解説
E.ボザ (1905-1991) は加速する現代音楽に対応して、現代特殊奏法を含む種々の管楽器の為に2つのシリーズの練習曲の作曲に取り掛かりました。最初のシリーズ 『KARNATIQUES』 は (fl, ob, cl, bn, trp, trb) の為に1972-3年に、次のシリーズ 『GRAPHISMES 図形楽譜』 は (fl, ob, cl, hr, trp, trb) の為に1975-6年に作曲、出版されています。前者の 『カルナティック旋法による10の練習曲』 (1973) は専門家の [最上級現代音楽練習曲] として活用されている大変難しい練習曲です。標題の [KARNATIC] (英) とは [Karnataka (カルナータカ) ] インド共和国南部の州名 (デカン高原と西海岸にまたがる地域) を指す語に由来するもので、E.ボザはこの地方の古典音楽 (カルナータカ音楽) に使われている旋法 (モード)、即興性、リズム等を素材に取り入れ、複雑なリズムの変拍子の曲や小節縦線が無い自由でインプロヴィゼーション風な10曲からなる現代練習曲を完成させたのです。また、特殊奏法として 〈四分音 (全音の1/4音程) 〉 〈グリッサンド〉 〈フラッター・タンギング〉 etc、が使われており、前記の 『図形楽譜』 と共に現代音楽演奏に際し大変重要な示唆を与えてくれます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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