スタッフのおすすめ「フルートアンサンブル」

このコーナーでは、ムラマツのスタッフが、長年の経験から「これは!」と思う楽譜を、その目的や内容の解説付きでご紹介します。
定期的にご紹介する楽譜を更新して行きますので、皆様の目的に応じた「使える」楽譜が見つかることと思います。

ヴィオラの二重奏をフルートで。(2Fl)

フルーティストにとってJ.S.バッハの長男、ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ(1710-1784)といえば名曲「6つの二重奏曲」ですね。オルガニストとして活躍したフリーデマンは鍵盤の作品や教会音楽を数多く残していますが、ヴィオラの二重奏も作曲しています。
今回ご紹介する楽譜は、ヴィオラ二重奏からのアレンジです。フーガが充実した、二重奏の美しさとバロック音楽の面白さを再発見できる楽曲です。レッスンではもちろん、演奏会のプログラムや、気に入った楽章を取り出してアンコールにお使いいただいてもいいかもしれません。第1番F.60は原曲C-DurからD-Durへ移調されていますが、第2番F.61は原曲のままG-Dur。第3番F.62も原曲と同じG-Mollです。ヴィオラの名曲に挑戦してみましょう!
【中・上級者向け】演奏時間:約6分/約9分/約8分 (U)

巨匠に続け!!(2Fl)

この曲は、バルトークが1931年に作曲した「44のヴァイオリン二重奏曲」から18曲を抜粋してフルート二重奏用にしたものです。2009年にペーター・ルーカス・グラーフ氏が来日された際、某テレビ番組で佐渡裕氏と演奏されていましたので、ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。ちなみにこの時の演奏曲は、新年の挨拶、スロヴァキアの歌、セルビアの踊りの3曲です。この3曲のほかには輪踊り、クッションの踊り、からかいの歌、数え歌、びっこの歌などかわったタイトルの曲もある、バルトークらしく楽しい二重奏曲です。前半はあまり難易度が高くないので、レッスンの副教材としても使えるのではないでしょうか。後半は変拍子あり転調ありテンポも速く、2人の真剣勝負!といった感じです。それぞれの曲はとても短く、一番長い曲でも1分少々ですので、18曲全てを演奏しても所要時間は約15分です。“フルートの巨匠”グラーフ氏に続いて、ぜひ演奏してみて下さい。
【初・中級者向け】(I)

ギター音楽の巨匠によるデュエット(2Fl)

2本フルートの編成で、W.F.バッハやテレマン、クーラウ、モーツァルトなど定番の名曲レパートリーをひと通りやってしまったお2人にご紹介したい1曲、それは、イタリア、フィレンツェ出身のユダヤ系作曲家カステルヌオーヴォ=テデスコの「DIVERTIMENTO」です。テデスコといえば20世紀ギター音楽の重要な作曲家の一人であり、映画音楽も有名です。フルートの作品では、ギターとのデュオで「SONATINA,OP.205」を聴いたことがある方もいるかもしれません。
こちらの「DIVERTIMENTO」は、3つの楽章で構成されています。聴きやすいメロディーと軽快なリズムの掛け合いが印象的な楽曲で、遊び心も感じられる洒落たデュエットです。
演奏会のレパートリーとしてもお使いいただけますが、楽章だけを取り上げてアンコールピースにも良さそうです。デュエットの新しいレパートリーにおすすめします。
T.Allegretto grazioso
U.Tempo di Siciliana Andantino semplice e melinconico
V.Molto Vivace e ritmico
【中・上級者向け】 演奏時間:約11分 (U)

太陽王が愛した二重奏(2Fl.)

フランソワ・クープラン。なんて繊細で優美な響きを持った名前でしょう。同時代に活躍したジャン=フィリップ・ラモーがどちらかといえば劇的な音楽を書き、数多くのオペラを残したのに比べて、クープランは繊細で親密な音楽を数多く残しています。ちょうど200年ほど後に活躍したドビュッシーもクープランを「クラヴサンの詩人」と讃えています。そんなクープランのフルート作品といえば「王宮のコンセール 第4番」がよく演奏されます。「王宮のコンセール」とその続編の「趣味の融合、または新しいコンセール」は全部で14曲あります。年老いた太陽王ルイ14世のメランコリーを癒すために作曲したとされ、そのほとんどの曲はフルートでも演奏できます。
今回ご紹介するのはその中の「第13番 ト長調」で、旋律楽器だけによる二重奏の形になっています。14曲中、通奏低音が付くのが12曲、二重奏が2曲ありますが、二重奏のうちの1曲はヴィオラ・ダ・ガンバを想定して書かれているので、フルートの二重奏として心置きなく演奏出来るのはこの第13番なのです。曲は「ヴィーヴマン」「エア」「サラバンド」「シャコンヌ」の4楽章で出来ています。
ヴェルサイユ宮殿の一室で、太陽王を慰めたクープランの名曲。フランスの二重奏の名品を、二重奏の楽しみやサロン・コンサートなどのレパートリーにぜひお加えください。
(SR)

オペラの名曲をフルートで(2Fl.)

ドップラーは19世紀中期を代表する名フルーティストです。この曲集はドップラーがオペラの序曲とアリアを題材にフルート二重奏に編曲しました。フルーティストの視点により編曲されていますのでとても良いアレンジです。ロッシーニの「セヴィリアの理髪師」、エロールの「ザンパ」、ドニゼッティの「連隊の娘」が題材になっています。「セヴィリアの理髪師」約7分10秒、「ザンパ」約8分20秒、「連隊の娘」約6分10秒。アンサンブルの楽しさが味わえます。
【中級者向け】 (E)

忘れられた19世紀フランス・オペラ2 (2Fl)

「オペラ・フェイヴァリッツ」と銘打たれた曲集ですが、第1巻(楽譜 ID:30326)と合わせてみても、現代の我々は初めて聞く作曲家名や作品名に面食らい、「一体どこがポピュラー?」と首をかしげたくなるような選曲で、今日なお頻繁に舞台にかけられるものといえば、ロッシーニの《セビリアの理髪師》のみです。これはドップラーの趣味が偏っていたからではなく、前回、シリーズ開始にあたってお話ししたように、19世紀当時の流行を反映したもので、時代の雰囲気を伝えてくれる歴史的資料なのです。今回は典型的な作品を一つご紹介いたします。
《ポルティチの物言わぬ娘》
フランソワ・オーベールは1782年に生まれ、1871年に亡くなった作曲家です。彼の名前や作品を現在耳にすることはめったにありませんが、パリ市民にはオーベール通りという道路名、そしてそこに由来する駅名としてなじみがあります。この通りはパリのオペラ座(ガルニエ宮)を取り囲む通りの一つで、それほどかつては重要な作曲家であったことが分かります。
《ポルティチの物言わぬ娘》は1827年に作曲、翌1828年に初演されました。1882年までにパリだけで505回の上演を記録し、グランド・オペラの様式を確立した作品として知られていますが、20世紀に入ると忘却の彼方に追いやられ、現在では序曲のみ演奏されることが多いです。内容は、ナポリの漁師マサニエッロがナポリを統治していたスペイン政府に対して1647年に蜂起した史実に基づいています。マサニエッロの妹で口のきけないフェネッラを中心に物語は進行していきますが、最後にポンペイで有名なヴェスヴィオ火山が噴火し、絶望に打ちひしがれたフェネッラが溶岩に投身自殺を図るという衝撃的なクライマックスを迎えます。この設定はもちろんフィクションですが、ヴェスヴィオ火山は1822年に噴火を起こしており、当時はタイムリーな話題で、劇的な効果が観客に受けたのです。
ドップラーがフルート二重奏に編曲するにあたって用いたモチーフは以下の通り。
・序曲
・第一幕第三場、エルヴィール王女が結婚の喜びを歌う場面
・第三幕冒頭、ナポリの市場での民衆の踊り(タランテラ)、と合唱
・第一幕第三場、バレエ、婚礼行列中の踊り(ボレロ)
・第二幕第一場、圧政で民衆を苦しめる副王を批判するマサニエッロの歌と合唱
・第一幕第三場、バレエ、婚礼行列中の踊り(ワラチャ)
・第五幕第一場、宮殿の宴で舟歌を歌いながら、何食わぬ顔でマサニエッロに毒を盛る同僚のピエトロ
・第三幕第三場、神に祈りを捧げ、宮殿に火を放とうと企てるマサニエッロの一団の合唱
・序曲
最後は序曲からの引用に戻ります。
(2020年2月記) 【初・中級者向け】(M.N.)

忘れられた19世紀フランス・オペラ1→楽譜ID:26347(ボルヌ/「アフリカの女」による華麗なファンタジー )
忘れられた19世紀フランス・オペラ2→楽譜ID:30704(ドップラー/オペラ・フェイヴァリッツ 第2巻 )
忘れられた19世紀フランス・オペラ3→楽譜ID:26588(タファネル/「ニヴェルのジャン」によるファンタジー)
忘れられた19世紀フランス・オペラ4→楽譜ID:24355(サン=サーンス/パヴァーヌ&夕べの夢 )
忘れられた19世紀フランス・オペラ5→楽譜ID:25608(タファネル/「フランチェスカ・ダ・リミニ」によるファンタジー(ベルノルド編))
忘れられた19世紀フランス・オペラ6→楽譜ID:24046(マスネ/バレエ組曲「ル・シッドより」)
忘れられた19世紀フランス・オペラ7→楽譜ID:20970(グノー/「ロメオとジュリエット」(グノー)によるファンタジー 第2番)
忘れられた19世紀フランス・オペラ8→楽譜ID:30070(ビゼー/耳に残るは君の歌声(歌劇「真珠採り」より))
忘れられた19世紀フランス・オペラ9→楽譜ID:27579(ボワエルデュー/曲集「バグダットの回教国の王」より )
忘れられた19世紀フランス・オペラ10→楽譜ID:23103(アレヴィ/サロン風四重奏曲 (アレヴィ) )

ピアソラの前にガルデルを(トリオ→Fl.Vc.Pf / デュエット→2Fl)

カルロス・ガルデルはアルゼンチンの国民的英雄です。ガルデルは1890年生まれといいますが、生地はフランスのトゥールーズとも、ウルグアイまたはアルゼンチンともいわれています。1911年に歌手としてデビュー、その後タンゴの歌手、作曲家として有名になります。さらに彼はイケメンだったので、ニューヨークで数々の映画に出演、人気を不動のものとしました。映画撮影でニューヨーク滞在中に、バンドネオンを弾く子供だったピアソラ少年と知り合い、オフの日にはニューヨークを案内してもらったとのこと。さらに撮影が終わって旅立つときにバンドネオン奏者としてピアソラ少年を演奏旅行に連れて行きたいと父親のノニーノに申し出たそうです。この時はまだ子供だからということでノニーノは断ったそうですが、もし同行していたら、その演奏旅行の途中で起こったチャーター機の墜落事故でピアソラ少年も亡くなり、後の彼のタンゴは聴けなかったことになります。ガルデルはこの飛行機事故で1935年に亡くなりました。彼の葬儀は棺がブエノスアイレスに着いたところから記録映画に残されており、ビルの窓々から花が投げられるといった、まさに国葬のような葬儀でした。
ガルデルが作った曲は現在でも愛され、歌い演奏され続けています。
この楽譜はその中から代表作「場末のメロディー」「首の差で(ポル・ウナ・カベサ)」「想いの届く日」「わが懐かしのブエノスアイレス」「帰郷」の5曲をフルート、チェロ、ピアノ(ID:30784)とフルート二重奏(ID:31941)に編曲してあります。これら5曲はそれぞれ、1932年(「場末のメロディー」)、1935年(「タンゴ・バー」)、1935年(「想いの届く日」)、1936年(「わが懐かしのブエノスアイレス」)、そしてガルデル没後71年の2006年(「帰郷(ボルベール)」)の映画音楽でもあります。
【中級者向け】 (SR)

フルート二重奏曲集(2Fl)

全4巻からなる難易度別の二重奏曲集の第3巻です。調性、拍子などがそれぞれ異なっており、また、コミカルな曲や流れるような美しい曲など曲想もそれぞれ違うので、途中で飽きることなく1冊を終えられます。全4巻の難易度の目安は、第1巻:初心者向け、第2巻:初心者から中級者向け、第3巻:中級者向け、第4巻:上級者向けです。レッスンの副教材として、また、曲によってはアンコール・ピースとしてお使い頂けます。少し長めの曲が多いので、根性と忍耐力が少々必要です。
(I)

クーラウ、人気の1曲!(2Fl)

クーラウはピアニストだったことから、ピアノ曲を多く残しています。ピアノを習った事のある方ならソナチネアルバムの第1曲は良くご存知でしょう。しかし彼にとってフルートの為の作品を書くこともまた重要な作曲活動の1つでした。この“フルート二重奏曲 OP.10a”はその中でも人気のある1曲です。レッスンで良く用いられたり、演奏会でもしばしば演奏され、吹いていて楽しい曲です。この楽譜には今までなかった、スコアがセットになっているので、使い勝手の良いものになっています。今まで曖昧になっていたアーティキュレーションや、ダイナミックスが修正されており、原典版といってもいい楽譜です。他の版をすでにお持ちでいらっしゃる方にも参考になるのではないでしょうか。
(N)

初心者の方も先生とのデュエットで美しい音楽を(2Fl)

二重奏曲集(教本)はたいてい生徒が上、先生が下のパートを吹きますが、この曲集では先生が上、生徒が下のパートを吹くように指定されています。1曲目はG, A, Hの3音だけですが、少しずつ使う音が増えていきます(音が増えた場合はNew Noteと書かれています。)ので、先生とデュエットを楽しみながら少しずつ運指を覚える事が出来ます。また、先生と一緒に吹くことにより、音符の長さを正確に吹く練習や相手の音を聴く練習が出来ます。
(I)

夏のおすすめ(2Fl)

「結婚行進曲」などで知られるメンデルスゾーン作曲「夏の夜の夢」のスケルツォをフルート二重奏で演奏出来るようにした楽譜です。タイトルは以前「真夏の夜の夢」と訳されていましたが、原題のMidsummerが夏至の頃を指すため、最近は「夏の夜の夢」と訳されるようです。32分音符の連続ですので、軽快なイメージを失わずに最後まで吹けるかどうかが試される曲です。夏の合宿や演奏会などにいかがでしょうか?スコア、パート譜付き  
【中・上級者向け】 演奏時間:約4分30秒 (I)

気の抜けない2人♪(2Fl)

以下の曲をFrans Vesterが2本フルート用にアレンジしています。
■ 「第1巻(#11674) ヴァイオリン伴奏つきクラヴィア又はピアノフォルテのための6つのソナタ」から  「K.378 (317d ) B-dur」  「K.376 (374d ) F-dur 第2楽章割愛」  「K.379 (373a) G-dur) 変奏曲一部割愛」
以下の曲をFrans Vesterが2本フルート用にアレンジしています。
■第2巻(#11675)  「Sonate (ヴァイオリン伴奏つきクラヴィア又はピアノフォルテのための6つのソナタ) K.296.C-dur」  「Sonate (ピアノソナタ) K.310 (300d) 2楽章割愛」  「String Quartet K.575 D-dur / Sonate (ピアノソナタ) K.284 (205b) D-dur」
   実は私も演奏してみたのですが、なかなか難しい作品でした。 「ヴァイオリン伴奏つきクラヴィア又はピアノフォルテのための6つのソナタ」についてアインシュタインが次のように書いています。
「伴奏のヴァイオリンがここではピアノのパートと極めて巧妙に結合され、2つの楽器が絶えずお互いに気を配りあっている。従ってその演奏には、ピアノと同様にヴァイオリンの優秀な奏者が必要である」
1st、2nd共に気の抜けないデュエットです。比較的ポピュラーな作品75のデュエットを演奏済みの方、是非こちらも演奏してみてはいかがでしょうか。(O)

THE MAGIC FLUTE(2Fl)

W.A,モーツァルトの歌劇の中で最も有名な歌劇「魔笛」をフルート用に編曲した楽譜をご紹介いたします。
1. 私は鳥刺し 2. 何と美しい絵姿 3. かわい子ちゃん、お入り 4. 恋を知る男たちは 5. この道の先に目的地があります 6. ああ、なんと強力な魔法の音が 7. 何と素敵な鈴の音 8. 女の奸計に気をつけよ 9. 誰にでも恋の喜びはある 10. この聖なる神殿には 11. 僧侶の行進 12. おおイシスとオシリスの神よ 13. 復讐の心は地獄のようにわが胸に燃え 14. もう一度歓迎の言葉を申し上げます 15. ああ、愛の喜びは露と消え 16. 私たちは、もう会えないの? 17. 娘か女か、パパゲーノはどちらがほしい
以上、全17曲です。 どちらのパートにも旋律が出てきており、変奏部分もあります。
【中・上級者向け】

元同僚のピンチを救ったモーツァルト! フルートとアルト・フルートのお勧め二重奏(2Fl//Fl.A-fl)

1783年、27歳のモーツァルトは、妻のコンスタンツェと共にウィーンで新生活を始めました。この年の夏に妻の紹介を兼ねてザルツブルクに里帰りをしたモーツァルトは「ヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲」を2曲書いています。ザルツブルクのコロレド大司教が臣下の宮廷楽団の楽長だったミヒャエル・ハイドン(ヨゼフ・ハイドンの弟)に作曲を依頼していたところ、4曲作ったところで病気に罹ってしまったため、モーツァルトが元同僚の急場を救って残りの2曲を作曲したと言われています。
作曲の経緯はどうあれ、この2曲はこの編成の二重奏曲の傑作として、大変よく演奏される名曲です。第1番 KV.423は、1.アレグロ/2.アダージョ/3.ロンド・アレグロ、第2番 KV.424は、1.アダージョ―アレグロ/2.アダージョ・カンタービレ/3.アンダンテ・グラツィオーソと6つの変奏、といずれもしっかりとした3楽章のソナタの形をとる、変化に富んだ充実した作品です。
アルトフルートの普及に伴って、アルトフルートのレパートリーが増えてきましたが、その中でもこの編曲楽譜はプロ、アマ問わず、演奏会やアンサンブルの楽しみに広く使っていただける楽譜です。第1番は原調のト長調をハ長調に移調、第2番は原調の変ロ長調のままで編曲されています。
(SR)

一人より二人で!(2Fl)

すっかりポピュラーになった作曲家ピアソラの「タンゴ・エチュード」はオリジナルはフルート・ソロのための曲です。
Lemoine社は「タンゴの歴史」などピアソラの曲を違う編成にアレンジして次々に出版していますが、この「タンゴ・エチュード」も既にフルートとピアノの版があり、今回ご紹介するのはフルート・デュエット版です。
元の旋律を1stと2nd にほぼ均等に配分しながら無理なく補う形で二重奏にしてあり、ピアソラの粋な音楽を二人で楽しめるようになっています。特殊奏法も必要で技術的に難易度は高いですが練習用にも演奏会にも使えそうです。ソロで吹いたことのある方も、相手を見つけて挑戦してみてはいかがでしょうか。パート譜はなく、スコアを二人で見て演奏します。
【上級者向け】 (T)

華やかな二重曲(2Fl)

プッチーニより約半世紀前に活躍した、同じくイタリアの作曲家ロッシーニの代表作、「セヴィリアの理髪師」からいくつかの曲をドップラーがつなぎ合わせてフルート二重奏にアレンジした楽譜です。楽しく快活な旋律がドップラーらしい華やかな二重奏に仕立てられています。伴奏無しの二重奏でアンコールや口直しの曲をお探しの方に。
【中・上級者向き】 (T)

愉しい組曲をフルートで♪(2Fl)

86年の長い人生の中で、300曲以上ものあらゆるジャンルの音楽を作曲。また音楽のみならず、詩人、戯曲作家、天文学者、自然科学者、考古学者など、様々な顔を持つサン=サーンス。
天才の頭の中はちょっと未知の世界ですが、学ぶことそのものを愛し、尊重していた人なのかも知れませんね。
『動物の謝肉祭』はサン=サーンス51歳の頃の作品です。サン=サーンスはもちろん動物にも(虫にも)詳しかったそうです。
そしてこの楽曲からも分かるように、ユーモア(皮肉)のセンスもありそうです…。
詳しくはこちらをご覧ください⇒没後100年特別企画サン=サーンス ≪第5回≫
今回ご紹介する楽譜は2本フルートによるアレンジで、全14曲が収められています。 「ラバ」や「カンガルー」「ピアニスト」といった、フルート2本でどうやって?と思う作品も含まれます。 想像力と表現力がこの曲を輝かせるヒントになりそうです!『謝肉祭』らしく、2人で息を合わせて楽しく演奏してください!
※スコアのみの楽譜です。
【中・上級者向け】(U)

デンジャラス!?(2Fl)

「エアーボーン」などで知られる、G.ショッカー作曲のフルート二重奏曲です。軽快で躍動的な第1楽章、共に歌うような第2楽章、テンポが速く技巧的な第3楽章、の全3楽章から構成されています。演奏時間約8分とそんなに長い曲ではありません。変拍子がかなり多く使われており(第2楽章は後半のみ使われています)、おそらく、その不安定さから「デンジャラス・デュエット」というタイトルになったのではないかと思います。フルートニ重奏で、難しくてもいいから面白い曲をやりたい!と思っている方々へオススメします。なお、楽譜はそれぞれのパート譜ではなく、スコア譜が2冊セットになっています。
(I)

日本の唱歌をアレンジ(2Fl)

小さいころから口ずさんできた唱歌。CDを聴いたり、ピアノの伴奏で歌ったことがある方も多いことでしょう。どんな和音がくるのか、アンサンブルになったらどの音が合うか、大体は検討がつくと思いますが、そこはアメリカのフルーティストであり多作家であるショッカーの編曲、日本の音階ではないところがこの曲集の面白いところです。
曲目は紅葉、荒城の月、春よ来い、早春賦、故郷(ふるさと)の5曲です。 (※残念なことに曲集の中で、「春よ来い」と「早春賦」のタイトルが入れ替わってしまっています…。)
「紅葉」は1stフルートがメロディを吹き、2ndフルートが伴奏を担当します。間奏や後奏をショッカーがつけています。「荒城の月」は転調やユニゾンがあります。「春よ来い」は2ndフルートが8分音符で動きをつけており、かわいらしいアレンジです。「早春賦」は1stフルート、2ndフルートが交互に旋律と伴奏を担当します。オクターヴのユニゾンが出てくるので音程に注意が必要です。「故郷(ふるさと)」は1stフルートが旋律を吹き、2ndフルートは16分音符で伴奏を担当します。後半はどちらも16分音符で動いていきます。ショッカーによる後奏がつきます。
旋律を知っているからこそ、簡単に手軽に楽しめる二重奏です。
(B)

ショッカーの人気のデュエット作品をお一人でもお楽しみ頂けます! (2Fl.+AUDIO ACCESS)

人気のショッカーのデュエット作品(2Fl&Pf)を様々なスタイルでお楽しみ頂ける楽譜をご紹介致します。
こちらの楽譜には「3つのダンス」「遥かなる冒険」「続・3つのダンス」「福建の2本のフルート」のフルートパート譜(1st、2nd)とオーディオアクセスコード付です。 模範演奏とカラオケ伴奏がダウンロードでき、「1stパートのカラオケ」「2ndパートのカラオケ」「1st,2ndパートのカラオケ」が収録されているため、お一人でどちらのパートもお楽しみ頂けますし、フルートお二人で合わせをしたいという方も手軽にカラオケ伴奏でお楽しみ頂くことができる楽譜となっています。 またゆっくりなテンポやピッチを変更できる機能もありスタイルに合わせて練習ができます。 ショッカー自身が1stパートの模範演奏をしているので、もちろん演奏を聴くだけでもお楽しみ頂けますよ。(「続・3つのダンス」の音源は現在この楽譜のみの収録となっておりますので貴重です。) ぜひ様々な使い方でショッカーのデュエットの世界をお楽しみください。
※こちらの楽譜にはピアノ伴奏譜は含まれておりませんのでご注意下さい。
【中・上級者向け】(NS)

ジャズとクラシックの融合(2Fl)

「プロヴァンス組曲」はフルート二重奏です。曲はしっかりと作られながらも、ジャズのリズムやイディオムを使った9つの楽章からなり、それぞれ「入江の孤舟」「藤の蜜蜂」「ブイヤベース」「ミストラル」「海のきらめき」「ファランドール」「葡萄の木とオリーブの木」「遥かなアフリカを望んで」「エクスの泉」のタイトルが付けられ、プロヴァンスの風物を彷彿とさせます。
演奏時間:約10分

アンサンブル特集「ふたりでモルダウ」 (2Fl)

チェコの作曲家、スメタナの「わが祖国」は、6曲からなる連作交響詩です。その中でも第2曲の「ヴルタヴァ(モルダウ)」は特に有名で、演奏会でもよく取り上げられます。今回ご紹介するこの楽譜は、その「モルダウ」をフルート2本で演奏できるように編曲したものです。
基本的に全曲ですが、カットがあり、それぞれの情景(各楽章)で終止するよう編曲されています。どの楽章も、1st、2ndの音のつなぎを大事にしてください。
月光の場面は、原曲と同じようにフルート2本で音を紡いでいきます。水の精の踊りの弦楽器の部分はどちらのパートにも出てきませんので、そのメロディを感じて演奏してみてください。
オーケストラの楽曲をフルート2本で演奏するため、物足りなさは感じるかもしれませんが、良く編曲されていると思います。
【中級者向け】(B)

愉しい組曲をフルートで♪(2Fl)

チャイコフスキーは、バレエ音楽「くるみ割り人形」が初演される前、依頼された演奏会のために作曲中だったバレエ音楽から8曲をオーケストラのために組曲「くるみ割り人形」として発表しました。この組曲をフルート二重奏用にアレンジされたものがベーレンライター社より出版されました。
オーケストラで重要な役割を持つフルート・ソロを大切にしたアレンジで、1stと2ndが交互にメロディを受け持ちます。また原曲と同じ調性でアレンジされているので、曲の雰囲気をそのまま味わうことができます。オーケストラ作品を二重奏で演奏するため、やや難しい箇所もありますが、オーケストラではチェレスタやオーボエ、クラリネット、ハープなど他の楽器が受け持つメロディをフルートで演奏できるのも魅力のひとつです。全8曲が収録されています。今も人気のあるチャイコフスキーの作品をぜひお楽しみ下さい。
※スコアのみの楽譜です。
1.序曲 2.行進曲 3.金平糖の精の踊り 4.ロシアの踊り 5.アラビアの踊り 6.中国の踊り 7.葦笛の踊り 8.花のワルツ
【中・上級者向け】 (TO)

テレマン取って置きの二重奏(2Fl)

テレマンのフルート二重奏曲といえば、作品2の「6つのソナタ」と作品5の「6つのカノン風ソナタ」が有名で、レッスンなどでも吹いたことがある方が多いのではないでしょうか。作品2は1727年に出版され、作品5は1738年に出版されていますから、これらの作品はテレマンが40代から50代にかけて作曲したものです。 彼は1733年に「ターフェルムジーク」を、1737年には「パリ四重奏曲」を出版し、殆どの代表作がこの時期までに作られています。
今回ご紹介する2つの「二重奏曲集」はどちらも1752年に発表されていますから、テレマン70歳前後の作品です。驚くべきことに、この時期になっても彼の創作意欲は衰えず、この2つの「二重奏曲集」は当時新しい様式だった「ロココ様式」「ギャラント様式」を大幅に取り入れた、斬新な作品になっていて、作品2や作品5よりさらに面白い曲集になっています。そのため、近年様々な演奏会で取り上げられるようになりました。テレマンの二重奏はやってしまった、テレマンの二重奏は飽きたという方、新しいテレマンの魅力が見えてきますよ! 
(SR)

新発見!テレマンの二重奏とクヴァンツのソルフェージュの関係は?(2Fl/Method)

これまでテレマンのフルート二重奏といえば、作品2の「6つのソナタ」、作品5の「6つのカノン風ソナタ」の二つの曲集がよく演奏されていました。また、それで飽き足らない人は更に難しく、新しい様式で作曲された1752年の二つの曲集(「6つのソナタ」I・II)の計24曲が知られてきました。今回ご紹介する「9つのソナタ」はそれらのどれにも属さないソナタです。ロ短調/ホ短調/ト長調/イ長調/ト長調/ホ短調/ロ短調/ト長調/ニ長調の9曲は、調性から見ると1752年のものより簡単ですが、内容的には作品2と5より少し難しそうです。 これらの曲はながいあいだ忘れられており、数年前に発見されました。第二次世界大戦後、ベルリンにあったジングアカデミーの蔵書が行方不明となっていましたが、それがキエフで発見されその中にあった楽譜だからです。このような理由から、まだCDへの録音は行われておらず、演奏会でもほとんど取り上げられていません。テレマンの好きな方だけでなく、これから二重奏を勉強しようとする方の、セカンド・レパートリーとしてもお勧めできる楽譜です。
(SR)
クヴァンツの「ソルフェージュ」はソロの曲集ではなく、自作・他作を問わず様々な曲の部分、フレーズ、音型を集めた手書きの楽譜集で、誰のために何の目的で書かれたかについては不明です。後期バロック音楽に良く出てくる様々なフレーズが集められ、その中のかなりのものについてタンギング・シラブルやコメントが付けてあるので、バロック音楽の演奏法を知る上で、また、練習曲としても大変有益な楽譜となっており、特に後期ドイツ・バロック音楽を勉強する上では最上の手引書の一つと言えそうです。クヴァンツだけでなくエマヌエル・バッハ、フリーデマン・バッハ、F.ベンダ、J.G.グラウン、G.タルティーニ、などの作曲家に交じって、当時人気ナンバー・ワンだったテレマンの曲も譜例として使われていますが、そのテレマンの原曲が分からないものがありました。この中に使われているテレマンの譜例のいくつかは、2006年に出版された「2本のフルートのための9つのソナタ」(Barenreiter社版 ID:26688)の中に含まれていたからです。クヴァンツの「ソルフェージュ」を見ながら、テレマンの「9つのソナタ」を演奏してみるのも一興ではないでしょうか。
(SR)

フルート二重奏による“欲張り名曲集”(2Fl)

「クラシック・ヒッツ」というタイトル通り、19世紀頃に作曲されたクラシックの名曲をフルート2本で演奏出来るように編曲した曲集です。やさしく、短い曲がほとんどですが、後半の曲はやや長めです。初見練習・レッスンの副教材、また、アンコール・ピースとして、幅広くお使い頂けると思います。

ロシアの作曲家によるフルート二重奏曲集(2Fl)

ロシアの作曲家のおなじみのバレエ音楽などが、やさしい二重奏の曲集になりました。
チャイコフスキー、ボロディン、プロコフィエフ、ハチャトリアン、リムスキー=コルサコフ・・・の美しいメロディーが印象的な作品をお楽しみいただけます。
二重奏なのでもちろん音の数は少ないのですが、上手くアレンジされているので、原曲を思うことができるでしょう。
日ごろのエチュードのプラスアルファの教材として、仲間とのアンサンブルの楽しみの時間に、表情豊かに演奏してみてはいかがでしょうか。
(U)

手軽に楽しくヴァリエーション!(2Fl)

どこかで耳にしたことのあるような聴き馴染みのあるオペラのアリアを二重奏で奏でてみませんか。
こちらの曲集はドニゼッティやロッシーニ、ウェーバーなどオペラを数多く残した作曲家の作品から、代表作のアリアを主題と変奏曲にアレンジした計7曲が収録されており、主に、明るく華美な作品が中心です。
また、19世紀に活躍したチュルーやクンマー、フュルステナウなど著名な作曲家の教則本や曲集等からの抜粋となっているので、アンサンブルを楽しみながら、学習用として使用することができるのも魅力的です。アーティキレーションやフレーズ、強弱など細かく指示があるため、演奏しやすいかと思います。
主題はどの曲も20小節程の短い曲で、変奏曲へ移ります。変奏曲といわれると、長くて難しい・・・という印象がある方、手軽に楽しみたい時に是非どうぞ!
【中級者向け】 (KM)

エチュード プラスαのデュエット集(2Fl)

第1巻は47曲、第2巻は28曲からなり、あまり有名な曲は入っていませんが、第2巻の最後にはベートーヴェンのメヌエット、モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」、ビゼーの歌劇「カルメン」などが入っています。トリルなどの装飾音が入っている曲やダイナミクスの変化が多い曲など、様々な曲が入っていますので、教則本と併用して使用するほか、初見練習用教材としても使用可能です。“初心者のための”とついていますが、曲によっては難しいものもありますので初心者から中級者向けです。
(I)
第1巻は47曲、第2巻は28曲からなり、あまり有名な曲は入っていませんが、第2巻の最後にはベートーヴェンのメヌエット、モーツァルトの歌劇「ドン・ジョヴァンニ」、ビゼーの歌劇「カルメン」などが入っています。トリルなどの装飾音が入っている曲やダイナミクスの変化が多い曲など、様々な曲が入っていますので、教則本と併用して使用するほか、初見練習用教材としても使用可能です。“初心者のための”とついていますが、曲によっては難しいものもありますので初心者から中級者向けです。
(I)

イタリア古典派のフルート二重奏曲集(2Fl)

収録作品は、
G.B.Viotti/Serenata Concertante per due Flauti
L.Gianella/Duo Concertante per due Flauti
S.Mercadante/Duo Brillante per due Flauti
こちらの楽譜はイタリア古典派の音楽が堪能できる曲集です。
この時代のイタリアでは弦楽器の製作も盛んに行われ、北イタリアの小都市・クレモナで製作された弦楽器は、現代でも名器として知られています。
この時代に活躍したG.B.Viotti(1755−1824)はヴァイオリニストとしても活躍した作曲家です。彼の生涯はイタリアだけではなくフランス・パリでも大きな功績を残します。 彼の作品は、ヴァイオリン協奏曲の作品が知られており、この曲集はフルート二重奏で演奏できる貴重な作品です。
L.Gianella(1778−1817)はミラノ出身のフルーティストで、ミラノ・スカラ座のフルート奏者として活躍しました。1800年パリへ渡り、パリの劇場で作曲家としてオペラ作品など残しました。フルートの作品も多数残されており、彼のフルート協奏曲は多くの演奏家によって今でも演奏されています。
最後にS.Mercadante(1795−1870)はオペラの作曲家としても有名で、また器楽のためにも作品を残しています。フルート作品では「フルート協奏曲・ホ短調」が馴染みある作品ですね。この曲集の中では一番身近な作曲家かもしれません。
収録されている曲は、1曲が4〜5分とあまり長くなく、明朗快活なメロディは演奏者も楽しむことができます。また、「急-緩-急」のような展開する部分があり、テンポや曲調の移り変わりも面白いです。この曲集でイタリア古典派の作品を気軽に楽しんでみて下さい。
(TO)

タンゴ!タンゴ!(2Fl)

19世紀後半から20世紀にかけて作曲されたアルゼンチンタンゴを二重奏で楽しめる楽譜を紹介します。収録されている曲は、ピアソラの「リベルタンゴ」やギタリストでタンゴの作曲家でもあるビジョルドの「エル チョクロ」など、このジャンルで代表する曲ばかりです。今回この曲集の編曲を手掛けたディエゴ・コラッティの作品も収録されています。中級者向けにアレンジされており、アルゼンチンタンゴの特徴的なリズムを気軽に堪能できる1冊です。編曲したコラッティはオリジナルの曲を聴くことで、アルゼンチンタンゴのスタッカートやシンコペーションのリズムを感じ取ることができ、フレーズを理解するのに参考になると言っています。
気軽に楽しめる作品ですので、オリジナルの曲を聴いていただき、友人やフルートの仲間と一緒にアルゼンチンタンゴの世界をお楽しみください。
【中級者向け】 (TO)

聴かせたい!フルート二重奏(2Fl.Pf)

2本フルートとピアノでの演奏会のプログラムにピッタリの作品をご紹介します。
この編成で真っ先に思い浮かぶのは、ドップラー兄弟のアンサンブルでしょう。
しかし、今回は数多くのエチュードや演奏会用小品を残しているアンデルセンの作品です。
タイトルの通り、堂々とした勢いのある曲想から始まります。そして、2本フルートの細かいパッセージと技巧的な掛け合いが続く、とても華やかな曲です。また、掛け合いの他に1stフルートのロマンチックなソロやピアノの間奏も入り、最後まで飽きさせない楽曲構成となっています。何より息の合ったアンサンブルが必須と言えそうです!気の合うフルートのお友達と是非挑戦してみてください。
【上級者向け】演奏時間:約10分 (U)

一粒で二度おいしいC.P.E.バッハ(2Fl.Bc/Fl.Pf)

ヨハン・セバスティアン・バッハの次男、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハは、音楽を父に学んだ後、ライプツィヒとフランクフルトで法学を学びましたが、音楽で身を立てることになります。1740年、プロシアの国王フリードリヒ大王の宮廷楽に職を得た彼は、チェンバロ奏者として大王のフルートの伴奏を務める事になりました。そのため彼の室内楽作品はフルートを中心とした曲がかなりの比率を占めています。
今回ご紹介する2つの楽譜は楽器編成の異なる同一の曲です。1749年にポツダムで作曲された「ソナタ ホ長調」は“フルートとオブリガート・チェンバロ”または“2本のフルートと通奏低音”のためのソナタとして作曲されました。フルートとオブリガート・チェンバロのソナタでは、トリオ・ソナタの第1フルートがチェンバロの右手、第2フルートがフルート・パートに当てられています。エマヌエル・バッハの場合、「フルートとヴァイオリンのためのトリオ・ソナタ」と「フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ」が同一曲であるものは幾つか存在しますが、2本のフルートを使ったトリオ・ソナタはこの曲のみです。優雅で華やかなギャラント様式で書かれ、繊細な表情と大胆な和声が特徴です。
大王とそのフルートの先生だったクヴァンツがフルートを吹き、エマヌエル・バッハがチェンバロを弾いて演奏されたのでしょうか。
(SR)

ヴァイオリンの名曲をフルートで(2Fl.Pf)

J.S.バッハの『2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043』を2本フルートとピアノで演奏ができる楽譜をご紹介いたします。
『2つのヴァイオリンのための協奏曲BWV1043』といえば、2つのヴァイオリンが美しくからみ合う、ドイツ・バロックの名曲で、フルーティストにとってもお馴染みの曲です。 この曲は『2台のチェンバロのための協奏曲BWV1062』 として編曲もされていて、こちらも名曲です。
原曲のヴァイオリンの響きを再現することはもちろんできませんが、あの優雅で気品あふれる音楽の重なりを体感することができます。ヴァイオリンの弓の動きやフレージングを思いながら演奏することは、フルートの曲を吹く時とまた少し違った発見があり面白いです。 バッハの美しい音の並びと調和が凝縮されたアンサンブルを、仲間との楽しみとして、またレッスンや合宿などで取り上げてみてはいかがでしょうか。
第1楽章 Vivace d-moll/第2楽章 Largo ma non tanto F-dur/第3楽章 Allegro d-moll (全て原調と同じです)
【中・上級者向け】 演奏時間:約14分 (U)

バッハのオルガン・ソナタを2本のフルートと通奏低音で(2Fl.Bc)

第1巻:ト長調(原曲:変ホ長調・Fl.Cemb.:ト長調)BWV 525/ト短調(原曲:ハ短調・Fl.Cemb.:ホ短調)BWV 526
第2巻:ニ短調(原曲:ニ短調・Fl.Cemb.:ニ短調)BWV 527/ロ短調(原曲:ホ短調・Fl.Cemb.:イ短調)BWV 528
第3巻:ヘ長調(原曲:ハ長調・Fl.Cemb.:ヘ長調)BWV 529/ハ長調(原曲:ト長調・Fl.Cemb.:ハ長調)BWV 530

J.S.バッハの「オルガンのための6つのソナタ」はオルガンの2段の手鍵盤(2声の旋律楽器)と1段の足鍵盤(通奏低音)のために書かれた、オルガン1台で演奏する完全なトリオ・ソナタの形で作曲されています。そのため、この6曲はこれまでに2台のヴァイオリンと通奏低音やフルートとチェンバロ(右手が旋律楽器・左手が通奏低音)などに編曲出版され演奏会やレコーディングも行われていたので、2本のフルートと通奏低音への編曲が待たれていました。
今回ご紹介する楽譜は、これら6曲が夫々2曲ずつ3分冊で出版されたものです。新しいバッハのレパートリーとして是非ご活用下さい。オルガンから編曲するときの移調の仕方はいつも問題となりますので、各曲の調性の後の括弧内に原曲とベーレンライター社のフルートとチェンバロ用の楽譜の調性を記してあります。
(SR)

フルート用になったバッハの協奏曲(2Fl.Pf)

この曲の原曲は「2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV 1043」で、チェンバロ協奏曲としては第12曲目の「2台のチェンバロのための協奏曲 ハ短調 BWV 1062」に当たります。バッハの協奏曲の中でも特に人気があり、「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1060a(復元曲)」と比較し得る優れた緊張感を持っており、粒ぞろいのバッハの協奏曲の中でも名曲として最右翼に位置する曲のひとつです。楽譜は「J.S.バッハ作品集」という曲集の中に所収されており、この他に「小フーガ」と「主よ、人の望みの喜びよ」が同じ編成(2FL.PF.)に編曲されています。

忘れられた19世紀フランス・オペラ8(2Fl.Pf)

ビゼーのオペラは《カルメン》があまりにもヒットし有名なため、その他のオペラ作品は陰に追いやられてしまいましたが、それでもこの《真珠採り》は比較的知られていると言えるでしょう。とはいえ、これまでご紹介してきた他のオペラの例にもれず、一部の有名なアリアが声楽のリサイタルなどで演奏されるものの、日本で全曲上演されることは珍しいです。今回取り上げる〈耳に残るは君の歌声〉は《真珠採り》の中で最も知られているアリアです。
真珠は日本人にとって古来より馴染みのある宝石の一つで、日本で養殖が成功したこともあって、地域性を意識することはあまりありませんが、西欧において真珠は、歴史的に東方(オリエント)、すなわち中近東やインドとの交易によってもたらされる異国情緒を示す文物、現代風に言うと東洋のアイコンの一つだったのです。よって、《真珠採り》というタイトルはそれだけで当時のフランス人にとってオリエントの雰囲気を想起させるものであり、実際、舞台はセイロン島に設定されています。19世紀のオリエンタリズム(東洋趣味)を反映した作品の一つであり、《カルメン》、《真珠採り》、《ジャミレ》と、ビゼーの流行に乗り遅れまいとする野心が伺われます。
物語は一言で言うと三角関係の話なのですが、真珠採りの頭領ズルガとその旧友ナディールがかつてレイラという美女をめぐって争ったことがありました。ある日、海で働く人々の安全を祈願するために尼僧がやってきて寺院に籠るのですが、この女性が実はレイラだったことが判明し、そこからドラマが動き出します。
「耳に残るは君の歌声」は第一幕のナディールのロマンスで、このオペラの中でも有名なアリアの一つです。ズルガがレイラに尼僧としての戒律を宣誓させていた時、レイラとナディールはお互いの存在に気付いてしまいます。そしてレイラは毎夜、人々の平穏を祈って歌うこととなりました。もちろんナディールは彼女の歌声が耳に焼き付いて離れません。そこで歌われるのがこのアリアです。よってオリジナルは独唱ですが、この楽譜ではピアノ伴奏つきのフルート二重奏に編曲され、独唱部分に和声付けや装飾的な楽句が施されているので、演奏会のプログラムやアンコール・ピースとして活用していただけるようになっています。
(2022年4月記) (M.N.)

忘れられた19世紀フランス・オペラ1→楽譜ID:26347(ボルヌ/「アフリカの女」による華麗なファンタジー )
忘れられた19世紀フランス・オペラ2→楽譜ID:30704(ドップラー/オペラ・フェイヴァリッツ 第2巻 )
忘れられた19世紀フランス・オペラ3→楽譜ID:26588(タファネル/「ニヴェルのジャン」によるファンタジー)
忘れられた19世紀フランス・オペラ4→楽譜ID:24355(サン=サーンス/パヴァーヌ&夕べの夢 )
忘れられた19世紀フランス・オペラ5→楽譜ID:25608(タファネル/「フランチェスカ・ダ・リミニ」によるファンタジー(ベルノルド編))
忘れられた19世紀フランス・オペラ6→楽譜ID:24046(マスネ/バレエ組曲「ル・シッドより」)
忘れられた19世紀フランス・オペラ7→楽譜ID:20970(グノー/「ロメオとジュリエット」(グノー)によるファンタジー 第2番)
忘れられた19世紀フランス・オペラ8→楽譜ID:30070(ビゼー/耳に残るは君の歌声(歌劇「真珠採り」より))
忘れられた19世紀フランス・オペラ9→楽譜ID:27579(ボワエルデュー/曲集「バグダットの回教国の王」より )
忘れられた19世紀フランス・オペラ10→楽譜ID:23103(アレヴィ/サロン風四重奏曲 (アレヴィ) )

歌心溢れる曲をデュエットでいかがですか?(2Fl.Pf)

2本のフルートとピアノの編成で曲をお探しの方、この3つの二重奏曲はいかがでしょうか?
ベームは大変多才な人物で、ベーム式のフルートの発明者であり、ソロ・フルート奏者であり、作曲家としても多くのフルート曲を作曲した人物でありますが、それだけではなく、有名な作曲家たちの様々な曲をフルートのために編曲しています。この3つの2重奏曲はドイツ・ロマン派の2人の作曲家、F.メンデルスゾーンの2重奏曲「恋人ようちあけてくれ」作品63/1(ハイネ詩)、「秋の歌」作品63/4(クリンゲマン詩)、Fr.ラハナーの2重奏曲「私はあなたを愛しております」作品86/3(リュッケルト詩)をもとにベームがフルート2重奏用に変奏曲風に編曲したもので、歌曲ならではの美しい旋律が魅力的な3曲です。また難易度も中級程度ですので、取り組みやすく、時間も1曲が3分程度と短い曲となりますので、アンコールピースとしてもお使いいただけると思います。歌曲の旋律を楽しみながらデュエットで演奏してみませんか?
【中級者向け】 演奏時間:約6分 (NS)

2本のフルートとピアのための作品 (バッハ風!?) (2Fl.Pf)

イタリアに生まれドイツを中心に活躍したフェルッチョ・ブゾーニは技巧派ピアニスト、バッハ作品の編曲・校訂者として特に有名ですが、作曲家としても多くの作品を残しました。 時代は後期ロマン派に属しますが、彼の作品は、過去の音楽(特にJ.S.バッハ)を思わせる古典的な作風が特徴です。 彼が14歳のときに作曲したこの『二重奏曲』もその一つです。 全体を通して半音階や対位法がふんだんに使われ、3部のインヴェンションで書かれており、「まさにバッハ!」といった感じの、古典主義的な手法で書かれています。
どちらかというと地味で渋い作品ですが、一風変わったレパートリーとしておすすめします。

*注意*作品名は『二重奏曲』ですが、編成は三重奏(2FL.PF)ですのでお間違いなく!
(A)

2本のフルートの為の協奏曲(2Fl.Pf)

ナポリ楽派の大家であるチマローザの歌劇はローマ、ナポリ、ヨーロッパ各地で上演され、生涯で76曲の歌劇を残しました。この協奏曲はそんなオペラの作曲家ならではの美しいメロディーにあふれ、2本のフルートが最も効果的に使われている名曲中の名曲です。華やかな響きを是非、レパートリーに加えてください。
【中・上級者向け】 演奏時間:約18分 (Y)

ドビュッシーの上品で美しい1曲(2Fl.Pf)

ドビュッシーが1889年にピアノ連弾用に作曲した小組曲。 アンリ・ビュッセルにより管弦楽版が編曲されるなど、様々な編曲がなされ人気を博していますが、今回は2本フルートとピアノへの編曲版のご紹介です。
この組曲は4曲から成り、
第1曲は、波間に揺れる舟歌のバルカロール「小舟にて」
第2曲は、飛び跳ねる付点音符の動機が3度進行旋律で列を先導する音の「行列」
第3曲は、ルイ14世時代を思わせる優雅で気品ある宮廷舞曲の「メヌエット」
第4曲は、バロック風の舞曲に華麗なワルツのメロディーが交錯する「バレエ」
と、各曲に副題が付けられています。 ドビュッシー初期の作品の為、印象主義的手法はまだ露わに出ていませんが、どれも美しく親しみやすい曲です。 演奏会のプログラムに、また1曲を取り上げてアンコールピースなどにいかがでしょうか。
【中級者向け】 演奏時間:約13分 (NI)

オペラの中の二重唱(2Fl.Pf/Fl.Vo.Pf)

フランスの作曲家ドリーブ(1836-1891)は主に歌劇やバレエ音楽の作曲を行い、主要な作品はバレエ音楽「コッペリア」、「シルヴィア」などが挙げられます。歌劇「ラクメ」は上演される事が少ないようですが、「ラクメ」の劇中に歌われる「花の二重奏曲」はCMソングやサウンドトラックに起用されるなど人気が高く、多くの方が耳にしたことのあるメロディではないでしょうか。
歌劇「ラクメ」の舞台は19世紀、イギリス植民地時代のインド。高僧ニラカンタはイギリス統治に憤りを感じ、ヒンドゥー教徒達とイギリスから独立できるように祈りを捧げます。そんな中、聖域であるバラモン寺院の敷地にイギリス人将校・ジェラルドが誤って侵入し、高僧ニラカンタの娘・ラクメと出会い、二人は恋に落ちていきます。二人の恋の行方が気になりますが・・・。
この「花の二重奏」は、第1幕に高僧ニラカンタが町の祭祀に出掛け、残されたラクメと侍女マリカがジャスミンとバラの花が咲く小川で、綺麗な花と小鳥に囲まれて歌う二重唱です。二人のハーモニーから始まり、それぞれのソロを歌い、再び二重唱へと戻ります。ちょっぴり異国風なメロディと美しいハーモニーが魅力的で、演奏する人も聴く人も心地よい気分になります。
ご紹介するバクストレッサー編では、2本フルート・ピアノだけではなく、歌(1st)・フルート(2nd)・ピアノで演奏できるように歌詞付きで出版されています。
演奏時間は約4分弱。サロンコンサートやアンコールでの演奏もいいですね。歌手になった気分で美しい二重唱、いや二重奏を皆さんも楽しんでください。
(TO)

ドップラーの2重奏あつめました♪(2Fl.Pf)

ドップラー『Andante and Rondo Op.25』と言えば、言わずと知れた2本フルートとピアノの名曲です。そして、ジェームス・ゴールウェイ氏と、夫人のジニー・ゴールウェイさんの息の合った演奏が思い出されるのではないでしょうか。フルーティストにとってはお馴染みの曲で、2本フルートとピアノの編成だけではなく、フルート・オーケストラで演奏できる楽譜も出版されています。
この『Andante and Rondo Op.25』ですが、近年の研究により、『Sonata Op.25』 という曲の中の最後の2曲ではないか。という発見がありました。
今回ご紹介する曲はその『Sonata Op.25』 です。
Moderato、Menuetto、Andante、Rondoの4つの楽章から成る大曲です。
T.Moderato 4/4拍子、C-dur
ドップラー得意のフルートのテクニックを駆使した華やかなパッセージと掛け合いが光る聞き映えのする楽章です。どことなく、『Andante』 と『Rondo』を思わせるフレーズが出てきて面白いです。
U.Allegro con spirito(Menuetto) 3/4拍子、a-moll
軽快な舞曲のリズムが曲全体に流れます。優雅に、そして息の合った演奏が望まれます。
V.Andante 4/4拍子、A-dur
牧歌的な雰囲気漂うメロディーで始まる、フルートの魅力が詰まった名曲です。
W.Allegretto con moto(Rondo) 2/4拍子、a-moll
フィナーレに相応しい、細かいリズムと音形による、テクニックとアンサンブルの豊かな重なりが駆け抜けます。
この編成の新しいレパートリーとして、演奏会や発表会で是非取り上げて頂きたい作品です。Moderatoは、この楽章だけでもお使いいただけそうです。Menuettoはアンコールでもちょうどよい長さです。
アドリヤンとパユのCDが出ておりますので、合わせてお楽しみください!
【中・上級者向け】演奏時間:約7分30秒/約3分15秒/約4分30秒/約4分20秒 (U)
祝祭音楽劇“祖国より”は、オーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフとシシィの名で親しまれたエリザベート皇后の結婚25周年を記念して1879年に作曲されました。作曲者自身によりピアノ用に編曲され、ほかの楽器用にも編曲されたようですが、残念ながらフルート用のものは見つかっておりません。この楽譜は、ピアノ編曲版をピアニストのヤン・フィリップ・シュルツェが校訂し、それを基にアンドラーシュ・アドリヤンが2本のフルートとピアノ用に再構成したものです。
オーストリアのシュタイアーマルクやチロル地方、クロアチア、スロヴァキア、ボヘミア、ウクライナ、ポーランド、ハンガリーといった帝国内の民謡、舞踏曲などがちりばめられ、優雅でありながらどこかのどかさを感じる作品です。
実際に上演時、皇帝夫妻がどのように聴いていたのか、興味をそそられます。
【中・上級者向け】 演奏時間:約15分 (B)
タイトルから、もしかして!?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、あのフルートとピアノの作品「ハンガリー田園幻想曲 Op.26」をモチーフに、ドップラー兄弟が2本フルートとピアノ版に作曲した作品です。
この作品は1856年に行われたコンサートのために作曲されました。
前半Andante 6/8、前奏のピアノ伴奏はFl+Pfとは異なりますが、フルートはおなじみのメロディーで始まります。ついソロのようにのびのびと演奏してしまいそうになりますが、グッとこらえて二重奏を楽しんでください。
中間部以降はドップラー兄弟によって新たに作曲されました。
ハンガリー舞曲は2拍子で田園風景を眺めるようなゆっくりしたテンポと、踊りだしたくなるような速いテンポが組み合わさっています。
新たに書かれた部分では、Piu Lentoと書かれていて、ゆったりとしたテンポで二重奏が始まりますが、曲の終わりに向かって白熱した踊りのようにテンポアップしていきます。
吹き終わった後には演奏者の絆も深まるはずです!ぜひチャレンジして下さい!
【上級者向け】 演奏時間:約9分30秒 (TO)

二人で踊ろう、チャルダッシュ! (2Fl.Pf)

皆さまご存知のドップラー兄弟は、有名な『ハンガリー田園幻想曲 Op.26』の他にも ハンガリーと名の付く曲をいくつか残しています。 この曲もその中の一つで、いわゆるハンガリー音楽、チャルダッシュの形式で書かれています。
チャルダッシュと聞くと一番初めに思い浮かべるのは、ヴァイオリン(元はマンドリン)の名曲、モンティ作曲の『チャルダッシュ』ではないでしょうか。曲の最初はゆっくりと哀愁的に歌う部分と、激しい踊りが表現されている速い部分で構成されています。他にはフレーズが繰り返されるなどの特徴があります。
今回ご紹介するドップラー兄弟の曲も同じ形式で書かれている作品なのです。
出だしは、ピアノの前奏「Moderato maestoso」よりも遅い、フルートの「Meno mosso」から始まります。モンティの『チャルダッシュ』の出だしと同じく、ここでゆったりと歌うのも良いでしょう。「Lento」からなる部分では三度のハモリや掛け合いがあり、それに続く「Moderato」では二人で息を合わせダンスさながらの演奏を求められます。「Allegro」の二拍子の速い部分は、ヴィルトゥオーゾと名高いドップラー兄弟のように技術の見せ所です。元々は男女の踊りのチャルダッシュをフルートにて表現した、ドップラー兄弟。是非皆さんもフルートで異国の踊りを体験してみて下さい。
音源は、シュルツ親子による「ヴェネツィアの謝肉祭」(CD ID:4248)に収録されています。親子の息があった素晴らしい演奏ですのでこちらも必聴です。
【中・上級者向け】 演奏時間:9分20秒 (MR)

「ドリー」をフルートで(2Fl.Pf)

「ドリー」は銀行家バルダック家の娘エレーヌの愛称です。エレーヌは1892年に生まれました。フォーレは彼女のために、その2、3、4回目の誕生日にピアノ連弾の小品を作曲し捧げています。それらの曲は最終的に「子守歌」ホ長調(1893/4)、「ミ・ア・ウ」ヘ長調(1894)、「ドリーの庭」ホ長調(1895)、「キティのワルツ」変ホ長調(1896)、「優しさ」変ニ長調(1896)、「スペインの踊り」ヘ長調(1897)の6曲にまとめられ、今ではフォーレの最も愛されるピアノ作品となっています。こうしてまとめられた組曲「ドリー」は、1898年にE.リスレルとA.コルトーによって公開の場での初演が行なわれました。翌年にはA.コルトーの編曲によるピアノ独奏版が作られ、1913年にはH.ラボーによって管弦楽に編曲されてバレエが上演されていることから、この曲は作曲当時から人気があったようです。ちなみに、エレーヌの母親エンマ・バルダックは、1904年にドビュッシーとジャージー島に駆け落ちし、後にドビュッシーと結婚しますが、この2人の間に出来た娘エマ(愛称シュウシュウ)にはドビュッシーが「子供の領分」を作曲しているので、エンマの娘2人は夫々、フランス近代の大作曲家から、後々大変よく知られ愛されるようになった作品を捧げられていることになります。なお、第2曲の「ミ・ア・ウ」、第4曲の「キティのワルツ」は、以前夫々が猫の名前とされてきましたが、現在では、「ミ・ア・ウ」はドリーの兄ラウルが呼んでいたドリーの愛称、「キティ」は「ケティ(Ketty)」のミスプリントで、そのラウルが飼っていた犬の名前とされています。ご紹介する楽譜は全楽章、原曲の調性のままです。可愛らしく、美しいこの組曲は、編曲でも十分に楽しめると思います。
(SR)

2本でフォーレのファンタジー!(2Fl.Pf.)

フランスの作曲家、フォーレのファンタジーはフルート界で大変有名な作品のひとつであり、多くの方がご存知の曲かと思います。そんな名曲を、2本のフルートとピアノで演奏することができます!編曲者はマルセル・モイーズの息子であるルイ・モイーズです。オリジナルでも華美な曲ですが、2本のフルートによるアンサンブルは一層ボリュームが増し、華やかです。
冒頭のAndantinoは1stがオリジナルの旋律を奏で、2ndがオブリガートのように1stに寄り添います。Allegroは1stと2ndがエコーのように対話をしながら、重なり合います。1stのフルート・パートに2ndが加わることにより低音が充実するので、メロディは吹き応えも聴き応えもあります。細かな16分音符など多く出てくるので、1st, 2ndで拍を合わせることが少々難しいかもしれませんが、オリジナルの雰囲気とはまた一味違う、お洒落な和声に編曲されています。(ピアノ伴奏は、編曲されておらず、オリジナルが用いられています。)5~6分程の短い作品ですので、気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(KM)

華やかな二重奏(2Fl.Pf)

アントン・ベルンハルト・フュルステナウは、19世紀前半、ドイツで活躍した作曲家、フルート奏者です。父親であるカスパール・フュルステナウにフルートの手ほどきを受けます。「24の練習曲」(音の花束)は、コンクールや試験の課題曲になることもあり、フルーティスト泣かせの作品としても知られていますね。数多くのフルート作品を作曲し、練習曲以外にも、弦楽器との室内楽曲や、フルート三重奏、四重奏作品も残しています。
この「華麗なるロンド」は、2本のフルートとピアノのための作品です。フルート二人ともが、ほぼ休みなく動き回る活躍ぶりです。特に序奏部分のレチタティーヴォは、二人の息の合ったところを見せつけるチャンスです。ロンドの部分は、ピアノが刻むリズムに合わせて、二人の軽やかなスタッカートから始まります。中間部では、フルートならではの跳躍があり、華やかさが増します。
「音の花束」でもわかるように、フルートの技量が必要であることは言わずもがなですが、それをいかに「華麗」に魅せられるかが、この作品の価値を決めるのかもしれません。
演奏時間は長くありませんので、演奏会の休憩明けの一曲などにふさわしいかもしれません。
【中・上級者向け】 演奏時間: 約6分 (B)

神秘的で現代的なトリオ(2Fl.Pf)[Fl(Pic).Fl(A-fl).Pf]

作曲者のデイヴィッド・ヒースは1956年生まれのイギリス人で、器楽曲からオーケストラ作品まで多彩な曲を書いており、ジェームス・ゴールウェイやナイジェル・ケネディなどが取り上げて演奏している人気作曲家の一人です。
この曲は、作者によると、中世ヨーロッパで異端として十字軍により虐殺された「カタリ派」がテーマで、音と表現の誠実さの美しさを通して永遠の真理に世界を戻し、洗礼を施すために、モンセギュール虐殺の灰の中から上昇する二人の偉大なカタリ派の笛吹きの物語です。
…というと難しそうですが、フェニックスのように現れる二人の魂の美しさを表現する、流れるようなメロディが印象的です。部分的に、カタリ派のメロディや中世の音楽がモチーフに使われているようで、耳馴染みの良い曲となっています。
二人のプレーヤーのうち、一人はピッコロ、一人はアルト・フルートとの持ち替えになります。3楽章からなり、第1楽章“The Last Song”は最後の祈りを思わせる静謐な曲、第2楽章”The Human Flame”は一転して燃え盛る炎をイメージさせるピッコロの激しいメロディが印象的です。第3楽章“Song of the Light – Return to Avalon”は不死鳥のように灰の中から立ち昇った笛吹きたちの魂が昇華していく様子が絡み合う2本のメロディであらわされた後、静かに終わります。
ぜひ演奏会などで取り上げてみてください。
【上級者向け】 (T)

一味違ったアレンジをお楽しみください(2Fl.Pf)

この「風のとおり道」はジブリ映画『となりのトトロ』の劇中曲として有名で、多くの出版社から楽譜が出版されています。
今回ご紹介させていただくココロネライブラリー出版のものは特にアレンジが凝っていて、今までの楽譜では満足できなかった方にお勧めです。
ココロネライブラリーは〈kokoro-Ne〉という首都圏を中心に演奏活動をする3人のグループが立ち上げた出版社で、クラシックはもちろん、映画音楽や童謡といった様々なジャンルの曲を多数出版し、そのレパートリーの広さと色彩豊かなアレンジで高い評価を得ています。
今回の「風のとおり道」は、冒頭はシンプルにピアノが主体となりフルート2本はそよ風をイメージさせるようなリズムを奏で続けます。中間部では2ndフルートの長いアドリブが挿入され、旋律との掛け合いがとても豪華です。
一味違ったアレンジを楽しみたい方、アンサンブルの魅力を再発見したい方にお勧めです。 YouTubeの公式チャンネルでは音源も公開されていますので宜しければ聴いてみてください。
【中級者向け】 演奏時間:約3分30秒(HS)

記念すべき年に、華やかなヴィルトゥオーゾ作品はいかがでしょう?(2Fl.Pf)

この作品は、フルート奏者でもあったユーグが、ヴェルディの有名なオペラ「アイーダ」(初演:1871年)をもとに作曲した、フルート2本とピアノによる華やかな三重奏曲です。ユーグはイタリアのピエモンテ州出身の優秀な地理学者で、フルート奏者、作曲家としても活動しました。フルート奏者としては、ピアニストの兄とイタリア政府高官のニグラ伯爵とともに、2本のフルートとピアノの三重奏で活躍。練習曲や二・三重奏曲の作曲も行いました。この『「アイーダ」によるファンタジー 作品70』(1878年)はどのパートも華やかに作られていますが、特にフルート・パートの技巧的なヴァリエーションが充実しています。おそらく自作自演でも披露された曲なのでしょう。同じくユーグ作曲の『「アイーダ」によるファンタジー 作品71』(ID:25344 )という曲もありますので、二つの作品を比較してみるのも面白いかもしれません。
また、この曲のベースになっている「アイーダ」の作曲者であり、「椿姫」や「トロヴァトーレ」など数々の名作オペラを残したヴェルディは、2013年が生誕200周年にあたります。記念すべきこの機会に、アンサンブルのレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
【上級者向け】 (YS)

フルート2重奏で楽しいワルツはいかがですか?(2Fl.Pf)

エルネスト・ケーラーといえばフルートを演奏される方でしたら、まずエチュード(作品33)をイメージされる方が多いのではないでしょうか?100以上のフルート曲を作曲しているケーラーですが、今回ご紹介するのは、フルート2重奏とピアノのための曲です。この曲はなんといっても、難易度があまり高くないというところがおすすめです。そして美しく華やかで、かわいらしい曲なので、発表会にもぴったり!!2重奏を探しているけれど、なかなか簡単なものが見つからない、簡単なものだと短くて、もう少し長めの曲(5分程度)を探しているという方、ぜひこちらをレパートリーにしてみて下さい。素敵なワルツをお楽しみいただける事でしょう。
【初・中級者向け】 演奏時間:約5分 (NS)

ドイツ生まれのデンマークの作曲家(2Fl.Pf)

フリードリヒ・クーラウは、ナポレオン戦争の徴兵を逃れてデンマークのコペンハーゲンに移住してきたドイツ生まれの作曲家ですが、デンマークの偉大な作曲家の一人として知られるようになりました。一般的には「ピアノのソナチネの作曲家」として世に知られているようですが、ご存知のとおり、たくさんのフルートのための曲を書いています。この2本のフルートとピアノのための三重奏曲は、クーラウ最晩年の作品です。飽きのこない明るく美しいメロディは、クーラウらしさ満点で、親しみやすいと思います。こちらの楽譜は2本のフルートとピアノ、または、フルート・チェロ・ピアノでも演奏することが出来ますので、それぞれ違った音色のアンサンブルをお楽しみください。
【中・上級者向け】 演奏時間:約22分 (B)

ロマン派の小品をご堪能ください(2Fl.Pf)

ドイツ・ロマン派を代表する作曲家の一人であるメンデルスゾーンは、38歳という短い生涯の中で、多くの名曲を世に残しました。フルートのための作品は無いものの、多くの方に親しまれている「歌の翼に」の作曲者も、メンデルスゾーンですよね。
ピアノ曲、宗教曲、劇音楽、あらゆるジャンルを作曲しましたが、その中でも「無言歌集」は彼が創始者とされていて、抒情的で優しい旋律が続く楽曲は、ロマン派の音楽において代表的な小品の一つといわれています。
オリジナルはピアノ独奏ですが、Elizabeth Walkerによってフルート2本とピアノ用にアレンジされた楽譜が出版されました。ピアノ伴奏が比較的易しいため、レッスンで先生と生徒が気軽に演奏できる編曲となっており、全48曲の中から4曲抜粋されています。
「ないしょの話 op.19 No.4」「ヴェネツィアの舟歌 op.19 No.6第1*」「羊飼いの嘆き op.67 No.5」「デュエット op.38 No.6*」(*作曲者自身が標題をつけたもの)
1曲が2〜3分程度と短いため、取り組みやすいです。『言葉のない歌曲』歌詞はありませんが、フルートで歌うように、心の赴くままに演奏してみてください。
【初・中級者向け】(A.K.)

トルコ行進曲(2Fl.Pf)

今回おすすめしますのは、皆さんよくご存知のモーツァルトのトルコ行進曲です。しかもゴールウェイのアレンジで編成は2本フルートとピアノ。ゴールウェイの演奏会ではよくアンコールで演奏されるそうです。 とても華やかにアレンジしてありますので一度聴いたらしばらく耳に残る感じです♪ちょっとした演奏会、アンコール曲などにおすすめします!
【中級者向け】 演奏時間:約3分30秒 (N)

おしゃれな「マ・メール・ロワ」

ラヴェル(1875-1937)が1908年から1910年にかけて友人の幼い子供たちのために作曲した「マ・メール・ロワ」は、イギリスの童謡「マザー・グース」を題材にした4手連弾用の曲です。当時から人気があり、作曲者自身の編曲による管弦楽版をはじめ様々なアレンジがありますが、意外にも2本のフルートとピアノのための楽譜はこれまでなかったようです。
この楽譜は作曲家でピアニストの野平一郎氏が、ミッシェル・デボスト夫妻のために編曲し、1987年にパリで初演されました。長らく出版されませんでしたが、校訂者のアドリアンがこの編曲を気に入って出版にこぎつけたようです。
第1曲 眠れる森の美女のパヴァーヌ
第2曲 親指小僧
第3曲 パゴダの女王レドロネット
第4曲 美女と野獣の対話
第5曲 妖精の園
以上、5曲からなり、子供のための作品らしい愛らしさと、マザー・グースの世界を表現する楽しさの中にほんのりと不気味さも混じった名曲です。
このアレンジでは、曲によって第1フルートがピッコロと、第2フルートはピッコロ、アルト、バスと持ち替える必要があります。それによって2本のフルートでも単調にならず奥行きが感じられる音楽になっています。
洒落たアレンジのラヴェルをぜひお楽しみください。
【中・上級者向け】 演奏時間:約20分 (T)

この曲 吹いてみませんか?(2Fl.Pf)

UNIVERSAL社から、2本フルートとピアノ用に編曲した楽譜がシリーズで出版されていますが、ご存知でしょうか?きっとどこかで聴いた事があるような有名な曲を、簡単なアレンジで編曲してありますので、初・中級者の方に特にオススメします。大好きなあの曲も編曲されているかもしれません。。。シリーズの中から、今回は2曲ご紹介いたします。

こちらは『動物の謝肉祭』より、「堂々たるライオンの行進」「雌鶏と雄鶏」「亀」「象」「白鳥」の5曲を抜粋してあります。
こちらは、歌劇『魔笛』より、「おいらは鳥刺し」「何と美しい絵姿」「銀鈴と魔笛」「何と素敵な鈴の音」「復讐の心は地獄のようにわが胸に燃え」「娘か女房か」「剛健の勝利」の7曲を抜粋してあります。各曲とも原曲より短く・簡単になっていますが、それぞれの曲のイメージを損なうことなく編曲されています。また、各パートに旋律が振り分けてありますので、どのパートを吹いても楽しめます。発表会やアンサンブルの楽しみのためにお使い頂けると思います。
(I)

楽しく、元気に!(2Fl.Pf)

作曲家であり、フルーティストでもあり、またピアニストでもあるゲイリー・ショッカーの作品をご紹介いたします。
ショッカーの作品の多さには目を張るものがあります。編成もフルート・ソロからフルート・ピアノ、フルート・アンサンブルと幅広く、2本のフルートのための作品も数多くあります。中でも、この「3つのダンス」は特に人気の高い作品と言えるでしょう。
曲にはそれぞれ「easy going」「moody」「coffee nerves」のタイトルがつけられています。ピアノの伴奏のラテンのリズムに乗って、楽しく快活に演奏しましょう!
さぁ、みんなで一緒に踊りましょう♪
【中・上級者向け】 演奏時間:約9分 (B)

キレイな曲です★☆(2Fl.Pf.)

サリヴァン作曲の“TWILIGHT”をご紹介します。
サリヴァン(1842-1900)は軍楽隊の隊長であった父親の影響で、幼少の頃より楽器に親しみ、合唱隊の学校に通うようになってからは讃美歌や歌を作曲するようになりました。後にイギリスのオペラコミックの人気作曲家となり、オッフェンバックを凌ぐとも言われています。ウィリアム.S.ギルバートと組んで多くのオペラを創りました。
“TWILIGHT”はピアノソロの作品として1868年に作曲された曲ですが、フルート2重奏+ピアノ版にはW.ベネットとT.ワイによって編曲されました。流れるようなメロディーでフルートらしさを表現できる曲です。
【初〜中級者向け】 演奏時間:約3分 (OU)

「庭の千草」等を織り込んだ2FL&PFの佳作(2Fl.Pf)

フランスのフルーティスト・作曲家のトゥルーは、三度にわたってイギリスを訪れ、その時の印象をもとに2曲の「イギリスの思い出」幻想曲を作曲しました。1曲がこのフルート2本とピアノのためのもので、もう1曲はフルート三重奏(作品51)です。三重奏の楽譜は以前から出版されていましたが、この度二重奏版が復刻されましたのでご紹介します。
2曲とも同じ旋律を用いたアレンジが違うだけのほぼ同じ曲で、 3楽章からなり、第2楽章にはアイルランド民謡「庭の千草(The Last Rose of Summer)」、第3楽章には同じく「この世をさまよい(We May Roam Through This World)」がモチーフとして使われています。
2本の旋律が絡み合うというより、どちらかがソロをとってもう一方は伴奏または休みに回る部分が多く、技巧的な変奏やカデンツァで二人のフルート奏者が腕を競い合う、華やかな伴奏付二重奏と言えるでしょう。中級以上の方の発表会や、デュオ・コンサートなどに使えるのではないでしょうか。
(T)

聴かせたい!フルート二重奏(2Fl.Pf)

ジョヴァンニ・バティスタ・ヴィオッティ(1755-1824)は、イタリアのヴァイオリン奏者、作曲家でヨーロッパ各国で演奏旅行を行い、その後パリやロンドンで活躍しました。彼のヴァイオリン協奏曲はブラームスが影響を受けており、ヴァイオリン協奏曲を書くきっかけになったともいわれています。
今回ご紹介するのは、「ヴァイオリン協奏曲 第3番」の2本フルートとピアノ版です。 この編成は、J.P.ランパルが校訂したもので、彼がレコードに収録したことでフルーティストにも知られるようになりました。全三楽章構成で、特に第二楽章Adagioは、イタリア風の旋律が美しく聴く人の心を惹きつけます。第二楽章だけをアンコールで演奏するのもおすすめです。
そして、軽快なリズムで始まる第三楽章は、主旋律がオーケストラと戯れるように進んでいき、活き活きとした楽章になっています。ランパルによるカデンツは二重奏用です。コンサートや発表会で演奏してみてはいかがでしょうか。
ランパルの演奏はこちらです。
(CD-ID:7125)ジャン=ピエール・ランパル/エラート録音全集 VOL.3 (1970-1982)(23枚組)
【中・上級者向け】演奏時間:約17分 (TO)

2本フルートとピアノの曲、探していませんか?(2Fl.Pf)

矢代秋雄…若い頃より英才として将来を期待され、東京音楽学校作曲科、東京藝術大学研究科を卒業した後、パリ国立高等音楽院に留学。和声法で一等賞を得る等、優秀な成績を修めて卒業。晩年は、作曲家として活動する一方、東京藝術大学音楽学部作曲科の主任教授として、後進の指導にあたっていました。この曲は1958年にNHKの委嘱により作曲され、同年、故・高橋安治、吉田雅夫、田辺みどりの各氏により初演されました。
第1楽章 Allegretto  第2楽章 Lento第  3楽章 Molto vivace  
1、3楽章は変拍子が多く合わせるのが少し難しいですが、完成した時の感動は大きいでしょう。2楽章は各パートのソロが中心でまるで対話をしているようです。是非チャレンジしてみてください!
【上級者向け】 演奏時間:約14分 (N)

みんなでクリスマス♪(2Fl.Pf./etc.)

クリスマスパーティーにピッタリの曲集をご紹介いたします。
有名なクリスマスキャロルが15曲。それぞれ特別なアレンジか加えられているわけではありませんが、讃美歌の美しい響きにクリスマス気分が盛り上がります。
こちらの曲集の良い所は、様々な編成でお楽しみいただける所です。
2Fl.Pf、Fl.Vn.Pf、Fl.Cl.Pf、その他、リコーダー、オーボエ、トランペット、歌やギター、パーカッションの楽譜もついており、一緒に演奏することが可能です。(実はフルートなしでもできます…。)
シンプルなメロディーなので、初心者の方でも楽しくアンサンブルに加わる事ができるでしょう。音楽教室や音楽好きのご家族のクリスマスパーティーなど、それぞれ得意な楽器を持ち寄ってお楽しみ下さい!
【初級者向け】 (U)

ピッコロの魅力がギュッと詰まってます!(2Pic.Pf)

珍しいピッコロデュエットの曲集はいかがでしょうか?
トレバー・ワイ版のピッコロとピアノのための曲集1巻楽譜 (ID:15609)、2巻楽譜(ID:15959)は以前に紹介しましたが、 今回は3巻にあたる2本のピッコロとピアノの曲集をご紹介します。400曲以上もピッコロの作品を残したダマレや兄ピエールとともにフルート、ピッコロのソリスト、オーケストラ奏者としてイギリスで活躍したJ .ジュナン(P.A.ジュナンとは別人です)など19世紀後半〜20世紀初頭の作品が全4曲収録されています。
1.J.W.コール/生きる喜び
2.J.ジュナン/羽ばたく鳥たち作品31
3.E.ダマレ/オペラのナイチンゲール 
4.H.クリング/二羽の小鳥
明るく軽やかにリズムに合わせて踊りだしたくなるようなポルカや、小鳥たちが戯れ、一緒に歌い奏でる曲など…ピッコロの魅力がギュッと詰まった曲ばかりです。技巧的で煌びやかな楽しいデュエット曲集、ぜひレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか?
【中・上級者向け】 (NS)

フルートで吹く「歌」(2Fl.Pf)

19世紀の終わりから20世紀初頭にかけてフランスで活躍した4人の作曲家たちの美しい「歌」を2本フルートとピアノの編成でお楽しみいただける曲集です。
室内楽曲や歌曲を数多く作曲したガブリエル・フォーレ(1845-1924)から「夢のあとに」、「月の光」、「われらの愛」の3曲。同じく多くの歌曲を残したレイナルド・アーン(1875-1947)の「クロリスに」。ドビュッシーとも友人関係にあり歌曲や室内楽の他、オペラや交響曲など幅広く作曲をおこなったエルネスト・ショーソン(1855-1899)の「夜」。
最後に「ファンタジー」が有名なジョルジュ・ユー(1858-1948)の「異教徒の夕べ」の6曲が入っています。
この中で特に有名なのはフォーレの「夢のあとに」ではないでしょうか。ピアノ・ソロやヴァイオリン、チェロにも編曲されて親しまれています。フルートとピアノの楽譜も多く出版されていますが、2本のフルートとピアノはこの曲集がはじめてです。原曲は全て歌曲で、変奏や大きなアレンジが加えられているものではありませんので、初級から中級くらいの方も演奏できそうです。どれも繊細で奥深い楽曲です。すこし大人の方の発表会のレパートリーにもぴったりだと思います。
【初・中級者向け】(U)

結婚式にもおすすめ(3Fl)

この曲は200曲以上あるバッハのカンタータの中でも特に有名なものの一つです。もともとカンタータ140番「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」の第4曲として作曲され、後にオルガン独奏用の「6つのコラール(シュープラー・コラール)」の第1曲にも編曲されています。
カンタータの基礎となっているコラールには、フィリップ・ニコライという作曲家が作曲した古いコラールが用いられています。
タイトルの「目覚めよと呼ぶ声あり」は、聖書の中にある、花婿を迎える準備をしている乙女達の物語の中で、愚かな乙女達に「目を覚ませ」と呼びかける言葉からつけられています。 穏やかな美しい曲で、流れるようなオブリガートの上に、喜びのコラールが歌いあげられます。 婚姻の喜びを歌う内容から、結婚式での演奏にもおすすめです。
【中級者向け】 演奏時間:約4分 (NI)

フルート3本でもベートーヴェンできます!(3Fl)

古典派のフルート作品は元々数が少なく、さらに作曲家はあのベートーヴェン!ということで、とても気になる曲ではないでしょうか。2020年はベートーヴェン生誕250年のメモリアル・イヤーでもありますので、是非挑戦して頂きたいと思います!
原曲は「2本のオーボエとイングリッシュホルン」の為に書かれた作品で、以降、「2本のヴァイオリンとビオラ」にも編曲され、さらに「3本のフルート」となりました。現在では様々な出版社から楽器を変えて出版されており、クラリネットやファゴットといった木管楽器のみならず、トランペット、ホルン、トロンボーンの金管楽器によるアンサンブルでも演奏できるそうです。
曲は古典派らしく美しく整った作品で、それぞれのパートはあまり難しくはありませんが、基本的な和音、リズム、音楽形式がアンサンブルとして響いたときに優雅な輝きを見せます。4楽章から成る大曲で、全て演奏すると20〜25分くらいになります。演奏会のメインの曲としてもお使いいただけそうです。原曲の「2本のオーボエとイングリッシュホルン」はC-durですが、ご紹介するKossack版はD-durで書かれています。そして、パート譜とスコア付きでおススメです!
1楽章 Allegro
2楽章 Adagio cantabile
3楽章 Menuetto : Allegro-Scherzo
4楽章 Finale : Presto
【中級者向け】演奏時間:約24分(U)

3本フルートのアンサンブル(3Fl)

ベルトミューは、作曲の他に詩人や劇作家としても活躍したフランスの作曲家です。 フルートアンサンブルの曲も「アルカディ」や「猫」の代表作があります。その中で今回紹介しますのが、フルート3本の4つの小品です。1楽章「メヌエット」2楽章「ジーク」3楽章「リモーネ」4楽章「ハンガリア」となっており1曲1曲が短く、綺麗で可愛らしい曲です。是非、演奏してみてください。
【中級者向け】 演奏時間:約5分 (N)

教材に最適な三重奏です(3Fl)

作曲者のJohn Clinton(1809〜1864)は、アイルランドで生まれ、ロンドンのロイヤル・アカデミーでCharles Nicholsonのもとでフルートを学びました。フルート奏者、作曲家としての他に、フルート製作者としても活動したようです。
作品のほとんどが現在は手に入らなくなっていますが、このたびフルート三重奏が出版されましたのでご紹介します。
T.Andante- Allegro brillante、U.Menuetto Allegro –Trio、V.Romanza Andante semplice 、W.Finale Allegro moderato の4楽章からなり、全体に平明で明るい響きの聞きやすく美しいメロディが特徴です。難易度もそれほど高くありませんので、アンサンブルをこれから始めたい人の教材にもいいでしょうし、発表会でも使えそうです。ロマン派のフルート曲は少ないので、レパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
【中級者向け】 (T)

楽しくフルートアンサンブル3重奏(3Fl)

この曲は数十年前から出版されておりますが、作曲家について調べることは出来ませんでした。この出版社から出ている楽譜はアメリカで学生の為の吹奏楽、副教材として出版されている楽譜が多く見られます。多分、この曲も初級者用に作曲されたと思われます。アメリカ民謡でよく知られている「アルプス一万尺」や「Mary's a Grand Old Name」などが、楽しくメドレーになっています。行進曲風に明るく、元気にアンサンブルを楽しんで下さい。
【初級者向け】 演奏時間:約1分 (K)

春のおすすめ(3Fl)

ゲルハルト・ドイチュマンは1933年生まれの、ドイツの教育者・作曲者です。この作品は、ドイチュマンが教師を務める学校の、フルートが上手な3人の女生徒を「三美神」とイメージして作られました。
「三美神」とはローマ神話に登場する女神で、それぞれ愛、慎み、美を司っており、ボッティチェリの「春(ラ・プリマベーラ)」などに描かれています。
第1曲Aglaia(アグライア:輝き)は、はっきりとしたリズムとファンファーレのようなメロディが特徴的です。第2曲Thaleia(タレイア:花の盛り)は、第2、第3パートの柔らかい上行形半音階の上で、第1パートが表情豊かに歌います。第3曲Euphrosyne(エウフロシュネー:喜び)は、3つの異なるリズム・パターンを用いた陽気なファンファーレのような楽章です。
【初・中級者向け】 演奏時間:約5分20秒 (I)

多くの作品の中から一曲(3Fl)

フランソワ・ドヴィエンヌはフランスのフルート奏者、ファゴット奏者、作曲家で初代パリ音楽院のフルート科教授でした。約300曲のなかでほとんどが管楽器のために作曲されました。優雅な旋律様式から「フランスのモーツァルト」とも言われております。 今回もこの曲をレコーディングした時の注意点について、東京フルート・クヮルテットのメンバーで武蔵野音楽大学、聖徳大学講師の高久 進さんに書いていただきました。どうぞ、お役立にたててください。
【中の上級者向け】 演奏時間:約12分 (Y)(K)

ドヴィエンヌの作品は、基本的には単一の旋律線と伴奏からなっています。旋律は古典様式で優雅で気品があり、また同時に演奏者の技巧を誇示するための部分が挿入されている点も見逃せない魅力となっています。対位法的な技法や主題の展開がほとんど見られないため非常にわかりやすいシンプルな作品構造となっていて、ドヴィエンヌが万人に愛される所以です。
この第5番ト短調はOp.19の中で唯一短調の作品で、1・3楽章のフランス革命前夜を思わせる激しい主題と華々しく技巧的なメロディー、また2楽章の声楽的な息の長いフレーズはフルート三重奏の魅力を遺憾なく発揮させてくれるものとなっています。
インターナショナル版にスコアがついていないのでコサック版を購入してみたところミスが多く残念でしたが、スコアーとして充分役立ってくれました。ただこの二つの譜面には音やアーティキュレーションなどの違いがあり、録音に際してはひとつずつ検討して最適と思われる選択をしました。一番困ったのは1楽章126小節目の2番フルートのAに付いたトリルの音です。HにするかBにするか本当に悩みましたが結局Bで演奏することとしました。演奏者としてのドヴィエンヌが前面に出てしまい譜面を書き残すということに対して深く考えていなかったのかもしれません。いずれにしても演奏後のさわやかさは格別のものがあります。フルート三重奏の名曲が少ない中で重要なレパートリーであると思います。皆さんもぜひチャレンジしてみてください。

エルキド組曲

フルート3本のアンサンブルをお探しでアルト・フルートの持ち替えも可能でしたら、デンマークの作曲家ラルス・フロエー(1968‐)の「エルキド組曲」はいかがでしょうか。4つの異なる国の特徴的な民族音楽がテーマになった組曲です。 エキゾチックなリズムや、どこか懐かしく哀愁漂うメロディーが溢れ、演奏しても聴いても楽しめる楽曲になっています。それぞれ短めの小品で構成されており、演奏会やアンサンブル・コンテストでお使いになる方もいらっしゃるようです。次々と変化する音楽の特徴や文化を感じながら演奏してみてください。
・1楽章「ミクロコスモス」ハンガリー風民族舞踊曲
・2楽章「さくら」日本のみやこ節音階の五音音階
・3楽章「ミシュマッシュ」ブルガリアの音楽(アルト・フルート持ち替えあり)
・4楽章「グラナダ」スペイン、アンダルシアの音楽

【中・上級者向け】 演奏時間:約9分(U)

HAPPY BIRTHDAYで辿る音楽史(3Rec.)

個性豊かな変奏曲のご紹介です。
ソプラノ&アルト&テナー・リコーダーの編成の楽譜ではありますが、いずれのパートも【inC】で書かれているので、フルート3本でもお楽しみいただけそうです。
お馴染み「HAPPY BIRTHDAY」のテーマから始まり、グロリア・コラール、平行オルガヌム、フレスコバルディ、バッハ(B-A-C-Hのモチーフ入り)、モーツァルト(まるでモーツァルトのソナタのようです)、ベートーヴェン(交響曲第5番風、他に比べて長いのがミソです)、ブラームス(聞いたことのある三連符…)、エルガー(威風堂々とミックス)、ブルックナー(いわゆるブルックナー・ユニゾン)、シュトラウス(ウインナ・ワルツ!)、ヒンデミット、ストラヴィンスキー(一瞬ペトリューシュカが顔を出すような…)、ジョン・ケージ(十二音技法を用いた衝撃のHAPPY BIRTHDAY)、ディキシーランド(ノリノリスイングでどうぞ)の14の変奏曲が並びます。
演奏時間や状況に合わせて好きに組み合わせてご使用いただけますし、順に全て演奏するとクラシック音楽史を辿ることができます。演奏者も 聴き手も楽しめる一曲です。
(AN)

まずはアンサンブルに慣れましょう!(3Fl)

フルートアンサンブルをやりたいけれど、何から始めればいいの?
フルート合宿にいいアンサンブルはないかしら?
沢山のアンサンブル楽譜から選ぶのは大変です。今回おすすめするのは、フック作曲のフルート三重奏。
ジェイムズ・フックは1746年、イギリスの東部ノリッチで生まれました。同じ時期に活躍した作曲家にはモーツァルトやベートーヴェンがいます。18世紀後半から19世紀にかけて作曲されたフックの作品は、学習者はもちろん、初めてアンサンブルをされる方たちにも取り組みやすい作品です。
この作品は、それぞれ1曲が4分〜5分程度とあまり長くなく、急緩急の三部形式になっています。全部で6曲収録されており、フルートが三人集まれば気軽にアンサンブルが始められます。主なメロディーは1stが演奏し曲を引っ張っていきます。ローテーションしながら違うパートも演奏するとアンサンブルの幅が広がりますね。
合宿や部活動の仲間とフルートのハーモニーをこの1冊でお楽しみ下さい。
(TO)

新刊案内(3Fl//2Fl.A-fl)

シャルル・ケックランという名前は聞いたことがあっても曲をすぐに思い浮かべる人は意外と少ないのではないでしょうか。生涯に作品番号付きのものだけでも226もの曲を作っていますが、生前でもどちらかというとフォーレやドビュッシーの作品のオーケストレーションをした編曲家、和声法や対位法に関する著述家、教育者としての知名度のほうが高かったようです。
フォーレに師事し、パリ音楽院ではラヴェルと同級で、サティとは固い友情で結ばれ、フランス六人組とも交友があり特にプーランクは弟子であった…と、ケックランの交友関係を眺めるだけで19世紀末から20世紀中ごろまでのフランス音楽史をたどることができるでしょう。
作風は幅広く無調のものに挑戦したりしていますが、メロディの美しさが目立つ穏やかな曲が多いようです。カテゴリーもピアノ曲、歌曲、室内楽曲、管弦楽曲と多岐にわたります。ただ、上に名前が挙がったような綺羅星のごとき同時代の作曲家に比べ、強烈な個性という点で弱かったのが、作曲家として印象が薄かった原因かもしれません。しかし近年、2017年の生誕150年を機に見直されつつあり、楽譜やCDの発売が続いています。
ご紹介するディヴェルティスメントは1924年に作曲され、37年にマルセル・モイーズらにより初演されました。
3楽章からなり、小節線のない神秘的で幽玄な響きの第1楽章「Tres calme (静寂)」、一転して快活な第2楽章「Allegretto quasi Andante」、第3楽章「Final」は絡み合うメロディが面白く最後は第1楽章のメロディに戻って静かに幕となります。透明感のあるきれいなメロディが魅力的な隠れた名曲です。
これまできちんとした楽譜が出版されていませんでしたが、このたび全面的に校訂されたスコアが出版されました。(パート譜は出版社HPよりダウンロードできます。)
なお第3パートをクラリネットで演奏することもありますが、この楽譜ではアルト・フルートとなっています。
これを機会にケックランのほかのフルート作品にも触れてみてはいかがでしょうか。
【中・上級者向け】 演奏時間約8分(T)

アンサンブル力を高めよう!(3Fl)

カスパール・クンマー(1795-1870)は、オーストリア出身のフルーティスト・作曲家で、フルート二重奏、三重奏やフルートを含む室内楽作品を残しています。クンマーといえば、フルートとピアノによる「庭の千草による変奏曲」が有名で発表会などでも良く取り上げられるので、演奏したことのある方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介する「三重奏曲 作品24」は明るく快活なリズムと、ロマン派らしい美しいメロディーがよくまとまっており、アンサンブルの基礎を学ぶにはちょうど良い作品です。フルート3本の響きを丁寧に作り上げて、アンサンブル力を高めましょう!
T.Allegro moderato U.Adagio sostenuto V.Allegro(RONDO)
【中級者向け】 (B)

アンサンブル特集「3本でも!30本でも!300本でも!」 (3Fl)

モンテイン(1920〜2013)はアメリカ出身のピアニスト、作曲家です。5歳より作曲を始め、ソロの作品からバレエ、オペラなどの作品も多数残しています。1959年には「ピアノ協奏曲NO.1」でピューリッツァー賞を受賞しており、アメリカでは有名な作曲家の一人です。日本では「ピッコロのためのソナタop.61」がコンクールの課題曲になり、知られるようになりました。まだまだ出版されていない作品があるようで、フルートのための作品も少しずつ出版されるようになってきました。
今回ご紹介する曲の1曲目は、彼の「ソロフルートのためのソナタop.24」の第1楽章を三重奏にしており、テンポ表記にはQuestioningと書かれています。出だしのモチーフも何かを尋ねるような、何かを問いかけるように聞こえます。機会があればソロの曲にも挑戦してみてください。2曲目は3/4 Song、3度で動く旋律が印象的で、中間部に向かって盛り上がっていきます。その後、再び3度で動く旋律からpppに向かって静かに終わります。3曲目は12/8 Scherzo、軽快なリズムによって最後まで一気に進みます。3人の呼吸をぴったり合わせることが重要です。
編成には、フルート3本でも!30本でも!300本でも!と書かれています。近、現代の作曲家ですが、特殊奏法もなく特殊管(H管が必要です)もありません。機会があれば大人数のアンサンブルで挑戦してみてはいかかでしょうか。
【中級者向け】(TO)

新刊紹介(3Fl)

作曲者のフランソワ・ナルボーニは1963年生まれのフランス人で、ジャズの打楽器奏者として音楽活動をスタートした後、映画音楽や、電子楽器を使った前衛音楽などの作曲に携わっている、注目される現代作曲家のひとりです。
ドビュッシーの「シランクス」といえばフルート吹きなら知らない人はいないと言っていいフルート独奏の名曲です。この曲をトリオで? 不思議に思われる方も多いでしょう。トリオといっても、ハーモニーをつけて厚くするのではなく、まるでエコーのように三声が響きあい、旋律が後を引く、まさしく“共鳴”する不思議なトリオです。静謐で神秘的な音楽は確かにドビュッシーの「シランクス」なのに、とてもコンテンポラリーな新しい作品に生まれ変わっています。
トリオの演奏会の幕開けなどにもいいかもしれません。ぜひ演奏してみてください。
【中上級者向け】 (T)

3人の名人(3Fl)

L.de ロレンツォは1875年にイタリアで生まれ、のちアメリカで活躍したフルーティスト兼作曲家です。全曲を通じてとても技巧的で、まるでカデンツァの連続!!です。タイトル通り、まさに“3人の名人”といった感じの曲です。特殊奏法などはありませんが、速度標語が数小節ごとにかわっていたり、accel.やrall.が数多く出て来たりするため、合わせるのも少々やっかいです。スコア付きで、第1・第2パート譜は譜めくりを考慮して見開き3ページになっていますので、使いやすい楽譜になっていると思います。フルート三重奏曲で最も難しい曲と言っても過言ではないでしょう。演奏会のプログラムや、コンクールなどにいかがでしょうか?
演奏時間:約9分 (I)

楽しくフルートアンサンブル3重奏(3Fl)

シェコフはブルガリアの首都ソフィア生まれで、ソフィア音楽院で学んだピアニスト兼作曲家です。1980年にドイツに移り住んで活躍しております。
1.AM SEE 湖にて 2.STRASSENMUSIKANTEN 辻音楽師(ピエロ) 3.NACHT AUF DEMBERG 山の夜 4.KERUSSELL  回転木馬 5.DIE SPRINGRUNNE 噴水
上記の楽章は、週末の楽しい情景が次々と目の前に浮かんでくるような曲です。コンクール向きでは無いかもしれませんが、大変聴きやすく、楽しめると思います。レパートリーにぜひ加えてみて下さい。
【中級者向け】 演奏時間:約8分 (K)

東京音頭!?(3Fl)

アレクサンドル・チェレプニン(1899-1977)はロシア出身の作曲家、ピアニストです。 作曲家で指揮者であった父のニコライ・チェレプニンの影響で、幼少期から音楽、オペラ、バレエ、さらに画家や彫刻家など、様々な芸術に囲まれて育ちました。
ロシア革命でフランス(パリ)に亡命、その後、中国、日本、アメリカでも活躍しました。 日本に訪れた際には若い作曲家たちと交流し、日本人作曲家奨励のための『チェレプニン賞』を制定、日本の音楽界にも大きな影響を与えました。
『トリオOP.59』は中国・日本に滞在していた1934年から1937年の後、1939年に書かれた作品です。日本で昔から親しまれているリズムや音階が使われ、やさしく、どこか懐かしいメロディーに心が和む小品です。『東京音頭』とも呼ばれているようです。私たち日本人であれば、チェレプニンが目指す曲のイメージがすぐに掴めるのではないでしょうか。アンサンブルの練習として、文化祭や発表会などのイベントにもおすすめします! 1. Prelude  2.Scherzo 3.Reverie 4.Dance
【中級者向け】 演奏時間:約4分40秒 (U)

妖精のトリオ(3Fl)

作曲者のチェスノコフは1982年ウクライナ生まれの作曲家・ピアニストです。ピアノ曲をはじめ、室内楽、管弦楽など多彩な作曲活動をしています。
この「妖精の絵」はフルート・トリオのための作品で、4楽章からなり、「I.ダフニスの嘆き」「II.エルフの踊り」「III.牧神の森」「IV.妖精の踊り」のサブタイトルがつけられています。タイトルからイメージされる通り、美しく透明感のあるメロディと、軽快なフレーズが魅力的な曲ですが、早いパッセージの部分などは高度な技術が必要です。なおIとIVでは第1フルートはピッコロ持ち替えとなります。フルート・アンサンブルの演奏会にも使えそうです。作曲者のHP(http://dimitri-tchesnokov.com/)で少しですがこの曲の試聴もできますので参考になさってください。
【上級者向け】 (T)

フルート・アンサンブル(3Fl)

トマジはコルシカに生まれたフランスの作曲家、指揮者でした。パリの音楽院にて作曲をヴィダル、指揮をゴーベールに学びました。フルートの作品では「コンチェルティーノ」(FL.PF)が最も演奏される曲ですが、この「3つの牧歌」も、たびたび演奏されるようになってきました。「ボリヴィア風」「クレタ風」「シシリー風」の3つの楽章からなり、音楽は親しみやすく、色彩感のあるフランス風の響きと香りを十分に味わうことが出来ます。響く部屋やホールで演奏すると更に効果が期待できます。 
【上級者向け】 (Y)

3本のフルートとピアノで(3Fl.Pf)

8分の6拍子の曲で、2拍目と5拍目が休符になっているリズムが数多く使われ、3匹の猿が楽しく遊んでいる様子が目に浮かぶような曲です。技術的に難しいところはありませんので、アンサンブルの入門編や楽しみのために、また、アンコール・ピースとしてお使い頂けます。可愛らしい猿になったつもりで、楽しく演奏して下さい。
(I)

3本のフルートとピアノで(3Fl.Pf) 2

I.力強く、動きをもって II.静かに III.「今、明るい太陽が輝き出る」の主題による変奏曲の3曲からなっています。特殊奏法などはありませんが、全体的に指定テンポが早めで、また、変拍子が出て来たりしますので、少し“慣れ”が必要かもしれません。ですが、とても聴き栄えのする曲ですので、ぜひ演奏会などでお使い下さい。
(I)

名画の世界を音楽で(3Fl / 4Fl)

「想い出は銀の笛」でよく知られている三浦真理さんによる2014年の新曲です。 フランス印象派の画家、クロード・モネの作品全体から受ける印象に触発されて作曲したとのことです。水のせせらぎ、噴水、光、そよぐ風、木漏れ日、淡い色彩・・・絵画のイメージを自分たちでさらに膨らませて演奏してみてください。
3本フルート用(ID:31890)と4本フルート用(ID:31891)の楽譜が出版されており、巻末には「ザ・フルート・カルテット」のメンバーによる演奏上のアドヴァイスが掲載されています。(3本フルート用→柴田 勲さん/4本フルート用→斎藤和志さん)
「水の庭」「散歩」「風のスケッチ」「海、夕暮れ」「大通り」「大聖堂」の6曲です。
【上級者向け】 演奏時間:約15分 (B)

名画の世界を音楽で(3Fl / 4Fl)

「想い出は銀の笛」でよく知られている三浦真理さんによる2014年の新曲です。
フランス印象派の画家、クロード・モネの作品全体から受ける印象に触発されて作曲したとのことです。水のせせらぎ、噴水、光、そよぐ風、木漏れ日、淡い色彩・・・絵画のイメージを自分たちでさらに膨らませて演奏してみてください。
3本フルート用(ID:31890)と4本フルート用(ID:31891)の楽譜が出版されており、巻末には「ザ・フルート・カルテット」のメンバーによる演奏上のアドヴァイスが掲載されています。(3本フルート用→柴田 勲さん/4本フルート用→斎藤和志さん)
「水の庭」「散歩」「風のスケッチ」「海、夕暮れ」「大通り」「大聖堂」の6曲です。
【上級者向け】 演奏時間:約15分 (B)

ピアノ伴奏付きのフルート三重奏曲お探しですか?(3Fl.Pf)

ルイ・モイーズはアメリカのフルート奏者、教育者で様々な教則本や曲集の作曲・編著・校訂を手がけ、 その功績は偉大なものです。父親のマルセル・モイーズから引き継がれた奏法、練習法、教授法等の教程は素晴らしく、多くの教材に反映されています。今回ご紹介する曲は唯一のフルートの室内楽曲、ピアノ伴奏付きのフルート三重奏です。一曲3分〜5分の小品になりますが、それぞれにタイトルがつけられています。
1.鐘(Bells) 2.遊戯(Games) 3.オルゴール(Music Box) 4.舞踏(Dances)
フルートアンサンブルの特徴や魅力がいっぱいで、また近代的で神秘的な響きが美しい曲です。表現豊かなアンサンブルをお楽しみいただけます。
【初・中級者向け】 演奏時間:約14分 (NS)

ハッピー・バースデー変奏曲(4Fl.)

日本でも「バースデー・ソング」としておなじみの曲をフルート4本で演奏できるように編曲してあります。単に旋律と伴奏に分かれるのではなく、ちょっとジャズっぽく、ちょっと遊び心を効かせた大胆なアレンジです。バースデー・パーティーで主役が登場するとき、ケーキのロウソクを消すとき・・・。サプライズで演奏してみるのも良いのでは?最後はみんなで「HAPPY BIRTHDAY TO YOU!!」
(B)

次々に「変容」するフルート・カルテット(4Fl)

作曲者のアラースは1935年生まれのドイツ人。器楽曲からオーケストラ作品まで多彩な作曲活動をしており、フルートの曲では5本フルートのための「Sonata Piccola」が知られています。
この曲は以前プライベート版が出ていて知る人ぞ知る曲でしたが、このたび印刷製本も新たに出版されましたのでご紹介します。

これはパガニーニの無伴奏ヴァイオリンのためのカプリスの中でもっとも有名なメロディを、主題とエピローグで挟まれた8つの変奏曲にアレンジしたものです。作曲者によれば、パガニーニだけでなく、ブラームス、シューマン、ラフマニノフなども頭に入れて作ったということですが、あからさまな模倣ではなくある変奏は軽快に、あるものは重厚に、さらにジャズの風味も取り入れて、タイトル通り主題がまさしく”変容”していくとても面白い曲です。演奏者も聴衆も作曲者の換骨奪胎ぶりの見事さを楽しめるでしょう。特殊管なしの4本フルートアンサンブルです。ぜひ演奏会で取り上げてみてください。
【上級者向け】(T)

ファンタジーの世界へようこそ〜フルート4重奏上級編〜(4Fl)

R.R.ベネットはアメリカの作曲家兼指揮者で、アメリカのC.ブッシュマンに学んだ後、パリではN.ブーランジェに師事しています。管弦楽法にも長けていたので、ベネットは編曲法の本を書き、ブロードウェイ・ミュージカルの管弦楽法を確立しました。リチャード・ロジャースの「サウンド・オブ・ミュージック」なども彼の手によるものです。 この「ロンド・カプリチオーソ」は単一楽章形式で書かれています。
私はこの曲を「フルートアンサンブル・ファルペンシュピール」の演奏を聴き、是非“おすすめ楽譜”としてみなさんに紹介したいと演奏会会場でひらめきました。

定期的に神奈川県を中心に活躍している「フルートアンサンブル・ファルペンシュピール」主宰者で、(財)神奈川フィルハーモニー管弦楽団フルート奏者の大見幸司さんに、演奏上のポイントを語っていただきました。どうぞご参考になさって下さい。
「この作品は、特殊楽器を含まないフルートのみで書かれていますが、非常に幅のある表現が実現できるように仕上がっています。作曲者はブロードウェイミュージカルの管弦楽法を確立しただけあり、冒頭からディズニーのアニメ映画やハリーポッターなどのようなファンタジックな場面を思わせる音楽が続きます。 演奏に際しては細かくテンポ設定がしてありますが、それぞれ雰囲気にあった流れを表現出来れば指定のテンポにこだわらなくても良いでしょう。 この譜面は調号が格段で省略されていますので注意が必要です。またスコアがあれば分かりやすいのですが(スコアは無く、パート譜のみの販売)、パートにより8分の6と4分の2が同時進行している場合があり(複合構造)テンポも含めこの曲の特徴になっています。」
【上級者向け】 演奏時間:10分 (K)(Y)

シンプルで明るい四重奏(4Fl [Fl(Pic).2Fl.A-fl])

20世紀イギリスを代表する作曲家、ベンジャミン・ブリテン(1913-1976)はオペラ「ピーター・グライムズ」、「戦争レクイエム」をはじめ、室内楽に至るまで様々な曲を残しましたが、フルーティストにはあまり馴染みがないかもしれません。でも、学校の音楽の授業で「青少年のための管弦楽入門」を聞いた覚えがある方はいらっしゃるでしょう。
今回ご紹介するのはブリテンが20歳くらいの時に書いた「シンプル・シンフォニー」の第2楽章です。原曲は弦楽四重奏または弦楽合奏のための曲で、題名通りピチカートで演奏されます。途中では民謡風のメロディーが出てきたり、全体に親しみやすい明るい曲となっています。3分半ほどの短い曲です。楽しく軽快に演奏してください。
【中級者向け】 演奏時間:約3分30秒 (T)

4人で旅に出ましょう(4Fl)

ベネディクト・ブライダーンはリヒャルト・シュトラウス音楽院でヴァイオリンとピアノを学んだドイツの作曲家で、現在はアメリカで映画音楽なども手掛けています。
この作品は、5つの短い小品からなります。
1.on the train
列車のガタゴトガタゴトという音が模倣され、旅に出発です。
2.The old Birdhouse
穏やかなメロディが流れます。
3.Moonlight Ballerina
月明りの下で踊るバレリーナは、少し儚く悲しげで、古いフランス映画のような印象です。
4.Balloon Ride
気球に乗って広い世界を見てみましょう。
5.Charades
Charadesはいわゆるジェスチャーゲームです(「アナと雪の女王2」でもやってましたね)。一日の最後(旅の終わり)にみんなでゲームをして曲を閉じます。
各パートが同等に旋律を受け持ちます。旅行の思い出を頭に浮かべながら、4人で楽しいひと時をお過ごしください!
【初・中級者向け】 演奏時間:約9分 (B)

モダンで不思議なムード漂う4重奏(4Fl)

作曲者のフランコ・チェザリーニは1961年スイス生まれのフルーティスト・作曲家です。日本では特に吹奏楽の分野でよく知られています。
今回ご紹介するフルート四重奏曲 第2番はペーター・ルーカス・グラーフに捧げられ、5楽章からなり、すべての楽章が6〜10音の異なるスケールまたは「モード」に基づいて書かれ、各楽章が異なる印象を持ちます。作曲技法に工夫が凝らされた意欲的な曲ですが、実際に聴いてみるといわゆる現代音楽の難しい曲ではなく、リズミカルな楽章や静謐なメロディの美しい楽章などが次々に現れ、聴いても吹いても面白い曲だと思います。

第1楽章 Demi-Teintes(中間色)ゆったりとしたどこか夢見るような異国風なメロディ。
第2楽章 Ostinato(オスティナート)タイトル通りいずれかのパートが3連符の同じ音型を繰り返す中に別のメロディが浮かび上がる舞曲風。
第3楽章 Fragments d’un Reve(夢のかけら)どこか寂しげなメロディがたゆたうように夢の中をさまようようなゆったりとした曲。
第4楽章 Bergerades(牧歌)一転、軽快なリズムが繰り返される民族舞曲風の楽しげな曲。
第5楽章 Feroce(獰猛)切れ味鋭いスタッカートの繰り返しに時折混じる旋回するような速いメロディの対比が面白い終楽章。唐突なフィナーレも印象的。

特殊管も現代奏法も必要ありません。発表会、演奏会などで取り上げてみてください。
なお、同じ作曲家のフルート四重奏曲 第1番もあります。(ID:25621)こちらもおすすめです。
【中・上級者向け】演奏時間:約11分(T)

哀愁漂う美しさ…ショパンのワルツをアンサンブルで。(4Fl)

「ピアノの詩人」とも謳われるフレデリック・ショパンの美しいワルツ2曲を、フルート・アンサンブルで楽しめる楽譜です。「KK IVb Nr.11(遺作)」は、彼を題材にした映画、「ショパン 愛と哀しみの旋律」で印象的に流れていた、美しいワルツです。その作風やリストの証言により、1847〜48年頃の作品とされています。ロスチャイルド家が所蔵していた遺作のノクターンと対になった自筆譜が発見され、第2次世界大戦後、1955年に出版されました。原曲はイ短調ですが、ニ短調に移調して編曲されています。もう1曲の「KK IVb Nr.10」は、1840年の作品で、Nr.11と同じく1955年に出版されました。ショパンの死後、「ワルツ」として出版されましたが、楽譜の冒頭には「sostenuto」と記されており、ワルツとして作曲したかどうか、定かではないようです。原曲は変ホ長調、こちらはニ長調に移調して編曲されています。どちらも数分で演奏できてしまう小品ですが、短くても心にしみる素敵な作品です。
この2曲はショパンのワルツの中でもフルートへの編曲は見当たらなかった作品。難易度は高くなく、複雑な編曲にもなっていないので、アンサンブル仲間と楽しんだり、アンコールに演奏したりと、幅広くお使いいただけそうです。
(YS)

ダマーズの世界へようこそ(4Fl)

20世紀の作曲家ジャン=ミシェル・ダマーズは、ハープ奏者の母を持ち、自身はピアニストとして活躍する傍ら、室内楽を中心に多くの作品を残しました。また、当時流行していた前衛的な音楽スタイルとは違い、機能和声の構成や、調和を形式美とする「新古典主義音楽」を取り入れました。
今回はフルート四重奏曲をご紹介いたします。1989年に作曲され、ダマーズの作風である幾度となく繰り返される転調と、すっと耳に馴染むハーモニーの明瞭さを随所に感じることができる作品です。第1楽章「Allegro deciso(速く 決然と)」、第2楽章「Andantino(歩くような速さで)」、第3楽章「Allegro scherzando(速く おどけて)」、第4楽章「Allegro vivace(速く 快活に)」の4つの楽章から成ります。小節ごとに拍子と主旋律が移り変わり、手に汗握るようなフレーズが続きます。第2楽章のみゆったりとしたテンポで、日本人の心に響くような哀愁漂う旋律が魅力的です。アレグロ表記の中でも、それぞれ異なる性格をどう演奏するかイメージしながらトライしてみてください。
アンサンブル力が試される難曲ですが、ダマーズが仕掛ける巧みな響きのシンクロに魅了させられる一曲です。
【上級者向け】 (A.K.)

ジャズ風のノリでプッチーニ!(Pic.Fl.A-fl.B-fl.)

アメリカの作曲家ドルフが、プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」第二幕でムゼッタが歌う有名なアリア「私が道を歩くと」をフルート四重奏に編曲したものです。初めはサックス四重奏用に作られ、のちにフルート用に編曲されました。
ドルフは、1930〜40年代のアメリカのバンド・ミュージックなどのポップ・ミュージックがプッチーニのメロディ進行やハーモニーの影響を受けていると指摘しています。そこからこのジャズ風の編曲のアイデアが浮かんだとのことで、単にオリジナルのメロディをそのままフルート四重奏にしてあるのではなく、シンコペーションを使った、ガーシュウィンを思いおこさせる小粋でスウィンギングなアレンジになっています。
3分半ほどの短い曲ですが、技術的にもそう難しくなく、ピッコロからバスまでのフルートを使ってプッチーニのメロディの美しさとアンサンブルの楽しさを味わうことができます。ウキウキとする軽快で楽しい洒落た曲なので、サロン・コンサートやアンサンブルの演奏会のアンコールなどにいかがでしょうか。
【中級者向け】 (T)

四重奏曲(4Fl)

現代フランスで活躍している作曲家で、パリ音楽院において学び、ミヨー、フランソワ、プロコフィエフの音楽の影響を受けた作曲家です。この曲は、フルート四重奏の王道といっても過言ではないでしょう。 そして近代フランス音楽にふさわしく4楽章の組曲形式で構成されています。四重奏がとても楽しく思える曲だと思います。フルート四重奏を結成する際の初レパートリーとしても最適です。ぜひ演奏してみて下さい。
【中級者向け】 演奏時間:約7分 (N)

海の表情をお届けします。(4Fl)

Friedgund Gottesche Nissnerはドイツ、ハノーバーとヒルデスハイムの間に在る小さな町Sarstedtで1954年に生まれました。ヒルデスハイムで作曲、ハノーバーで教育音楽、デトモルトでフルートを学びました。彼女は特別なイベントの時に彼女の学生のために多くの曲を書いております。今回は、この曲をレコーディングした東京フルート・クヮルテットのメンバーで武蔵野音楽大学、聖徳大学講師、高久 進さんに演奏上のポイントを書いていただきました。 どうぞ、お役に立ててください。

『フラッタータンギング、音曲げ(ベンディング)、ハーモニクスなど、フルートならではの特殊奏法を巧みに使用したユニークな四重奏曲。しかも、こうしたいわゆる現代奏法が「海」「波」「嵐」「霧」「霧笛」といった具体的なイメージの表現と直結しているのでどなたにも理解しやすい音楽となっています。通常、新しい奏法=抽象性の高い音楽といった構図が成り立ちますが、そうした奏法が具象に役立てているという意味でも従来の四重奏曲には見られない非常に魅力ある作品となっています。それぞれの楽章に表題と小さなスケッチがついているので演奏する上での助けとなっている点も見逃せないでしょう。人類の故郷としての「海」が見せる様々な様相を見事に表現した「交響詩」といっても過言ではないと思います。
[フラッタータンギング]は波と砂浜の接触によって生まれる「ザーッ」という音、嵐の場面での波しぶきや白い波頭を表現しています。こうした「波」の変化という非常に大切な役割を担っている以上、フラッターが出来ることが最重要ポイントとなります。舌のフラッター、のどのフラッター、上の歯の裏側で舌を左右に素早く動かす、非常な速さでのダブルタンギングなどを組み合わせることにより、さらに演奏効果が高められるので、フラッターが出来ない人でも他のやり方を工夫すれば演奏できる可能性があります。これを機会にフラッターを極めるのも良いと思います。
 [音曲げ(ベンディング)] は、フルートを外転・内転させて半音程度音程を上下させる奏法です。フォルテと組み合わせて荒々しい波を、またピアノとの組み合わせでは立ち込めた霧のミステリアスな雰囲気を醸し出しています。
 [ハーモニクス(低音域の指使いで高音域や中音域の音を出す奏法で譜面上にその使用する指使いの音と実際に出してほしい音の両方が記載されている)] は、霧によってベールに包まれた海の静けさを表現しています。またハーモニクスとベンディングを組み合わせて霧笛のような神秘的なハーモニーが生み出されています。

北欧の風土感を感じて・・・(4Fl.)

「ペール・ギュント」でおなじみのノルウェーの作曲家グリーグが、デンマーク文学の父として北欧で敬愛されているルドゥヴィ・ホルベア男爵(1684-1754)の生誕二百年祭のために作曲したのがこの組曲。
ホルベアが生きた時代のバロック音楽の様式で書かれた組曲で、活気にみちた「前奏曲」で始まり、緩やかな「サラバンド」、快活な「ガヴォット」と爽快な流れの「ミュゼット」、哀愁をこめたメロディが歌われる「アリア」、活発な「リゴドン」と舞踏音楽の形式が用いられています。
グリーグらしく繊細で、時には勇壮な曲想が特徴的です。
【中級者向け】 演奏時間:約20分 (NI)

リゾート気分でカルテット!(4Fl[3Fl.A-fl])

レイモン・ギヨー(1930- )は1954年のジュネーヴ国際音楽コンクールで第1位に輝き、パリ・オペラ座の首席奏者として活躍したフランスのフルート奏者です。作品にはジャズテイストのものが多く、ジャズピアニストとしても活躍しています。
今回ご紹介する「ディヴェルティメント・ジャズ」は1989年に作曲された、「3本のフルートとアルト・フルート」の編成の四重奏曲です。
第1楽章「NICE」は南フランスのビーチリゾート。4ビート・スローのリズムや、各パートのかけ合いから穏やかな波の様子が感じられます。
第2楽章「LE DOMAINE FORGET」はカナダのケベック州にある、音楽祭の開催地としても知られているリゾート地。細かい動きが増え、アクセントの効いたメロディーが特徴です。強弱の差もはっきりついているため、メリハリのある楽章になっています。
第3楽章「JAVEA」はスペインのバレンシアに位置するリゾート地。3曲の中で1番テンポが速く、陽気な付点のリズムに乗って、爽やかに終わりまで駆け抜けます。
アンサンブル仲間とのレパートリーに、おしゃれで軽快なジャズを取り入れてみてはいかがでしょうか?
【中級者向け】 演奏時間:約7分 (OY)

みんなで楽しく!調子よく!!(4Fl)

ご存知「調子の良い鍛冶屋」のフルート四重奏版です。主題と変奏(1から5まで)とコーダからなり、それぞれの部分に各パートが目立つ部分が出て来ますので油断禁物!!主題部分はそう難しくはないのですが、変奏部分は三連符あり32分音符あり…となかなか手ごわいですので、中級以上の方にオススメします。楽譜に“フルート四重奏かフルート・オーケストラ”と書かれていますので、各パート重複して吹いたり、アルトフルートやバスフルートなどを入れて吹いたりすることも可能です。(特殊管用のパート譜はありません。)
(I)

スキーのように滑らかに、そして優雅に♪(4Fl)

この、ジャンジャンの『スキー・シンフォニー』は表題どおりスキーで滑走する姿がそのまま音符に表現されたような描写性の強い作品です。4つのパートが息つく事なく行き交い、スピードのある滑りを連想させます。…かと思うとたっぷりと優雅に斜面を降りるイメージの旋律が出できたり。スキーの経験のある方には、ぜひゲレンデで気持ちよく滑走する姿を思い浮かべながら楽しんで演奏していただきたい1曲です。最後に、作曲者のF.ジャンジャンについて少しふれますと、サクソフォン四重奏やクラリネットの作品が残っていますが、経歴についての詳細は不明です。ただ、多くの教則本や独奏曲を残したポール・ジャンジャンの親族にあたる可能性もあるのでは、と考えられています。
【中・上級者向け】 演奏時間:4分30秒 (O)

誰でも知っている楽しいフルート四重奏(4Fl)

この曲は、皆さんおなじみの料理番組、≪キューピー3分クッキング≫のテーマソングで使われている曲で、おもちゃの兵隊のマーチというタイトルで世界中の子供たちから愛されています。あまりに有名な曲なので作曲家の説明は必要ないでしょう。フルート・アンサンブルだけでなく、アルト・フルートの代わりにクラリネットを使う事で、吹奏楽でのアンサンブル・レパートリーに加えてみるのもよいのではないでしょうか。
【初・中級者向け】 演奏時間:3分 (K)

夢のなかへ・・・(4Fl)

メンデルスゾーン作曲《真夏の夜の夢》より「スケルツォ」をご紹介いたします。
1842年に作られたこの曲は、イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの戯曲《真夏の夜の夢》の“劇付随音楽”として作曲されました。 題名の“真夏の夜”(Midsummer Night)とは、いわゆる“真夏”のことではなく、夏至の夜のこと。夏至の夜には妖精たちが祭りをひらくというヨーロッパの伝説を下敷きにした喜劇です。
全12曲から構成されており「スケルツォ」は第一幕と第二幕の間に演奏される第1曲目にあたります。終始軽快に進んでいき、4本のフルートで織りなす各パートのかけあいがスピード感と緊張感を生み出しています。人間界と妖精界・・・人間たちの夢の中・・・薄暗い森で踊る妖精たちの姿・・・幻想的な世界を表現してみませんか?
夏の演奏会で是非演奏してみてください!
【上級者向け】 演奏時間:4分30秒 (OU)

待ってました!この一冊(4Fl)

実はこの楽譜、以前は「レンタル譜」になっていた楽譜です。以前からお問い合わせが度々ありましたが、特殊管を使わない<4Fl.>で楽譜をお探しの方、是非どうぞ!
 I. エメラルドグリーンの風  II. 真紅のルビー  III. ブラック・インヴェンション  IV. 紫の薔薇  V. ブルー・パステル 
各楽章には色にちなんだタイトルがつけられ、フルートの持つ軽やかさや、透明感のある音色感を生かし、とてもオシャレに仕上がっています。ファーストパート、セカンドパートに比較的目立つパッセージが多いのですが、全体的に中級〜上級者向けです。
(G)

ジャズテイストの現代風カルテット(4Fl)

「ソナタ・ラティーノ」「オーパス・ディ・ジャズ」などで知られるマウワーのフルート四重奏の楽譜です。マウワーの曲はジャズのテイストを取り入れた都会風の感覚が特徴で、この曲も第1楽章「渦巻き」では次々に押し寄せる波のようなうねり、第2楽章「干ばつ」は美しいメロディーの中にもどこか不安をのぞかせる響き、第3楽章「ホーム・サイド」では軽快なリズムとブルースの味わい、第4楽章「フラット・アウト」では目まぐるしい動きで一気に高揚感を持たせてフィナーレへ、とそれぞれ異なる雰囲気を持つ現代風のカルテットです。特殊管も現代奏法も必要ありませんが、4人ともに高度なテクニックとアンサンブル力が必要な難曲です。しかし、うまく合わせられたときは「気持ち良い!」ことこの上ないと思います。アンサンブルの演奏会のプログラムにぜひ加えてみて下さい。
【上級者向け】 (T)

心が弾むモーツァルト作品! (4Fl/2Fl.A-fl.B-fl/3Fl.B-fl)

W.A.モーツァルトが16歳の時に弦楽合奏のために作曲した「ディヴェルティメント ニ長調 KV136」は、KV136〜138の3曲のディヴェルティメントの中でも特に有名な作品です。1772年にザルツブルクで書かれたことから「ザルツブルク交響曲」とも呼ばれています。弦楽四重奏で演奏される機会が多いですが、今回はフルート4重奏/フルート2本・アルトフルート・バスフルート/フルート3本・バスフルート、と3種類の編成で楽しめる楽譜をご紹介します。
全3楽章の構成のうち第1楽章は、軽快で爽やかなメロディーが印象的です。1、2番パートの掛け合いやスタッカートが活かされた躍動感のある伴奏も聴きどころです。第2楽章は一転して穏やかな緩徐楽章で、4分の3拍子の柔らかな旋律から始まり、3パートがクレッシェンドで上り詰めていくフレーズは心に響きます。生き生きとした活気溢れる第3楽章は、強弱の差がはっきりしているため表情の変化が楽しめます。展開部ではフーガのような形式も用いられており、音の重なりの美しさが感じられます。
明るく澄み切った気持ちになれるこちらの曲を、ぜひアンサンブル仲間と一緒に演奏してみてはいかがでしょうか。
【中級者向け】演奏時間:約15分(OY)

フルート・アンサンブルでオペラの名曲を!(4Fl/3Fl.A-fl/3Fl.B-fl/3Fl.Cb-fl)

プッチーニは言わずと知れたイタリア・オペラの巨匠で、「トスカ」「ラ・ボエーム」などの有名なアリアはオペラ好きでなくとも耳にしたことがあるのではないでしょうか。中でも「蝶々夫人」は、19世紀末ごろの長崎を舞台にした、日本人女性蝶々さんのアメリカの軍人ピンカートンへの貞節な愛を描いた悲劇で、ところどころに日本の歌のメロディが差し挟まれ、日本人にとっては特別な作品といえます。
今回ご紹介するのは、このオペラから4曲を選んでフルート四重奏用にアレンジした組曲です。曲は
1:蝶々さんの登場(「さあ、もう少し」):初めてピンカートンのところに連れて来られた蝶々さんのアリア
2:ある晴れた日に:ピンカートンを待つ蝶々さんのアリア
3:ハミング・コーラス:子供と侍女とともに蝶々さんが夫を待つシーンのバックで歌われる静かな合唱
4:さらば愛の家:ピンカートンが後悔の念を歌うアリア
の4曲です。特に2曲目の「ある晴れた日に」は単独でも歌われることの多い名曲ですが、他の3曲もどれも美しい抒情的なメロディを持っていて、歌でなく楽器で演奏しても心に響く曲です。
普通のフルート4本で演奏できますが、第4パートをアルトやバスに替えてもいいようになっています。本数を増やしてフルート・オーケストラでも可能です。難易度はそう高くありません。全曲でもよし、中の1曲を取り上げるもよし、ぜひプッチーニの美しいメロディをアンサンブルで演奏してください。
【中級者向け】 演奏時間:約10分 (T)

フルート四重奏で「ボレロ」(4Fl)

華麗なオーケストレーションで有名なラヴェルの「ボレロ」のフルート四重奏版が出ました。原曲はご存知のとおり、延々と続くドラムのリズムに乗って、フルートに始まりオーケストラの各楽器が順番にソロでメロディーを演奏します。この版では、各パートが交代でソロとリズムセクションを担当し、全員がピッコロ持ち替えをすることで音色の変化を出しています。冒頭のppからクライマックスのfffまで、テンポはあくまで一定を保ちながら変化をつけていくのはなかなか難しいかもしれませんが、オーケストラに入っていてもなかなか演奏する機会のない曲を、フルーティスト4人で楽しむのも一興でしょう。カルテットの演奏会はもちろん、吹奏楽団やアマチュアオーケストラでパート練習代わりに演奏しても面白いと思います。オーケストラプレーヤーになったつもりで吹いてみて下さい。
【中・上級者向け】 (T)

フルート・アンサンブルで「クープランの墓」(2Fl.A-fl.B-fl)

ラヴェルの「クープランの墓」は、元々は6曲からなるピアノのための組曲ですが、管弦楽版をはじめ、様々な編曲でも演奏されている人気曲です。ラヴェルがクープランを代表とする18世紀フランス音楽に敬意を表して作曲した古典舞曲様式の典雅な薫り高い曲で、タイトルの「クープランの墓」はむしろ「クープランを偲んで」と言った方が正しいでしょう。
今回ご紹介するのは原曲のうち「プレリュード」、「フォルラーヌ」、「メヌエット」、「リゴドン」の4曲をフルート4重奏用(2フルート(1stはピッコロ持ち替え)、アルトフルート、バスフルート)に編曲したものです。これまで木管5重奏用の楽譜はありましたが、フルート4重奏のものは初めてです。特殊奏法は出てきませんが、難易度は低くありません。カルテットの演奏会にも使えそうです。4曲のうち1曲だけアンコールに使うのもいいでしょう。ラヴェルの美しく洒落た響きをお楽しみください。
【上級者向け】 (T)

フルート四重奏の定番曲!(4Fl)

ライヒャ(チェコ語ではレイハ)はプラハで生まれ、ベートーヴェンと同時代を生きた作曲家です。 チェロ奏者の叔父に音楽を学び、ケルンの選帝侯楽団のフルート奏者となり、当時同楽団のヴィオラ奏者であったベートーヴェンと親交を深めることになります。その後、ハンブルク、ウィーン、パリと移り、パリ音楽院の作曲科の教授となってベルリオーズ、グノー、フランク他多くの作曲家を育てたことでも知られています。作曲家としてはオペラから管弦楽、器楽曲まで膨大な数の作曲&出版を行っていますが、特に管楽器のための作品の割合が多く、木管五重奏だけでもなんと25曲も作曲しています。
フルート四重奏 作品12は1796年〜98年ごろ、彼がボンを離れて一時ハンブルクに移った頃の比較的初期の作品です。4楽章編成の古典的で充実した内容となっており、ハーモニーの美しさ、アンサンブルの楽しさを味わえる曲となっています。1stパートはメロディラインを担う事が多いので他のパートより難易度が高くなりますが、他のパートは比較的取り組みやすくなっています。フルート四重奏の定番曲の一つですので、まだ演奏されたことのない方!!この機会にぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか?重要なレパートリーの一つになる事まちがいなし!!です。
【中級者向け】 演奏時間:約20分 (NS)

フラメンコ&ブルース(4Fl//3Fl.A-fl)

リウは1949年生まれのフランス人フルーティスト、作曲家です。一時はオーストラリアに住み、クラシックだけでなくジャズやバンド、ダンスグループにも参加するなど多彩な活動をし、作曲家としてもその経験を生かしたクロスオーバーな曲を発表しています。この四重奏もそういった彼の特色が出たもので、切れ目なしの1楽章形式ですが、フラメンコの複雑なリズム、ブルースのうねりを出すため、頻繁に転拍子や速度の変化が行われます。特殊技法などは必要無く、それほど難しくはなさそうですが、第1フルートから第4(アルト)まで同じくらいの技術とアンサンブル力が必要な曲です。演奏時間は約6分ですので、アンサンブルの演奏会のアンコールなどに使っても面白いでしょう。
【中・上級者向け】 (T)

フルート・カルテットで大行進!(4Fl)

サン・サーンス、円熟期に書かれたもので、しばしば訪れたこの地の印象を「アルジェの街」「ムーア風な狂詩曲」「夕べの幻想」「フランス軍隊行進曲」の4つの小品にまとめた組曲です。「フランス軍隊行進曲」はその中でも最も有名な勇壮華麗な大行進曲で、オーケストラの華やかさをS.タッカーが4FL.にアレンジしています。1パートを2人〜4人で演奏しても効果が出ると思います。
【中級者向け】 (Y)

R.シュトラウス自身もお気に入りの一曲です。(4Fl)

リヒャルト・シュトラウスの三幕のオペラ「ばらの騎士」の中でも、名場面・名曲として知られる終幕の三重唱をフルート・カルテットに編曲したものです。この曲はオペラの三人の主人公、若いオクタヴィアンとその恋人のゾフィー、そしてオクタヴィアンの年上の愛人・元帥夫人がそれぞれの心情を歌う複雑に絡み合ったメロディーが美しく、R.シュトラウスの作品の中でも屈指の名曲といわれています。シュトラウス自身この曲をとても気に入っていて、遺言により彼の葬儀にはこの曲が演奏されました。 この編曲では特殊管は必要なく、メロディーを生かした平易なアレンジになっていますので中級クラスの方でも十分演奏できるでしょう。美しく豊潤なシュトラウスの世界をお楽しみください。
【中級者向け】 (T)

ワルツにゆられて…(4Fl)

ヨーロッパの古い民話・童話「眠れる森の美女」。バレエの演目や、ディズニー映画としても有名ですよね。今回ご紹介いたしますのが、その「眠れる森の美女」ワルツです。ワルツをフルート4本で奏でてみませんか?フルート4本でポピュラーなものを探されいてる方も多いと思います。是非レパートリーの一つにしてみてください。
【中級者向け】 演奏時間:約4分 (N)

くるみ割り人形(4Fl)

チャイコフスキーの『くるみ割り人形』より、「葦笛の踊り」「金平糖の踊り」「花のワルツ」が入っております。メドレーになっている訳ではありませんので、続けて演奏するのも良し、1曲だけ演奏するのも良しです。特殊管は入りません。 くるみ割り人形のアンサンブルを探されている方が多いと思いますので、ご紹介致しました!
【中級者向け】 演奏時間:約10分 (N)

アンサンブルコンテストに最適(4Fl)

原曲は「4つのヴァイオリンのための協奏曲 ト短調」です。今回ご紹介する楽譜は4楽章ある中の第1楽章と第4楽章を抜粋し、フルート4重奏に編曲したものです。
広大な緑を想わせるような Pastorale、颯爽と駆け抜ける風を描いたような Vivace。どちらも音の重なり方が美しく、アレンジされた曲とは思えないほどにフルートにピッタリです。  演奏時間も短めですので、アンサンブルコンテストなどにはおすすめの一曲です。
全曲をアレンジしたものとして#21466(C-dur)もご用意しております。
【中級者向け】 演奏時間:約4分 (H)

アンサンブル特集「4人でロートレック」 (4FL//Fl(Pic).2Fl.A-fl)

ウルナは1973年プラハで生まれ、幼少期から音楽に親しんでいました。ドイツのライプツィヒ音楽院でファゴット、作曲、ピアノなどを学び、プルゼニのティル歌劇場やピルスナー交響楽団のファゴット奏者として活動しています。作曲家としては、ソロ楽器の協奏曲を得意としていますが、オーケストラ作品、音楽劇なども手がけているようです。
この曲のモデルとなっている『モンマルトルの小人』とは、フランスの画家、ロートレック(1864-1901)を指しています。フランスの貴族の家柄に生まれますが、少年期に足を骨折し足の成長が止まり、成人してもとても小柄でした。モンマルトルの歓楽街に住み、そこに住む人々を鋭い視線で描いていきました。はっきりとした輪郭の線と、大胆な構図、モデルとなった作品の登場人物を個性豊かにデフォルメする手法は、日本の浮世絵の影響を受けているそうです。父親との不仲や自身の身体の障害、モンマルトルでの奔放な生活等により、36歳の若さで亡くなっています。
曲は【Introduction】と【The joy of life】の2つの楽章に分かれています。全体的には細かいリズムと掛け合いが面白い、明るい雰囲気の曲です。アルト・フルートに独立した動きが多くあります。次々と変わる曲調をそれぞれの雰囲気を読み取って変化をつけると、曲にメリハリがつくのではないでしょうか。
演奏会のレパートリーとして、また友達と楽しむパーティーなどでもお使いいただけるでしょう。ロートレックの絵は、生きた表情と動きから描かれた人物の人柄まで伝わってくるような印象を受けます。4人の呼吸を合わせて表情豊かに演奏して下さい!
【上級者向け】演奏時間:約3分10秒/約8分45秒 (U)

夕暮れのアンサンブル(4Fl)

サックス奏者で作曲家の渡部氏は、吹奏楽作品を中心に室内楽や楽曲のアレンジなど幅広く作品を手掛けています。木管三重奏『落ち葉の舞う季節』(楽譜 ID:34890)は、アンサンブル・コンテストに選曲する学校も多く注目の作曲家です。今回ご紹介するフルート四重奏は、フランス語で「美しき黄昏」を意味し、澄んだ空に夕日が沈む情景が目に浮かびます。
前半は「夕暮れ時のセーヌ川ほとりから見える風景をイメージしている」と書かれているように、優しいメロディが印象的で、伸びやかな音色とハーモニーが心に響きます。後半はダンスホールで社交ダンスのワルツを踊るように、3拍子の軽やかなリズムがフルートの音色にぴったりで、楽しく演奏できます。
それぞれ違う曲想の2部構成で書かれているため聴衆を最後まで楽しませてくれる作品です。コンサートや発表会に取り上げてみてはいかがでしょうか。
【中級者向け】 演奏時間:約4分45秒 (TO)

カルテットのポピュラー楽譜をお探しの方に朗報です♪(4Fl/Pic.4Fl)

ありそうでなかった、ディズニーのカルテット楽譜。
目次は以下の通りです。 “It’s a Small World” “The Jungle Book” “Pirates of The Caribbean” “Peter Pan”
演奏会などで、リクエストに挙がるディズニー・ソングですが、意外に楽譜が無くてお困りだった方が多かったのではないでしょうか?難しくはありませんがアレンジも少し凝っていて面白いと思います。演奏会に、パーティーに、持って来いの1冊です♪
(O)

楽しくアンサンブル(4Fl)

フルート・アンサンブルの曲集はたくさん出版されていますが、難易度が難しすぎたり、編曲がイマイチ…だったり、気に入ったものを探すのはなかなか大変です。今回ご紹介するこの楽譜は、有名曲ばかりを収録、しかも編曲も良いのでアンサンブルの楽しさを学ぶのにぴったりです。難易度は初級〜中級者程度。強弱記号やアーティキュレーションも細かく指示してありますし、スコア譜もついていますので、教育用としても使い勝手のいい楽譜です。合宿や部活の練習用に、また発表会に、さまざまな場面でお役立てください。
(A)

ピアノ伴奏付きのフルート四重奏曲お探しですか?(4Fl.Pf.)

ハモリはハンガリー生まれのスイスの作曲家、ピアニスト、また教育者で「フルート音楽」の教育教材シリーズの作編曲で知られています。この曲は4本のフルートとピアノのための作品で「フォックス・トロット」「ボレロ」「タンゴ」「マズルカ」「ワルツ」「スコットランド風」「サンバ」「チャールストン」の8つの舞曲からなる組曲です。楽しく、踊り出したくなるような曲がいっぱい!ピアノ伴奏が付いてよりゴージャスにフルート・アンサンブルが楽しめる事間違いなし!のこの曲、発表会や演奏会にいかがですか?
【初・中級者向け】 演奏時間:約20分 (NS)

フルート4本とピアノで。(4Fl.Pf)

W.A.モーツァルトはピアノのための変奏曲をいくつか作曲しました。1778年のパリ滞在中には4曲書かれており、その中で最も知られた名曲が「『キラキラ星』による12の変奏曲 ハ長調(キラキラ星変奏曲)」です。原題はフランスで当時流行したシャンソン「ああ、お母さん、あなたに申し上げましょう」で、若いお嬢さんがお母さんに恋人への想いを打ち明けようとする「恋歌」です。フルート用に様々な編成で楽譜が出版されています。主題はとてもやさしいメロディですが、変奏部分は技巧的になっていますので、中・上級者向けです。 こちらの楽譜は4本フルート(特殊管なし)とピアノ(またはハープ)で第6変奏がカットされ、全部で11の変奏になっています。

フルート五重奏曲(5Fl)

アラースは、1935年にハンブルグで生まれました。ほとんどすべての楽器のための無伴奏曲、室内楽曲、オーケストラ作品などを作曲しています。この曲は、トッカーティナ、ノットゥルノ、セレナータ、レチタティーヴォ、ロンディーノの5曲からなっています。1.トッカーティナは軽快な主題と技巧的なパッセージ、2.ノットゥルノ(夜想曲)は表情豊かな旋律。3.セレナータは自動オルガンのような響き、4.レチタティーヴォ(詠唱)は各自が自由に独奏し、他の全パートが応答します。5.ロンディーノは楽しく愉快な変拍子(3/8,4/8,5/8,6/8)のロンドです。
【中・上級者向け】 演奏時間:約9分 (I)

名作ミュージカルをフルートで! (5Fl//Pic.2Fl.A-fl.B-fl)

2020年はレナード・バーンスタイン没後30年に当たります。彼によって作曲されたミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」は1956年の初演から60年以上たってなお繰り返し上演され続けています。彼の代表作であるばかりでなく、20世紀の音楽の中でも最も知られた重要な作品の一つといえるでしょう。
今回ご紹介するのはその中から3曲を取り上げてフルート5重奏(ピッコロ・2フルート・アルト・バス)にしたものです。曲は
1.クール
2.あんな男
3.アメリカ
で、「トゥナイト」「マリア」などのバラードは選ばれていませんが、3曲ともジャズのスィングを感じさせる、スタイリッシュでかっこいい曲です。アレンジは原曲のイメージを損なわず、しかしクラシックの演奏会で取り上げてもおかしくないものです。複雑な拍子と美しいメロディが絡み合う面白さと、ダンサブルな曲調をお楽しみいただけると思います。
各曲5分弱くらいなので、1曲だけ取り上げることも可能です。
編曲者のリズ・カッツはイギリス人のフルーティストで自らがメンバーのロンドン・フルート・クィンテットのために編曲を手掛けています。このグループによる演奏はこちらで試聴できます。(https://soundcloud.com/liz-cutts/sets/west-side-story-for-flute)
なお、この楽譜は第1巻となっていますが、続巻の情報は今のところありません。ほかの曲の出版も待たれます。
【上級者向け】(T)

癒しの一曲(5Fl[3Fl.A-fl.B-fl])

アレクサンドル・ポルフィーリェヴィチ・ボロディンはサンクト・ペテルブルクで生まれ、化学者として活躍し、バラキレフに音楽的才能を見出されました。「ロシア五人組」の一人です。「だったん人の踊り」(オペラ「イーゴリ公」より)が有名で、よく演奏されていますのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するこの「ノットゥルノ(夜想曲)」は、もとは「弦楽四重奏曲 第2番」の第3楽章で、アルトとバスを含むフルート五重奏に編曲してあります。 シンコペーションのリズムに乗って、バス・フルートから旋律が始まります。静かながらも抒情的で大変美しく、ロシアの雄大な大地を思わせるような、心に響く1曲です。
(B)

新刊紹介 (5Fl//Fl(Pic).2Fl.A-fl.B-fl / 2Fl(Pic).4Fl.2A-fl.2B-fl)

作曲者のイアン・クラークはイギリスの現代作曲家、フルーティストで、現代奏法をクラシックにうまく取り入れたシャープでモダンな作風で人気があります。
今回ご紹介する曲は、Alry社から多くのフルート五重奏の楽譜を出版している、ヒンツェ率いるアンサンブル「Quintessenz」の委嘱によって書かれました。
タイトル通り、ちょっと不気味な雰囲気が全体を通してあり、快活なメロディとゾワゾワする部分が交錯する、刺激的でスリリングな曲です。(クラークは「ハロウィンのために書いたわけではないけど、ハロウィンに演奏するのもいいよ」と言っています)
ジェットホイッスルをはじめいくつかの特殊奏法が必要で、楽器もリングキー、H管が必要とされるなど、上級者向きの曲ですが、各パート2段になっており上級者は上の段、中級者は下の段を選んで演奏できるようになっています。
五重奏ですが人数を増やしてフルート・オーケストラでの演奏も可能です。
目新しい五重奏をお探しの方、腕自慢の仲間を誘ってぜひ挑戦してください。
【中・上級者向け】 演奏時間:約8分 (T)

テクノポップ調のアンサンブル(5Fl[4Fl.A-fl])

Flutronixはアメリカ、ニューヨークを拠点に活動している、若い女性のフルート・デュオです。二人ともクラシックの演奏家でもありますが、このデュオではポップ・アイドルのようなヴィジュアルで、打ち込みの電子音楽やパーカッションを使ったり、ボーカルも取り入れたりと、クロスオーヴァーな音楽を演奏し、ライヴやYouTube を通じて人気が出てきた注目の二人です。
「Flock」も、オリジナルはシンセサイザーの打ち込みをバックに二人で演奏したものですが、ご紹介するのはそれをフルート5重奏にアレンジした楽譜です。コンピューターミュージックらしい無機質な音形の繰り返しが不思議なノリと快感を生み、だんだん感覚が麻痺してくるような、癖になる面白さを感じさせる、今までにないアンサンブルです。美しいメロディで聞かせる曲ではないかもしれませんが、新鮮な感覚がユニークです。ありきたりの音楽にちょっと飽きた方、トライしてみてはいかがでしょうか。
現代奏法は出てきませんが、高度なアンサンブル力は必要です。
なお、オリジナルヴァージョンはFlutronixのCD 「2.0」(ID:7010)に収録されています。
【中・上級者向け】 (T)

フルート五重奏(5Fl[4Fl.A-fl])

キュットは、1956年にヴルツブルグで生まれました。ジャズ・ピアノ、ジャズの理論、作曲、編曲を学び、その後、教師・演奏家また作曲家として南ドイツで活躍しています。この曲は、巧妙なポピュラー系ラテン風リズムの組み合わせが魅力の、楽しい曲です。中間部は5番パート(アルト・フルートでも可)のシンコペーション・リズムの上に、美しい旋律が心地良く響き渡ります。演奏時間約3分とかなり短い曲ですので、アンコール曲にもどうぞ。
【中級者向け】

いつか皆さんで‥(6Fl//5Fl(2Fl.3Pic).A-fl)

今回ご紹介する曲は、「碧い月の神話」や「妖精の森」などで知られている石毛里佳さんの作曲です。
ブリンダーヴァンとはインドにある都市の名前でヒンドゥー教の聖地です。
クリシュナという神様の生誕の地で、そこには4千もの寺院があるといわれています。
この曲にはアルト・フルートのソロが多く、その特徴的な音色がブリンダーヴァンの神聖さを醸し出しています。
曲全体としてはアンダンテとアレグロの二部構成になっていて、一部はピッコロ、フルート、アルト・フルートのそれぞれの特徴を活かした旋律が美しいです。
二部では沢山の連符が登場しますが、うまく吹くことができればとても華やかに輝きます。
4分半と短い曲なので様々な場面で演奏できそうです。ぜひ皆さんでお楽しみください。
【上級者向け】演奏時間:約4分30秒(H.S.)

魔笛の序曲を6人で! (6Fl//Pic.5Fl/Pic.3Fl.A-fl.B-fl)

今回ご紹介する「魔笛」は、W.A.モーツァルトが1791年に作曲した生涯最後のオペラです。当時興行主のエマヌエル・シカネーダーが作曲を依頼しました。1791年9月30日に初演され大好評を博し、現在もとても人気がありたくさんの方に楽しまれている作品です。その中で最初に演奏されるのがこちらの序曲で、これからどんな物語が始まるのか、わくわくするような魅力的なフレーズがいっぱいです。
6重奏の編成になっているこちらの楽譜は、ピッコロとフルート3本・アルトフルート・バスフルートで演奏できますが、ピッコロとフルート5本でも演奏が可能ですので、気軽に挑戦していただける汎用性が高い楽譜となっています。
ぜひみなさんでモーツァルトの世界を堪能してくださいね。
【中・上級者向け】(OY)

あの名作を演奏してみませんか?(6Fl[4Fl.(A-fl.B-fl option)])

不朽の名作「サウンド・オブ・ミュージック」。その中で歌われている曲は、誰でも一度は耳にしたことのある曲ばかりです。それをフルート・アンサンブル用に編曲し、メドレーにしてあります。基本は4本のフルートですが、オプションでアルト・フルート、バス・フルート、コントラバスまたはファゴットを付け加えることができます。また、こちらの楽譜は、各曲の最後数小節が、“その曲で終わる場合はこちら(Fine Ending)”“次の曲につなげる場合はこちら(To Continue)”というように2種類用意されており、全曲通して演奏することも出来ますし、途中で終わることも可能です。演奏会の本編でもアンコールでも場面に合わせてご利用いただけるので便利です。
(B)

フルート6重奏で「動物の謝肉祭」(6Fl [Fl/Pic.3Fl.A-fl.B-fl])

今回はサン=サーンスの名曲、「動物の謝肉祭」のフルート6重奏版のご紹介です。全14曲からなる組曲のうち、第3曲の「ラバ」、第11曲の「ピアニスト」がカットされていますが、それ以外の12曲が収録されており、ほぼ全曲演奏できるようになっています。アルト・フルート、バス・フルートを含む6重奏で、1stフルートはピッコロに持ち替える曲があります。オプションでコントラバス・フルート、チェロ、ファゴット、またはバス・クラリネットを追加して演奏する事も可能です。12曲すべてが収録されているコンプリート版と、3分冊になっている楽譜がございますので演奏してみたい曲だけお求め頂く事もできます。タイトルに合わせて動物園を巡るようなイメージで演奏してみて下さい。サン=サーンスのユーモアあふれる世界をお楽しみいただけることでしょう。
第1巻:堂々たるライオンの行進/雌鶏と雄鶏/亀/象
第2巻:カンガルー/水族館/耳の長い登場人物/森の奥のかっこう/大きな鳥籠
第3巻:化石/白鳥/終曲
【中・上級者向け】 (NS)

ピッコロがメインの6重奏(6Fl [Pic.4Fl.A-fl])

作曲者のソレンティーノは1973年生まれのイタリア人で、2013年に40歳の若さで亡くなっています。フルートの曲も多く作曲しています。
“Undae”とはラテン語で「波」の意味で、そのタイトルとおり終始さざ波のようにひたひたと揺れ動く音形に乗った、ピッコロの軽やかで抒情的なメロディが印象的な美しい曲です。
フルート6重奏ですが、この編成には珍しく、アルトまでしか必要ありません。バスやコントラバスなどの低音楽器がなくても演奏できますので取り組みやすいのではないでしょうか、アマチュア・アンサンブルの方もぜひ挑戦してください。演奏時間は4分弱の短い曲です。
CDはまだ出ていないようですが、YouTubeにはいくつか演奏がアップされていますので、”Vincenzo Sorrentino undae”で検索して試聴なさってみてください。 【中・上級者向け】 (T)

新刊紹介(6Fl[4Fl.A-fl.B-fl])

チャイコフスキーがイタリアに滞在していた時に着想を得たためこの副題がついています。原曲は弦楽六重奏曲(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ各2)という珍しい編成ですが、弦楽合奏として演奏されることも多いようです。 タイトルはイタリア風ですが、曲はイタリアをイメージさせるようなところはなく、チャイコフスキーらしいメランコリックさとかっちりした対位法が駆使された大曲です。
4楽章形式で、いきなり迸るような疾走感で始まる第1主題が印象的な第1楽章(Allegro con spirito)、メランコリックなカンティレーナが甘美な第2楽章(Adagio cantabile e con moto)、イタリアというよりはロシア民謡風な響きが面白い第3楽章(Allegretto moderato)、室内楽よりむしろ交響曲を思わせる壮大さのある第4楽章(Allegro con brio e vivace)からなり、どこを取ってもチャイコフスキー節が溢れる、晩年の隠れた名曲です。
フルートで演奏するには動きも早く難しいところもありますが、その分やりがいのある曲です。全曲では30分を超える曲ですので、一つの楽章だけ取り上げてもいいでしょう。編曲者のレインフォードは6人ではなくフルートオーケストラでの演奏が、音の厚みや息継ぎの点からも好ましいとしています。ぜひ大編成の合奏でトライしてください。
(上級者向け)(T)

「西部の情景」(6Fl)

曲名の通り、西部の情景を3つの楽章で表現しています。西部劇のシーンを思い浮かべながら演奏してください。演奏する人、聴く人も楽しくなるアンサンブル曲です。演奏時間は5分位です。楽譜には特殊フルートの使用でも演奏できる様に書かれていますが、皆さんお持ちのフルート、6本(C管)で演奏出来ます。
【中・高校生、アマチュア初級者向け】 (Y)

フルート・オーケストラの草分け、廣瀬量平の一曲(7Fl[4Fl.2A-fl.B-fl])

2008年に亡くなった作曲者の廣瀬量平は、管弦楽、室内楽、合唱、邦楽など多彩な分野で活躍しましたが、フルート・オーケストラというジャンルがまだあまり一般的に知られていなかったころから積極的に取り組み、「ブルー・トレイン」「マリン・シティ」など草分けとなる名曲を生み出してフルート界にも貢献しています。
今回ご紹介する曲は、彼の混声合唱曲「海の詩」と「海鳥の詩」の中から『海はなかった』『エトピリカ』『海の子守歌』の3曲をフルート・オーケストラ用に編曲したものです。特に1曲目の『海はなかった』は1975年NHK学校音楽コンクールの課題曲になったこともあり、音楽の授業で歌ったことや聴いたことがある人も多いのではないでしょうか。 編曲では伴奏のピアノ・パートもフルートに取り込まれていますので、原曲とは多少趣は変わりますが、廣瀬らしい繊細でかつ力強いメロディーの魅力をぜひアンサンブルでもお楽しみください。
【中・上級者向け】 (T)

みんなが主役です♪(7Fl/Pic.5Fl.A-fl)

モーリーは1911年生まれのアメリカの作曲家です。 主題と7つの変奏(最後に再び主題)からなっています。転調あり変拍子あり、さらに1か所だけですがフラッターの指定もあり、なかなか吹きごたえのある作品です。
この曲の最大の特徴は、タイトル通り「チェンジ」です。楽譜に各奏者の最初の立ち位置が記載されていて、主題及び変奏が終わるたび反時計回りに移動するよう指定されています。奏者がステージ上でぐるぐる位置をかえながら吹く様子は、見た目にも楽しめるのではないでしょうか。
なお、パート譜は各パートの楽譜ではなく、各立ち位置の楽譜ですのでご注意下さい!(楽譜にはSOLO STAND、1ST STAND、2ND STAND・・・と記載されています。)
【中級〜上級者向け】演奏時間:約11分 (I)

クリスマス・オラトリオ(7Fl[2Solo-fl.3Fl.A-fl.B-fl(F.CHOIR)])

みなさんはクリスマスをどのようにお過ごしでしょうか。 街は楽しい雰囲気に包まれて、どこからともなくクリスマスソングが流れ、ドキドキ、ワクワクしますね。クリスマスソングには華やかで陽気な曲調のものからしっとりと心に染み入るものまで、さまざまあります。その中で今回ご紹介したいのは、サン=サーンス作曲の「クリスマス・オラトリオ」です。
この曲は、サン=サーンスが1857年フランス・マドレーヌ教会のオルガニストとして就任した翌年に作曲されおり、オルガンの響きが印象的な作品です。オリジナルは、5人のソリスト(歌)、合唱、ハープ、オルガン、弦楽の編成で、全10曲の構成です。
この楽譜は、Bruce Behnke氏によって7重奏(2Solo-fl.3Fl.A-fl.B-fl)に編曲されており、全10曲のうちの、第1曲目:プレリュード(バッハのスタイルで)と第10曲目:コラールの2曲が収録されています。
第1曲目:プレリュード(バッハのスタイルで)は、12/8拍子、オルガン・ソロがテーマを演奏し、弦楽が加わっていきますが、そのハーモニーは聴いている人を優しく包み込み、この曲に引き込まれていきます。低音の重厚感はバス・フルートで再現されおり、奥行きのある編曲となっています。
第10曲目:コラールでは、1stソロにピッコロの持ち替えがあり、全パートで奏でるハーモニーは美しく心に響くことでしょう。
全曲聴くのもおすすめの1曲です。フルート・アンサンブルのレパートリーに加えていただけると嬉しいです。
【中級者向け】 (TO)

多才な音楽家、フランソワ・グロリュー(8Fl//Solo-Fl.3Fl.2A-fl.B-fl.Cb-fl)

フランソワ・グロリュー(1932− )は、ベルギーのコルトレイク出身のピアニスト、作曲家、指揮者で、母国ベルギーのゲント王立音楽院室内楽の教授、アメリカのイェール大学の客員教授を務めるなど、国際的に活躍する多才な音楽家のひとりです。ビートルズの名曲を「ショパン風」「モーツァルト風」「バッハ風」などクラシックの作曲家が書いたようなピアノ曲にアレンジしたり、マイケル・ジャクソンからの依頼でアレンジするなど、編曲も数多く行い、活動は多岐にわたります。
今回紹介するこの「間奏曲」は、原曲はフルートと弦楽オーケストラのための作品です。編曲者のマット・ジョンストンは、弦楽器特有の演奏効果をフルート・オーケストラで発揮するにあたり、ウィスパー・トーンやハーモニクスなどを用いており、その説明も序文に記載されています。どれも2分〜3分ほどの小品です。コントラバス・フルートまで使用するフルート・オーケストラで、ソリストとともに楽しく演奏してください。
【中・上級者向け】 演奏時間:約20分 (B)

C管フルート8本でのアンサンブル!(8Fl.)

フルートアンサンブルでは珍しい、8本のC管フルートを使用した楽曲です(1stフルートはPiccoloへの持ち替えがあります)。モーツァルトの魔笛に登場する“タミーノ”の音楽帳、と題したこの曲は、冒頭から明るく可愛らしい印象を強く感じ取ることができます。効果的な音の聴こえ方を、各パートそれぞれの立ち位置の場所から最大限に引き出しています。
第1楽章:Polka 軽やかな導入により、曲が明るく、躍動感を感じることが出来ます。
第2楽章:Minuetto ぽかぽかとした昼下がりのような曲。
第3楽章:Galopp 入り組んだ(ような)音型で、まさにタイトルの通り駆け足でクライマックスに向かいます。
この曲は、1991年1月25日ミュンヘンに於いて、ベネット、グラーフ、ヘンケル、ワイ、デボスト、シュルツ、ウィルソン、アドリアンの超豪華メンバーで初演されました。
【中級者向け】 (H)

心洗われる美しい響き!(8Fl.)

W.A.モーツァルト晩年の傑作である讃美歌「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。1791年6月17日にバーデンで、彼の友人でもあった合唱指揮者のアントン・シュトルのために作曲されました。もとは合唱、弦楽、オルガンのシンプルな編成ですが、今回ご紹介する楽譜は弦楽で演奏される部分がSoloパート4つに、合唱の部分がTuttiパート4つに分けられており、計8本で演奏が出来ます。
長さはわずか46小節ですが、自然な流れの中での転調や澄み切った美しい響きに魅了される作品です。速さはゆったりとしたAdagioで、細かい音符もないため初心者の方も挑戦しやすいのではないでしょうか。演奏会のアンコール等でも、透き通った清らかな音色で締めくくることができるのでおすすめです。
【初級者向け】 演奏時間:約3分30秒 (OY)

ゆったりボサノヴァの名曲を(9Fl//Pic.5Fl.A-fl.B-fl.Cb-fl)

アントニオ・カルロス・ジョビンの「イパネマの娘」は、おそらく聞いたことのない人はいない、ボサ・ノヴァを代表する名曲というだけでなく、ビートルズの「イエスタディ」などに次いで世界中でもっとも多くカヴァーされたポピュラー音楽の名曲として、作られてから50年以上にわたって衰えない人気のある曲です。
歌詞はブラジルのイパネマ海岸を歩く美少女をうたったものですが、親しみやすくさわやかなメロディだけでも十分に魅力的です。特に夏のけだるい午後などに聞くのにぴったりだと思います。
今回ご紹介する楽譜は、このよく知られた原曲のイメージを損なうことなくフルート・オーケストラ用に編曲してあります。テクニック的には難しい曲ではありませんので、アマチュアのアンサンブルでも楽しみながら演奏していただけると思います。肩の凝らないサロン・コンサートなどに使ってみてもいいのではないでしょうか。ゆったりとしたボサ・ノヴァのムードに浸ってみてください。
【初級者向け】演奏時間:約3分 (T)

合奏協奏曲でパパゲーノのアリアを(10Fl[Pic(Solo).3Fl(Solo).A-fl(Solo).B-fl(Solo).4Fl(Tutti)])

作曲者のグレーテンは1964年ルクセンブルグ生まれの現代作曲家。ソロからオーケストラ曲、宗教音楽まで幅広く作曲をしています。フルートの曲も何曲かあり、その中で今回ご紹介するのはご存知モーツァルトの歌劇「魔笛」から、鳥刺しのパパゲーノが歌う曲を取り上げて接続した曲です。
曲は有名なアリア「おいらは鳥刺し」に始まり、「恋人か女房か」、パパゲーナとの二重唱などが次々に現れますが、原曲そのままではなくちょっとひねったアレンジで、陽気なパパゲーノがなんだか不安そうだったり、もの悲しげに聞こえたり、と随所に作曲家のスパイスが効いた楽しく面白い曲になっています。
また、ユニークなのは編成で、4Fl編成のトゥッティと、Pic.3Fl.A-fl.B-flからなるソリによる、コンチェルト・グロッソです。フルート合奏では比較的珍しい編成かもしれません。大人数のアンサンブルで演奏してみてください。
(中上級向き)(T)

忘れられた19世紀フランス・オペラ6(10Fl//Pic.5Fl.2A-fl.B-fl.Cb-fl)

歌劇《ル・シッド》よりバレエ組曲
19世紀フランスを代表するオペラ作曲家の一人として知られるジュール・マスネ(1842-1912)ですが、それでも彼の代表作である《マノン》(1884年初演)に《ウェルテル》(1892年初演)、そして「タイスの瞑想曲」で有名な《タイス》(1894年初演)など、全曲が日本で上演されることが少ないのは残念なことです。今回は彼の作品の中から、《ル・シッド》を取り上げます。
《ル・シッド》は1885年に初演された4幕からなるグランド・オペラで、第2幕第2場の冒頭にあるバレエの場面が有名で、組曲として単独で取り上げられることも多い曲です。物語は、1961年公開のアンソニー・マン監督の映画『エル・シド』で有名な、ロドリーゴ・ディアス・デ・ビバール(通称エル・シッド、フランス語名ル・シッド)の生涯を基にしています。スペインにおけるレコンキスタの時代、イスラム教徒と戦った英雄ル・シッドは騎士の称号を与えられ、その父ドン・ディエーグも皇太子の近衛隊長に昇進を果たします。同じポストを狙っていたのがル・シッドに恋心を寄せるシメーヌの父ゴルマ伯爵、彼がドン・ディエーグを侮辱したことからル・シッドが復讐することになり、シメーヌとの関係は複雑なものとなります。しかし、新たにイスラム教徒からの宣戦布告があり、出陣して見事勝利を収めたル・シッドはシメーヌの許しを得、二人は結ばれてハッピーエンドとなります。
レコンキスタとはスペインのイスラム教徒からの国土回復運動を指しますが、スペインはイスラム教徒の支配の時代にその文化の影響を受け、「オリエント」の雰囲気を現在にまでとどめており、ヨーロッパの人々にとっては異国情緒あふれる国でした。そのため、19世紀から20世紀にかけて、音楽の世界においてもスペイン趣味が流行しました。フランスのオペラ作品だけ見ても、ビゼーの《カルメン》(1875年初演)やラヴェルの《スペインの時》(1911年初演)など枚挙にいとまがありません。
今回ご紹介する編曲では、原曲のバレエ曲の中から終曲のナヴァレーズが外され、元は第3曲のアラゴネーズが最後に据えられて、カスティラーヌ、アンダルーズ、オーバード(朝の歌)、カタラーヌ、マドリレーヌ、アラゴネーズの順に収録されています。タイトルから見てもスペイン起源の舞踊曲が並んでおり、これだけでもオペラの情熱的な雰囲気が十分楽しめます。
(2021年8月記) (M.N.)

忘れられた19世紀フランス・オペラ1→楽譜ID:26347(ボルヌ/「アフリカの女」による華麗なファンタジー )
忘れられた19世紀フランス・オペラ2→楽譜ID:30704(ドップラー/オペラ・フェイヴァリッツ 第2巻 )
忘れられた19世紀フランス・オペラ3→楽譜ID:26588(タファネル/「ニヴェルのジャン」によるファンタジー)
忘れられた19世紀フランス・オペラ4→楽譜ID:24355(サン=サーンス/パヴァーヌ&夕べの夢 )
忘れられた19世紀フランス・オペラ5→楽譜ID:25608(タファネル/「フランチェスカ・ダ・リミニ」によるファンタジー(ベルノルド編))
忘れられた19世紀フランス・オペラ6→楽譜ID:24046(マスネ/バレエ組曲「ル・シッドより」)
忘れられた19世紀フランス・オペラ7→楽譜ID:20970(グノー/「ロメオとジュリエット」(グノー)によるファンタジー 第2番)
忘れられた19世紀フランス・オペラ8→楽譜ID:30070(ビゼー/耳に残るは君の歌声(歌劇「真珠採り」より))
忘れられた19世紀フランス・オペラ9→楽譜ID:27579(ボワエルデュー/曲集「バグダットの回教国の王」より )

出版社Falls Houseからのながめ(11Fl//Pic.8Fl.A-fl.B-fl(Fl. Choir))

今回ご紹介する「Views from Falls House」は、フルーティスト兼作曲家のG.ショッカーによりアメリカのナシュアフルートオーケストラのために作曲されました。
この曲はソーントン・ワイルダーの戯曲「Our Town(邦題:わが町)」からインスパイアを受けています。「わが町」はアメリカ・ニューハンプシャー州の小さな町を舞台に、どこにでもある日常の中でかけがえのないものを見つけていく・・・そんなお話です。
題名になっている「Falls House」というのはこの楽譜の出版社のことで、その所在地は「わが町」の舞台と同じニューハンプシャー州です。
曲の構成は四季を表した5つの楽章に分かれています。
T「今、春の盛り」ジョン・フレッチャーの詩から名付けられています。
日本人が想像する桜が咲いている春とは少し違った雰囲気です。
U「ピクニックには暑すぎる」けだるげなワルツです。
V「枯葉が落ち始める時」その名の通りジャズのスタンダード・ナンバーの「枯葉」に似た特徴が見られます。
W「信徒たち」フルートによる祈りが捧げられています。
X「祝祭」賑やかなお祭りの音楽です。
ヴィヴァルディの「四季」、ピアソラの「ブエノスアイレスの四季」など、季節を題材とした作品は他にもありますが、またそれらとは違った雰囲気の曲です。
【中・上級者向け】 (M.R.)

一度聴いたら忘れられない!12Fl//Pic(Fl).6Fl.2A-Fl.2B-fl.Cb-fl

19世紀ドイツの作曲家で三大Bとも称されるヨハネス・ブラームス。
1870年に知人のカール・フェルディナント・ポールを通して、ハイドン作とされる「聖アントニウスのコラール」の旋律を知ったブラームスが、変奏曲の主題に用いて作曲したのがこの「ハイドンの主題による変奏曲」です。先に2台ピアノの編成で作曲をし、推敲を重ねて管弦楽版が完成しました。今回ご紹介するのはフルートオーケストラの編成で、12パートあるため迫力のある演奏が楽しめます。
まず、変ロ長調の温かみのある主題が提示され、第1変奏は一定のリズムが刻まれ、その上に流れるようなメロディが奏でられます。第3変奏では息の長い穏やかなフレーズが印象的で、時々顔をのぞかせる16分音符の可愛いかけ合いにも耳を傾けてみてください。終盤にさしかかる第7変奏は、付点のリズムに乗って優しく包み込むような旋律に心が洗われます。第8変奏まで続いた後の終曲は壮大なパッサカリアで、低音パートから始まる5小節単位の主題は何度も何度も繰り返されます。締めくくりにそれぞれのパートが折り重なって奏でるff(フォルティッシモ)は圧巻です!
聴きやすい曲ですので、演奏会のプログラムにもぜひ取り入れてみてくださいね。
【中級者向け】(OY)
2本フルート/2本フルートとピアノ/3本フルート/4本フルート/5本フルート以上/