音価やリズムの仕掛けも施されています。同年にフルートの卒業試験のために作曲された「ファンタジー作品79」と共に、フルートのための大事なレパートリーと言えましょう。(出版されている楽譜では、原曲が短いので、およそ2倍の長さになっています。) なお、1977年に出版された後、原曲の状態がよくわかるように、1988年に若干の校訂を加えた版になり、現在に至っています。(解説/三上明子)ニュース
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