解説
ヒースはイギリスの多彩な才能を持つ現代のフルーティスト、作曲家です。この題材は13世紀初頭にプロヴァンス地方で異端カタリ派=アルビジョア派に対して、これを撲滅するアルビジョア十字軍を発動させ、2万人以上の犠牲者を出した宗教戦争です。「アヴァロン」は架空の町のことでしょう。I.「最後の歌」序奏は、13世紀のカタリ派の旋律を、フルートとアルト・フルートがソロで始め、ノスタルジックな響きの哀歌が二重奏で冴えわたります。やがてピアノのトレモロがどよめき、2本のフルートが五音音階の分散和音、ダブル・タンギング連打で激しく叫びます。再び、哀歌に戻り静かに歌われます。II.「人間の激情(炎)」は6/8の中世舞曲を素材に書かれ、2人の笛吹きが、力強いオスティナート・バス上にピッコロとアルト・フルートで二重奏を奏でます。始めはユニゾンで、後に並行5度進行で中世舞曲を繰り広げます。4度累積和音の動機とクラスターによる激しい衝撃を経て、III.「光の息子のアヴァロンへの帰還」に繋がります。再び静寂の中、フルートとアルト・フルートの2人の笛吹きは哀歌を奏で、激しく燃えたぎる五音音階の炎の中に不死鳥のように蘇ります。(フルート・オーケストラ版あり)(解説/佐野悦郎)スタッフより
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