解説
2016年のNFA(全米フルート協会)のコンヴェンションの低音フルート委員会から委嘱された作品で、4つの曲で構成された愉快なトリオです。【Triodes】は音を増幅するアンプなどに使われる三極の真空管で、熱をもつ暖かいオレンジ色の光を放ち、現在よく使われているトランジスタのアンプの冷たい音と対照的な音を出すといわれていますが、ここでは「低音フルート三管の気まぐれトリオ」です。I.「Screw Loose and Fancy Free」4/4=(2/8+3/8+3/8)[a]は「緩んだネジ」と「自由気まま」の意味です。変拍子風のラテン・タンゴ・リズムに乗り、哀愁のメロディーを歌い、嘆きます。II.「Embryon」3/4 [A]は生命の源である「胚」のことです。生命誕生の揺り籠に揺られて神秘的なワルツが舞われます。III.「Zaffer」6/8[g]は錬金術的物質の、コバルト鉱石を焙煎して生まれる濃いブルーの顔料「ザッフル」のことで、中世においては青のステンドグラスの着色物質です。魅惑的なブルースが心に響きます。IV.「Baroquen Red Lights」4/4[a]はバロックとロックンロールの合成造語のようです。また「Red Lights(赤色灯)」 は超常現象を描いた映画等からの引用でしょうか。バロック風リズムでロック調ダンスが軽妙に踊られます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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