スタッフのおすすめ「フルートアンサンブル」(2本フルートとピアノ)

このコーナーでは、ムラマツのスタッフが、長年の経験から「これは!」と思う楽譜を、その目的や内容の解説付きでご紹介します。
定期的にご紹介する楽譜を更新して行きますので、皆様の目的に応じた「使える」楽譜が見つかることと思います。

聴かせたい!フルート二重奏(2Fl.Pf)

2本フルートとピアノでの演奏会のプログラムにピッタリの作品をご紹介します。
この編成で真っ先に思い浮かぶのは、ドップラー兄弟のアンサンブルでしょう。
しかし、今回は数多くのエチュードや演奏会用小品を残しているアンデルセンの作品です。
タイトルの通り、堂々とした勢いのある曲想から始まります。そして、2本フルートの細かいパッセージと技巧的な掛け合いが続く、とても華やかな曲です。また、掛け合いの他に1stフルートのロマンチックなソロやピアノの間奏も入り、最後まで飽きさせない楽曲構成となっています。何より息の合ったアンサンブルが必須と言えそうです!気の合うフルートのお友達と是非挑戦してみてください。
【上級者向け】演奏時間:約10分 (U)

一粒で二度おいしいC.P.E.バッハ(2Fl.Bc/Fl.Pf)

ヨハン・セバスティアン・バッハの次男、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハは、音楽を父に学んだ後、ライプツィヒとフランクフルトで法学を学びましたが、音楽で身を立てることになります。1740年、プロシアの国王フリードリヒ大王の宮廷楽に職を得た彼は、チェンバロ奏者として大王のフルートの伴奏を務める事になりました。そのため彼の室内楽作品はフルートを中心とした曲がかなりの比率を占めています。
今回ご紹介する2つの楽譜は楽器編成の異なる同一の曲です。1749年にポツダムで作曲された「ソナタ ホ長調」は“フルートとオブリガート・チェンバロ”または“2本のフルートと通奏低音”のためのソナタとして作曲されました。フルートとオブリガート・チェンバロのソナタでは、トリオ・ソナタの第1フルートがチェンバロの右手、第2フルートがフルート・パートに当てられています。エマヌエル・バッハの場合、「フルートとヴァイオリンのためのトリオ・ソナタ」と「フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ」が同一曲であるものは幾つか存在しますが、2本のフルートを使ったトリオ・ソナタはこの曲のみです。優雅で華やかなギャラント様式で書かれ、繊細な表情と大胆な和声が特徴です。
大王とそのフルートの先生だったクヴァンツがフルートを吹き、エマヌエル・バッハがチェンバロを弾いて演奏されたのでしょうか。
(SR)

ヴァイオリンの名曲をフルートで(2Fl.Pf)

J.S.バッハの『2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043』を2本フルートとピアノで演奏ができる楽譜をご紹介いたします。
『2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043』といえば、2つのヴァイオリンが美しくからみ合う、ドイツ・バロックの名曲で、フルーティストにとってもお馴染みの曲です。 この曲は『2台のチェンバロのための協奏曲BWV1062』 として編曲もされていて、こちらも名曲です。
原曲のヴァイオリンの響きを再現することはもちろんできませんが、あの優雅で気品あふれる音楽の重なりを体感することができます。ヴァイオリンの弓の動きやフレージングを思いながら演奏することは、フルートの曲を吹く時とまた少し違った発見があり面白いです。 バッハの美しい音の並びと調和が凝縮されたアンサンブルを、仲間との楽しみとして、またレッスンや合宿などで取り上げてみてはいかがでしょうか。
第1楽章 Vivace d-moll/第2楽章 Largo ma non tanto F-dur/第3楽章 Allegro d-moll (全て原調と同じです)
【中・上級者向け】 演奏時間:約14分 (U)

バッハのオルガン・ソナタを2本のフルートと通奏低音で(2Fl.Bc)

第1巻:ト長調(原曲:変ホ長調・Fl.Cemb.:ト長調)BWV 525/ト短調(原曲:ハ短調・Fl.Cemb.:ホ短調)BWV 526
第2巻:ニ短調(原曲:ニ短調・Fl.Cemb.:ニ短調)BWV 527/ロ短調(原曲:ホ短調・Fl.Cemb.:イ短調)BWV 528
第3巻:ヘ長調(原曲:ハ長調・Fl.Cemb.:ヘ長調)BWV 529/ハ長調(原曲:ト長調・Fl.Cemb.:ハ長調)BWV 530

J.S.バッハの「オルガンのための6つのソナタ」はオルガンの2段の手鍵盤(2声の旋律楽器)と1段の足鍵盤(通奏低音)のために書かれた、オルガン1台で演奏する完全なトリオ・ソナタの形で作曲されています。そのため、この6曲はこれまでに2台のヴァイオリンと通奏低音やフルートとチェンバロ(右手が旋律楽器・左手が通奏低音)などに編曲出版され演奏会やレコーディングも行われていたので、2本のフルートと通奏低音への編曲が待たれていました。
今回ご紹介する楽譜は、これら6曲が夫々2曲ずつ3分冊で出版されたものです。新しいバッハのレパートリーとして是非ご活用下さい。オルガンから編曲するときの移調の仕方はいつも問題となりますので、各曲の調性の後の括弧内に原曲とベーレンライター社のフルートとチェンバロ用の楽譜の調性を記してあります。
(SR)

フルート用になったバッハの協奏曲(2Fl.Pf)

この曲の原曲は「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043」で、チェンバロ協奏曲としては第12曲目の「2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV 1062」に当たります。バッハの協奏曲の中でも特に人気があり、「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1060a(復元曲)」と比較し得る優れた緊張感を持っており、粒ぞろいのバッハの協奏曲の中でも名曲として最右翼に位置する曲のひとつです。楽譜は「J.S.バッハ作品集」という曲集の中に所収されており、この他に「小フーガ」と「主よ、人の望みの喜びよ」が同じ編成(2FL.PF.)に編曲されています。

忘れられた19世紀フランス・オペラ8(2Fl.Pf)

ビゼーのオペラは《カルメン》があまりにもヒットし有名なため、その他のオペラ作品は陰に追いやられてしまいましたが、それでもこの《真珠採り》は比較的知られていると言えるでしょう。とはいえ、これまでご紹介してきた他のオペラの例にもれず、一部の有名なアリアが声楽のリサイタルなどで演奏されるものの、日本で全曲上演されることは珍しいです。今回取り上げる〈耳に残るは君の歌声〉は《真珠採り》の中で最も知られているアリアです。
真珠は日本人にとって古来より馴染みのある宝石の一つで、日本で養殖が成功したこともあって、地域性を意識することはあまりありませんが、西欧において真珠は、歴史的に東方(オリエント)、すなわち中近東やインドとの交易によってもたらされる異国情緒を示す文物、現代風に言うと東洋のアイコンの一つだったのです。よって、《真珠採り》というタイトルはそれだけで当時のフランス人にとってオリエントの雰囲気を想起させるものであり、実際、舞台はセイロン島に設定されています。19世紀のオリエンタリズム(東洋趣味)を反映した作品の一つであり、《カルメン》、《真珠採り》、《ジャミレ》と、ビゼーの流行に乗り遅れまいとする野心が伺われます。
物語は一言で言うと三角関係の話なのですが、真珠採りの頭領ズルガとその旧友ナディールがかつてレイラという美女をめぐって争ったことがありました。ある日、海で働く人々の安全を祈願するために尼僧がやってきて寺院に籠るのですが、この女性が実はレイラだったことが判明し、そこからドラマが動き出します。
「耳に残るは君の歌声」は第一幕のナディールのロマンスで、このオペラの中でも有名なアリアの一つです。ズルガがレイラに尼僧としての戒律を宣誓させていた時、レイラとナディールはお互いの存在に気付いてしまいます。そしてレイラは毎夜、人々の平穏を祈って歌うこととなりました。もちろんナディールは彼女の歌声が耳に焼き付いて離れません。そこで歌われるのがこのアリアです。よってオリジナルは独唱ですが、この楽譜ではピアノ伴奏つきのフルート二重奏に編曲され、独唱部分に和声付けや装飾的な楽句が施されているので、演奏会のプログラムやアンコール・ピースとして活用していただけるようになっています。
(2022年4月記) (M.N.)

忘れられた19世紀フランス・オペラ1→楽譜ID:26347(ボルヌ/「アフリカの女」による華麗なファンタジー )
忘れられた19世紀フランス・オペラ2→楽譜ID:30704(ドップラー/オペラ・フェイヴァリッツ 第2巻 )
忘れられた19世紀フランス・オペラ3→楽譜ID:26588(タファネル/「ニヴェルのジャン」によるファンタジー)
忘れられた19世紀フランス・オペラ4→楽譜ID:24355(サン=サーンス/パヴァーヌ&夕べの夢 )
忘れられた19世紀フランス・オペラ5→楽譜ID:25608(タファネル/「フランチェスカ・ダ・リミニ」によるファンタジー(ベルノルド編))
忘れられた19世紀フランス・オペラ6→楽譜ID:24046(マスネ/バレエ組曲「ル・シッドより」)
忘れられた19世紀フランス・オペラ7→楽譜ID:20970(グノー/「ロメオとジュリエット」(グノー)によるファンタジー 第2番)
忘れられた19世紀フランス・オペラ8→楽譜ID:30070(ビゼー/耳に残るは君の歌声(歌劇「真珠採り」より))
忘れられた19世紀フランス・オペラ9→楽譜ID:27579(ボワエルデュー/曲集「バグダットの回教国の王」より )
忘れられた19世紀フランス・オペラ10→楽譜ID:23103(アレヴィ/サロン風四重奏曲 (アレヴィ) )

歌心溢れる曲をデュエットでいかがですか?(2Fl.Pf)

2本のフルートとピアノの編成で曲をお探しの方、この3つの二重奏曲はいかがでしょうか?
ベームは大変多才な人物で、ベーム式のフルートの発明者であり、ソロ・フルート奏者であり、作曲家としても多くのフルート曲を作曲した人物でありますが、それだけではなく、有名な作曲家たちの様々な曲をフルートのために編曲しています。この3つの2重奏曲はドイツ・ロマン派の2人の作曲家、F.メンデルスゾーンの2重奏曲「恋人ようちあけてくれ」作品63/1(ハイネ詩)、「秋の歌」作品63/4(クリンゲマン詩)、Fr.ラハナーの2重奏曲「私はあなたを愛しております」作品86/3(リュッケルト詩)をもとにベームがフルート2重奏用に変奏曲風に編曲したもので、歌曲ならではの美しい旋律が魅力的な3曲です。また難易度も中級程度ですので、取り組みやすく、時間も1曲が3分程度と短い曲となりますので、アンコールピースとしてもお使いいただけると思います。歌曲の旋律を楽しみながらデュエットで演奏してみませんか?
【中級者向け】 演奏時間:約6分 (NS)

2本のフルートとピアのための作品 (バッハ風!?) (2Fl.Pf)

イタリアに生まれドイツを中心に活躍したフェルッチョ・ブゾーニは技巧派ピアニスト、バッハ作品の編曲・校訂者として特に有名ですが、作曲家としても多くの作品を残しました。 時代は後期ロマン派に属しますが、彼の作品は、過去の音楽(特にJ.S.バッハ)を思わせる古典的な作風が特徴です。 彼が14歳のときに作曲したこの『二重奏曲』もその一つです。 全体を通して半音階や対位法がふんだんに使われ、3部のインヴェンションで書かれており、「まさにバッハ!」といった感じの、古典主義的な手法で書かれています。
どちらかというと地味で渋い作品ですが、一風変わったレパートリーとしておすすめします。

*注意*作品名は『二重奏曲』ですが、編成は三重奏(2FL.PF)ですのでお間違いなく!
(A)

2本のフルートの為の協奏曲(2Fl.Pf)

ナポリ楽派の大家であるチマローザの歌劇はローマ、ナポリ、ヨーロッパ各地で上演され、生涯で76曲の歌劇を残しました。この協奏曲はそんなオペラの作曲家ならではの美しいメロディーにあふれ、2本のフルートが最も効果的に使われている名曲中の名曲です。華やかな響きを是非、レパートリーに加えてください。
【中・上級者向け】 演奏時間:約18分 (Y)

ドビュッシーの上品で美しい1曲(2Fl.Pf)

ドビュッシーが1889年にピアノ連弾用に作曲した小組曲。 アンリ・ビュッセルにより管弦楽版が編曲されるなど、様々な編曲がなされ人気を博していますが、今回は2本フルートとピアノへの編曲版のご紹介です。
この組曲は4曲から成り、
第1曲は、波間に揺れる舟歌のバルカロール「小舟にて」
第2曲は、飛び跳ねる付点音符の動機が3度進行旋律で列を先導する音の「行列」
第3曲は、ルイ14世時代を思わせる優雅で気品ある宮廷舞曲の「メヌエット」
第4曲は、バロック風の舞曲に華麗なワルツのメロディーが交錯する「バレエ」
と、各曲に副題が付けられています。 ドビュッシー初期の作品の為、印象主義的手法はまだ露わに出ていませんが、どれも美しく親しみやすい曲です。 演奏会のプログラムに、また1曲を取り上げてアンコールピースなどにいかがでしょうか。
【中級者向け】 演奏時間:約13分 (NI)

オペラの中の二重唱(2Fl.Pf/Fl.Vo.Pf)

フランスの作曲家ドリーブ(1836-1891)は主に歌劇やバレエ音楽の作曲を行い、主要な作品はバレエ音楽「コッペリア」、「シルヴィア」などが挙げられます。歌劇「ラクメ」は上演される事が少ないようですが、「ラクメ」の劇中に歌われる「花の二重奏曲」はCMソングやサウンドトラックに起用されるなど人気が高く、多くの方が耳にしたことのあるメロディではないでしょうか。
歌劇「ラクメ」の舞台は19世紀、イギリス植民地時代のインド。高僧ニラカンタはイギリス統治に憤りを感じ、ヒンドゥー教徒達とイギリスから独立できるように祈りを捧げます。そんな中、聖域であるバラモン寺院の敷地にイギリス人将校・ジェラルドが誤って侵入し、高僧ニラカンタの娘・ラクメと出会い、二人は恋に落ちていきます。二人の恋の行方が気になりますが・・・。
この「花の二重奏」は、第1幕に高僧ニラカンタが町の祭祀に出掛け、残されたラクメと侍女マリカがジャスミンとバラの花が咲く小川で、綺麗な花と小鳥に囲まれて歌う二重唱です。二人のハーモニーから始まり、それぞれのソロを歌い、再び二重唱へと戻ります。ちょっぴり異国風なメロディと美しいハーモニーが魅力的で、演奏する人も聴く人も心地よい気分になります。
ご紹介するバクストレッサー編では、2本フルート・ピアノだけではなく、歌(1st)・フルート(2nd)・ピアノで演奏できるように歌詞付きで出版されています。
演奏時間は約4分弱。サロンコンサートやアンコールでの演奏もいいですね。歌手になった気分で美しい二重唱、いや二重奏を皆さんも楽しんでください。
(TO)

ドップラーの2重奏あつめました♪(2Fl.Pf)

ドップラー『Andante and Rondo Op.25』と言えば、言わずと知れた2本フルートとピアノの名曲です。そして、ジェームス・ゴールウェイ氏と、夫人のジニー・ゴールウェイさんの息の合った演奏が思い出されるのではないでしょうか。フルーティストにとってはお馴染みの曲で、2本フルートとピアノの編成だけではなく、フルート・オーケストラで演奏できる楽譜も出版されています。
この『Andante and Rondo Op.25』ですが、近年の研究により、『Sonata Op.25』 という曲の中の最後の2曲ではないか。という発見がありました。
今回ご紹介する曲はその『Sonata Op.25』 です。
Moderato、Menuetto、Andante、Rondoの4つの楽章から成る大曲です。
T.Moderato 4/4拍子、C-dur
ドップラー得意のフルートのテクニックを駆使した華やかなパッセージと掛け合いが光る聞き映えのする楽章です。どことなく、『Andante』 と『Rondo』を思わせるフレーズが出てきて面白いです。
U.Allegro con spirito(Menuetto) 3/4拍子、a-moll
軽快な舞曲のリズムが曲全体に流れます。優雅に、そして息の合った演奏が望まれます。
V.Andante 4/4拍子、A-dur
牧歌的な雰囲気漂うメロディーで始まる、フルートの魅力が詰まった名曲です。
W.Allegretto con moto(Rondo) 2/4拍子、a-moll
フィナーレに相応しい、細かいリズムと音形による、テクニックとアンサンブルの豊かな重なりが駆け抜けます。
この編成の新しいレパートリーとして、演奏会や発表会で是非取り上げて頂きたい作品です。Moderatoは、この楽章だけでもお使いいただけそうです。Menuettoはアンコールでもちょうどよい長さです。
アドリヤンとパユのCDが出ておりますので、合わせてお楽しみください!
【中・上級者向け】演奏時間:約7分30秒/約3分15秒/約4分30秒/約4分20秒 (U)
祝祭音楽劇“祖国より”は、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフとシシィの名で親しまれたエリザベート皇后の結婚25周年を記念して1879年に作曲されました。作曲者自身によりピアノ用に編曲され、ほかの楽器用にも編曲されたようですが、残念ながらフルート用のものは見つかっておりません。この楽譜は、ピアノ編曲版をピアニストのヤン・フィリップ・シュルツェが校訂し、それを基にアンドラーシュ・アドリヤンが2本のフルートとピアノ用に再構成したものです。
オーストリアのシュタイアーマルクやチロル地方、クロアチア、スロヴァキア、ボヘミア、ウクライナ、ポーランド、ハンガリーといった帝国内の民謡、舞踏曲などがちりばめられ、優雅でありながらどこかのどかさを感じる作品です。
実際に上演時、皇帝夫妻がどのように聴いていたのか、興味をそそられます。
【中・上級者向け】 演奏時間:約15分 (B)
タイトルから、もしかして!?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、あのフルートとピアノの作品「ハンガリー田園幻想曲 Op.26」をモチーフに、ドップラー兄弟が2本フルートとピアノ版に作曲した作品です。
この作品は1856年に行われたコンサートのために作曲されました。
前半Andante 6/8、前奏のピアノ伴奏はFl+Pfとは異なりますが、フルートはおなじみのメロディーで始まります。ついソロのようにのびのびと演奏してしまいそうになりますが、グッとこらえて二重奏を楽しんでください。
中間部以降はドップラー兄弟によって新たに作曲されました。
ハンガリー舞曲は2拍子で田園風景を眺めるようなゆっくりしたテンポと、踊りだしたくなるような速いテンポが組み合わさっています。
新たに書かれた部分では、Piu Lentoと書かれていて、ゆったりとしたテンポで二重奏が始まりますが、曲の終わりに向かって白熱した踊りのようにテンポアップしていきます。
吹き終わった後には演奏者の絆も深まるはずです!ぜひチャレンジして下さい!
【上級者向け】 演奏時間:約9分30秒 (TO)

二人で踊ろう、チャルダッシュ! (2Fl.Pf)

皆さまご存知のドップラー兄弟は、有名な『ハンガリー田園幻想曲 Op.26』の他にも ハンガリーと名の付く曲をいくつか残しています。 この曲もその中の一つで、いわゆるハンガリー音楽、チャルダッシュの形式で書かれています。
チャルダッシュと聞くと一番初めに思い浮かべるのは、ヴァイオリン(元はマンドリン)の名曲、モンティ作曲の『チャルダッシュ』ではないでしょうか。曲の最初はゆっくりと哀愁的に歌う部分と、激しい踊りが表現されている速い部分で構成されています。他にはフレーズが繰り返されるなどの特徴があります。
今回ご紹介するドップラー兄弟の曲も同じ形式で書かれている作品なのです。
出だしは、ピアノの前奏「Moderato maestoso」よりも遅い、フルートの「Meno mosso」から始まります。モンティの『チャルダッシュ』の出だしと同じく、ここでゆったりと歌うのも良いでしょう。「Lento」からなる部分では三度のハモリや掛け合いがあり、それに続く「Moderato」では二人で息を合わせダンスさながらの演奏を求められます。「Allegro」の二拍子の速い部分は、ヴィルトゥオーゾと名高いドップラー兄弟のように技術の見せ所です。元々は男女の踊りのチャルダッシュをフルートにて表現した、ドップラー兄弟。是非皆さんもフルートで異国の踊りを体験してみて下さい。
音源は、シュルツ親子による「ヴェネツィアの謝肉祭」(CD ID:4248)に収録されています。親子の息があった素晴らしい演奏ですのでこちらも必聴です。
【中・上級者向け】 演奏時間:9分20秒 (MR)

「ドリー」をフルートで(2Fl.Pf)

「ドリー」は銀行家バルダック家の娘エレーヌの愛称です。エレーヌは1892年に生まれました。フォーレは彼女のために、その2、3、4回目の誕生日にピアノ連弾の小品を作曲し捧げています。それらの曲は最終的に「子守歌」ホ長調(1893/4)、「ミ・ア・ウ」ヘ長調(1894)、「ドリーの庭」ホ長調(1895)、「キティのワルツ」変ホ長調(1896)、「優しさ」変ニ長調(1896)、「スペインの踊り」ヘ長調(1897)の6曲にまとめられ、今ではフォーレの最も愛されるピアノ作品となっています。こうしてまとめられた組曲「ドリー」は、1898年にE.リスレルとA.コルトーによって公開の場での初演が行なわれました。翌年にはA.コルトーの編曲によるピアノ独奏版が作られ、1913年にはH.ラボーによって管弦楽に編曲されてバレエが上演されていることから、この曲は作曲当時から人気があったようです。ちなみに、エレーヌの母親エンマ・バルダックは、1904年にドビュッシーとジャージー島に駆け落ちし、後にドビュッシーと結婚しますが、この2人の間に出来た娘エマ(愛称シュウシュウ)にはドビュッシーが「子供の領分」を作曲しているので、エンマの娘2人は夫々、フランス近代の大作曲家から、後々大変よく知られ愛されるようになった作品を捧げられていることになります。なお、第2曲の「ミ・ア・ウ」、第4曲の「キティのワルツ」は、以前夫々が猫の名前とされてきましたが、現在では、「ミ・ア・ウ」はドリーの兄ラウルが呼んでいたドリーの愛称、「キティ」は「ケティ(Ketty)」のミスプリントで、そのラウルが飼っていた犬の名前とされています。ご紹介する楽譜は全楽章、原曲の調性のままです。可愛らしく、美しいこの組曲は、編曲でも十分に楽しめると思います。
(SR)

2本でフォーレのファンタジー!(2Fl.Pf.)

フランスの作曲家、フォーレのファンタジーはフルート界で大変有名な作品のひとつであり、多くの方がご存知の曲かと思います。そんな名曲を、2本のフルートとピアノで演奏することができます!編曲者はマルセル・モイーズの息子であるルイ・モイーズです。オリジナルでも華美な曲ですが、2本のフルートによるアンサンブルは一層ボリュームが増し、華やかです。
冒頭のAndantinoは1stがオリジナルの旋律を奏で、2ndがオブリガートのように1stに寄り添います。Allegroは1stと2ndがエコーのように対話をしながら、重なり合います。1stのフルート・パートに2ndが加わることにより低音が充実するので、メロディは吹き応えも聴き応えもあります。細かな16分音符など多く出てくるので、1st, 2ndで拍を合わせることが少々難しいかもしれませんが、オリジナルの雰囲気とはまた一味違う、お洒落な和声に編曲されています。(ピアノ伴奏は、編曲されておらず、オリジナルが用いられています。)5~6分程の短い作品ですので、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(KM)

華やかな二重奏(2Fl.Pf)

アントン・ベルンハルト・フュルステナウは、19世紀前半、ドイツで活躍した作曲家、フルート奏者です。父親であるカスパール・フュルステナウにフルートの手ほどきを受けます。「24の練習曲」(音の花束)は、コンクールや試験の課題曲になることもあり、フルーティスト泣かせの作品としても知られていますね。数多くのフルート作品を作曲し、練習曲以外にも、弦楽器との室内楽曲や、フルート三重奏、四重奏作品も残しています。
この「華麗なるロンド」は、2本のフルートとピアノのための作品です。フルート二人ともが、ほぼ休みなく動き回る活躍ぶりです。特に序奏部分のレチタティーヴォは、二人の息の合ったところを見せつけるチャンスです。ロンドの部分は、ピアノが刻むリズムに合わせて、二人の軽やかなスタッカートから始まります。中間部では、フルートならではの跳躍があり、華やかさが増します。
「音の花束」でもわかるように、フルートの技量が必要であることは言わずもがなですが、それをいかに「華麗」に魅せられるかが、この作品の価値を決めるのかもしれません。
演奏時間は長くありませんので、演奏会の休憩明けの一曲などにふさわしいかもしれません。
【中・上級者向け】 演奏時間: 約6分 (B)

神秘的で現代的なトリオ(2Fl.Pf)[Fl(Pic).Fl(A-fl).Pf]

作曲者のデイヴィッド・ヒースは1956年生まれのイギリス人で、器楽曲からオーケストラ作品まで多彩な曲を書いており、ジェームス・ゴールウェイやナイジェル・ケネディなどが取り上げて演奏している人気作曲家の一人です。
この曲は、作者によると、中世ヨーロッパで異端として十字軍により虐殺された「カタリ派」がテーマで、音と表現の誠実さの美しさを通して永遠の真理に世界を戻し、洗礼を施すために、モンセギュール虐殺の灰の中から上昇する二人の偉大なカタリ派の笛吹きの物語です。
…というと難しそうですが、フェニックスのように現れる二人の魂の美しさを表現する、流れるようなメロディが印象的です。部分的に、カタリ派のメロディや中世の音楽がモチーフに使われているようで、耳馴染みの良い曲となっています。
二人のプレーヤーのうち、一人はピッコロ、一人はアルト・フルートとの持ち替えになります。3楽章からなり、第1楽章“The Last Song”は最後の祈りを思わせる静謐な曲、第2楽章”The Human Flame”は一転して燃え盛る炎をイメージさせるピッコロの激しいメロディが印象的です。第3楽章“Song of the Light – Return to Avalon”は不死鳥のように灰の中から立ち昇った笛吹きたちの魂が昇華していく様子が絡み合う2本のメロディであらわされた後、静かに終わります。
ぜひ演奏会などで取り上げてみてください。
【上級者向け】 (T)

一味違ったアレンジをお楽しみください(2Fl.Pf)

この「風のとおり道」はジブリ映画『となりのトトロ』の劇中曲として有名で、多くの出版社から楽譜が出版されています。
今回ご紹介させていただくココロネライブラリー出版のものは特にアレンジが凝っていて、今までの楽譜では満足できなかった方にお勧めです。
ココロネライブラリーは〈kokoro-Ne〉という首都圏を中心に演奏活動をする3人のグループが立ち上げた出版社で、クラシックはもちろん、映画音楽や童謡といった様々なジャンルの曲を多数出版し、そのレパートリーの広さと色彩豊かなアレンジで高い評価を得ています。
今回の「風のとおり道」は、冒頭はシンプルにピアノが主体となりフルート2本はそよ風をイメージさせるようなリズムを奏で続けます。中間部では2ndフルートの長いアドリブが挿入され、旋律との掛け合いがとても豪華です。
一味違ったアレンジを楽しみたい方、アンサンブルの魅力を再発見したい方にお勧めです。 YouTubeの公式チャンネルでは音源も公開されていますので宜しければ聴いてみてください。
【中級者向け】 演奏時間:約3分30秒(HS)

記念すべき年に、華やかなヴィルトゥオーゾ作品はいかがでしょう?(2Fl.Pf)

この作品は、フルート奏者でもあったユーグが、ヴェルディの有名なオペラ「アイーダ」(初演:1871年)をもとに作曲した、フルート2本とピアノによる華やかな三重奏曲です。ユーグはイタリアのピエモンテ州出身の優秀な地理学者で、フルート奏者、作曲家としても活動しました。フルート奏者としては、ピアニストの兄とイタリア政府高官のニグラ伯爵とともに、2本のフルートとピアノの三重奏で活躍。練習曲や二・三重奏曲の作曲も行いました。この『「アイーダ」によるファンタジー 作品70』(1878年)はどのパートも華やかに作られていますが、特にフルート・パートの技巧的なヴァリエーションが充実しています。おそらく自作自演でも披露された曲なのでしょう。同じくユーグ作曲の『「アイーダ」によるファンタジー 作品71』(ID:25344 )という曲もありますので、二つの作品を比較してみるのも面白いかもしれません。
また、この曲のベースになっている「アイーダ」の作曲者であり、「椿姫」や「トロヴァトーレ」など数々の名作オペラを残したヴェルディは、2013年が生誕200周年にあたります。記念すべきこの機会に、アンサンブルのレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
【上級者向け】 (YS)

フルート2重奏で楽しいワルツはいかがですか?(2Fl.Pf)

エルネスト・ケーラーといえばフルートを演奏される方でしたら、まずエチュード(作品33)をイメージされる方が多いのではないでしょうか?100以上のフルート曲を作曲しているケーラーですが、今回ご紹介するのは、フルート2重奏とピアノのための曲です。この曲はなんといっても、難易度があまり高くないというところがおすすめです。そして美しく華やかで、かわいらしい曲なので、発表会にもぴったり!!2重奏を探しているけれど、なかなか簡単なものが見つからない、簡単なものだと短くて、もう少し長めの曲(5分程度)を探しているという方、ぜひこちらをレパートリーにしてみて下さい。素敵なワルツをお楽しみいただける事でしょう。
【初・中級者向け】 演奏時間:約5分 (NS)

ドイツ生まれのデンマークの作曲家(2Fl.Pf)

フリードリヒ・クーラウは、ナポレオン戦争の徴兵を逃れてデンマークのコペンハーゲンに移住してきたドイツ生まれの作曲家ですが、デンマークの偉大な作曲家の一人として知られるようになりました。一般的には「ピアノのソナチネの作曲家」として世に知られているようですが、ご存知のとおり、たくさんのフルートのための曲を書いています。この2本のフルートとピアノのための三重奏曲は、クーラウ最晩年の作品です。飽きのこない明るく美しいメロディは、クーラウらしさ満点で、親しみやすいと思います。こちらの楽譜は2本のフルートとピアノ、または、フルート・チェロ・ピアノでも演奏することが出来ますので、それぞれ違った音色のアンサンブルをお楽しみください。
【中・上級者向け】 演奏時間:約22分 (B)

ロマン派の小品をご堪能ください(2Fl.Pf)

ドイツ・ロマン派を代表する作曲家の一人であるメンデルスゾーンは、38歳という短い生涯の中で、多くの名曲を世に残しました。フルートのための作品は無いものの、多くの方に親しまれている「歌の翼に」の作曲者も、メンデルスゾーンですよね。
ピアノ曲、宗教曲、劇音楽、あらゆるジャンルを作曲しましたが、その中でも「無言歌集」は彼が創始者とされていて、抒情的で優しい旋律が続く楽曲は、ロマン派の音楽において代表的な小品の一つといわれています。
オリジナルはピアノ独奏ですが、Elizabeth Walkerによってフルート2本とピアノ用にアレンジされた楽譜が出版されました。ピアノ伴奏が比較的易しいため、レッスンで先生と生徒が気軽に演奏できる編曲となっており、全48曲の中から4曲抜粋されています。
「ないしょの話 op.19 No.4」「ヴェネツィアの舟歌 op.19 No.6第1*」「羊飼いの嘆き op.67 No.5」「デュエット op.38 No.6*」(*作曲者自身が標題をつけたもの)
1曲が2〜3分程度と短いため、取り組みやすいです。『言葉のない歌曲』歌詞はありませんが、フルートで歌うように、心の赴くままに演奏してみてください。
【初・中級者向け】(A.K.)

トルコ行進曲(2Fl.Pf)

今回おすすめしますのは、皆さんよくご存知のモーツァルトのトルコ行進曲です。しかもゴールウェイのアレンジで編成は2本フルートとピアノ。ゴールウェイの演奏会ではよくアンコールで演奏されるそうです。 とても華やかにアレンジしてありますので一度聴いたらしばらく耳に残る感じです♪ちょっとした演奏会、アンコール曲などにおすすめします!
【中級者向け】 演奏時間:約3分30秒 (N)

この曲 吹いてみませんか?(2Fl.Pf)

UNIVERSAL社から、2本フルートとピアノ用に編曲した楽譜がシリーズで出版されていますが、ご存知でしょうか?きっとどこかで聴いた事があるような有名な曲を、簡単なアレンジで編曲してありますので、初・中級者の方に特にオススメします。大好きなあの曲も編曲されているかもしれません。。。シリーズの中から、今回は2曲ご紹介いたします。

こちらは『動物の謝肉祭』より、「堂々たるライオンの行進」「雌鶏と雄鶏」「亀」「象」「白鳥」の5曲を抜粋してあります。
こちらは、歌劇『魔笛』より、「おいらは鳥刺し」「何と美しい絵姿」「銀鈴と魔笛」「何と素敵な鈴の音」「復讐の心は地獄のようにわが胸に燃え」「娘か女房か」「剛健の勝利」の7曲を抜粋してあります。各曲とも原曲より短く・簡単になっていますが、それぞれの曲のイメージを損なうことなく編曲されています。また、各パートに旋律が振り分けてありますので、どのパートを吹いても楽しめます。発表会やアンサンブルの楽しみのためにお使い頂けると思います。
(I)

楽しく、元気に!(2Fl.Pf)

作曲家であり、フルーティストでもあり、またピアニストでもあるゲイリー・ショッカーの作品をご紹介いたします。
ショッカーの作品の多さには目を張るものがあります。編成もフルート・ソロからフルート・ピアノ、フルート・アンサンブルと幅広く、2本のフルートのための作品も数多くあります。中でも、この「3つのダンス」は特に人気の高い作品と言えるでしょう。
曲にはそれぞれ「easy going」「moody」「coffee nerves」のタイトルがつけられています。ピアノの伴奏のラテンのリズムに乗って、楽しく快活に演奏しましょう!
さぁ、みんなで一緒に踊りましょう♪
【中・上級者向け】 演奏時間:約9分 (B)

キレイな曲です★☆(2Fl.Pf.)

サリヴァン作曲の“TWILIGHT”をご紹介します。
サリヴァン(1842-1900)は軍楽隊の隊長であった父親の影響で、幼少の頃より楽器に親しみ、合唱隊の学校に通うようになってからは讃美歌や歌を作曲するようになりました。後にイギリスのオペラコミックの人気作曲家となり、オッフェンバックを凌ぐとも言われています。ウィリアム.S.ギルバートと組んで多くのオペラを創りました。
“TWILIGHT”はピアノソロの作品として1868年に作曲された曲ですが、フルート2重奏+ピアノ版にはW.ベネットとT.ワイによって編曲されました。流れるようなメロディーでフルートらしさを表現できる曲です。
【初〜中級者向け】 演奏時間:約3分 (OU)

「庭の千草」等を織り込んだ2FL&PFの佳作(2Fl.Pf)

フランスのフルーティスト・作曲家のトゥルーは、三度にわたってイギリスを訪れ、その時の印象をもとに2曲の「イギリスの思い出」幻想曲を作曲しました。1曲がこのフルート2本とピアノのためのもので、もう1曲はフルート三重奏(作品51)です。三重奏の楽譜は以前から出版されていましたが、この度二重奏版が復刻されましたのでご紹介します。
2曲とも同じ旋律を用いたアレンジが違うだけのほぼ同じ曲で、 3楽章からなり、第2楽章にはアイルランド民謡「庭の千草(The Last Rose of Summer)」、第3楽章には同じく「この世をさまよい(We May Roam Through This World)」がモチーフとして使われています。
2本の旋律が絡み合うというより、どちらかがソロをとってもう一方は伴奏または休みに回る部分が多く、技巧的な変奏やカデンツァで二人のフルート奏者が腕を競い合う、華やかな伴奏付二重奏と言えるでしょう。中級以上の方の発表会や、デュオ・コンサートなどに使えるのではないでしょうか。
(T)

聴かせたい!フルート二重奏(2Fl.Pf)

ジョヴァンニ・バティスタ・ヴィオッティ(1755-1824)は、イタリアのヴァイオリン奏者、作曲家でヨーロッパ各国で演奏旅行を行い、その後パリやロンドンで活躍しました。彼のヴァイオリン協奏曲はブラームスが影響を受けており、ヴァイオリン協奏曲を書くきっかけになったともいわれています。
今回ご紹介するのは、「ヴァイオリン協奏曲 第3番」の2本フルートとピアノ版です。 この編成は、J.P.ランパルが校訂したもので、彼がレコードに収録したことでフルーティストにも知られるようになりました。全三楽章構成で、特に第二楽章Adagioは、イタリア風の旋律が美しく聴く人の心を惹きつけます。第二楽章だけをアンコールで演奏するのもおすすめです。
そして、軽快なリズムで始まる第三楽章は、主旋律がオーケストラと戯れるように進んでいき、活き活きとした楽章になっています。ランパルによるカデンツは二重奏用です。コンサートや発表会で演奏してみてはいかがでしょうか。
ランパルの演奏はこちらです。
(CD-ID:7125)ジャン=ピエール・ランパル/エラート録音全集 VOL.3 (1970-1982)(23枚組)
【中・上級者向け】演奏時間:約17分 (TO)

2本フルートとピアノの曲、探していませんか?(2Fl.Pf)

矢代秋雄…若い頃より英才として将来を期待され、東京音楽学校作曲科、東京藝術大学研究科を卒業した後、パリ国立高等音楽院に留学。和声法で一等賞を得る等、優秀な成績を修めて卒業。晩年は、作曲家として活動する一方、東京藝術大学音楽学部作曲科の主任教授として、後進の指導にあたっていました。この曲は1958年にNHKの委嘱により作曲され、同年、故・高橋安治、吉田雅夫、田辺みどりの各氏により初演されました。
第1楽章 Allegretto  第2楽章 Lento第  3楽章 Molto vivace  
1、3楽章は変拍子が多く合わせるのが少し難しいですが、完成した時の感動は大きいでしょう。2楽章は各パートのソロが中心でまるで対話をしているようです。是非チャレンジしてみてください!
【上級者向け】 演奏時間:約14分 (N)

みんなでクリスマス♪(2Fl.Pf./etc.)

クリスマスパーティーにピッタリの曲集をご紹介いたします。
有名なクリスマスキャロルが15曲。それぞれ特別なアレンジか加えられているわけではありませんが、讃美歌の美しい響きにクリスマス気分が盛り上がります。
こちらの曲集の良い所は、様々な編成でお楽しみいただける所です。
2Fl.Pf、Fl.Vn.Pf、Fl.Cl.Pf、その他、リコーダー、オーボエ、トランペット、歌やギター、パーカッションの楽譜もついており、一緒に演奏することが可能です。(実はフルートなしでもできます…。)
シンプルなメロディーなので、初心者の方でも楽しくアンサンブルに加わる事ができるでしょう。音楽教室や音楽好きのご家族のクリスマスパーティーなど、それぞれ得意な楽器を持ち寄ってお楽しみ下さい!
【初級者向け】 (U)

ピッコロの魅力がギュッと詰まってます!(2Pic.Pf)

珍しいピッコロデュエットの曲集はいかがでしょうか?
トレバー・ワイ版のピッコロとピアノのための曲集1巻楽譜 (ID:15609)、2巻楽譜(ID:15959)は以前に紹介しましたが、 今回は3巻にあたる2本のピッコロとピアノの曲集をご紹介します。400曲以上もピッコロの作品を残したダマレや兄ピエールとともにフルート、ピッコロのソリスト、オーケストラ奏者としてイギリスで活躍したJ .ジュナン(P.A.ジュナンとは別人です)など19世紀後半〜20世紀初頭の作品が全4曲収録されています。
1.J.W.コール/生きる喜び
2.J.ジュナン/羽ばたく鳥たち作品31
3.E.ダマレ/オペラのナイチンゲール 
4.H.クリング/二羽の小鳥
明るく軽やかにリズムに合わせて踊りだしたくなるようなポルカや、小鳥たちが戯れ、一緒に歌い奏でる曲など…ピッコロの魅力がギュッと詰まった曲ばかりです。技巧的で煌びやかな楽しいデュエット曲集、ぜひレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか?
【中・上級者向け】 (NS)

フルートで吹く「歌」(2Fl.Pf)

19世紀の終わりから20世紀初頭にかけてフランスで活躍した4人の作曲家たちの美しい「歌」を2本フルートとピアノの編成でお楽しみいただける曲集です。
室内楽曲や歌曲を数多く作曲したガブリエル・フォーレ(1845-1924)から「夢のあとに」、「月の光」、「われらの愛」の3曲。同じく多くの歌曲を残したレイナルド・アーン(1875-1947)の「クロリスに」。ドビュッシーとも友人関係にあり歌曲や室内楽の他、オペラや交響曲など幅広く作曲をおこなったエルネスト・ショーソン(1855-1899)の「夜」。
最後に「ファンタジー」が有名なジョルジュ・ユー(1858-1948)の「異教徒の夕べ」の6曲が入っています。
この中で特に有名なのはフォーレの「夢のあとに」ではないでしょうか。ピアノ・ソロやヴァイオリン、チェロにも編曲されて親しまれています。フルートとピアノの楽譜も多く出版されていますが、2本のフルートとピアノはこの曲集がはじめてです。原曲は全て歌曲で、変奏や大きなアレンジが加えられているものではありませんので、初級から中級くらいの方も演奏できそうです。どれも繊細で奥深い楽曲です。すこし大人の方の発表会のレパートリーにもぴったりだと思います。
【初・中級者向け】(U)