解説
ヴォーグラルはスロヴェニアの現代作曲家で、管弦楽、室内楽をはじめ様々なジャンルの作曲を手掛ける多作家です。その作風は伝統的書法を重視しつつも、近代的な旋法の響きを持つ聴き心地の良い作品です。「あこがれ」は単一楽章で書かれ、大きく2 部で構成されています。第1部の序奏部レントは息を吹き付ける「風音」に続き、アルト・フルートが美しい旋律を自由に歌います。主部では持続トリルを徐々に積み重ね、1番パートが華麗に近代フランス風の楽句を奏でます。中間部では並行和声進行の旋律線を幾重にも飛翔しながら舞います。やがてアルト・フルートが冒頭主題を導き、第2部に繋がります。ここではピッツィカートのような特殊奏法が時折使われ、アルト・フルートにより提示された軽妙なフガート主題が次々と模倣されます。やがて4つのパートが一体化してクライマックスに達し、現代的不協和音が鳴り響きます。 徐々に各パートが拡散し第2 部冒頭主題に戻り、コーダでは4本のフルートが一束になりフガート主題が変奏されたファンファーレを奏でます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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