解説
この曲は組曲形式で書かれ、第2曲を除き三部形式の5つの小品から構成されます。T.「呪文」(Fl.AFl.BFl.CBFl.)はほとんど縦線が無い記譜法で書かれ、互いのフレーズを聞き合わせの即興により合わせます。バスとコントラバス・フルートが持続5度音程(A-E)で響く中にアルト・フルートが実音 [Fis] を基音とした神秘的旋律を即興的に奏で、フルートも加わり [H] が基音の旋律を奏で、全体で [C-Fis-H-E] 4度累積和音を形成します。後半では楽器編成が逆転し、更に現代的に変化します。U.「ためらいがち」(Fl/Pic.Fl.Fl/BFl. AFl/CBFl.)は躊躇する楽句が前奏、間奏、後奏で奏でられ、その間に軽妙な2つのガヴォット主題が曲芸舞踏の如く飛翔します。V.「夜の音楽」(Fl.AFl.BFl.CBFl.)は低音楽器の幻想的な響きに包まれた夜の静寂に、神秘的な現代的旋律をフルート、次にアルト・フルートが奏でます。W.「間奏曲」(2Pic.2AFl.)は2本のアルト・フルートがリレーして16分音符の無窮動的動機(7/8)を終りまで繋ぎ、その上に平行5度進行の2本のピッコロが軽妙に曲芸舞踏を踊ります。X.「スケルツォ」(2Fl.2AFl.)は、奇妙なリズム(2/4)とアーティキュレーションを背景に無窮動的16分音符動機が爆走し、中間部は跳躍ダンスが舞い、コーダは変拍子で乱舞します。(解説:佐野悦郎)ニュース
関連サイト
注文ボタンのない商品につきましては、右上の「お問い合わせ」よりお願いします。