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裕福なユダヤ系の名門家系に生まれたメンデルスゾーンは、幼いころから、音楽、美術、文学に天分を発揮しました。両親の慎重な教育計画によって、ベルリンの一流芸術家、学者から一般教養、ピアノ、ヴァイオリンを習い始めた後、1819年よりツェルターに作曲と音楽理論を学びました。ツェルターからはバッハの対位法とモーツァルトの様式を理想とする教育を受けたほか、ツェルターと親交のあったワイマールの文豪ゲーテと会う機会を与えられるなど、計り知れない影響を受けました。両親は私的な音楽会を催してメンデスゾーンの作品を披露する機会をつくり、12歳から14歳の間に弦楽シンフォニア13曲が演奏されました。「ソナタ ヘ短調」作品4は、14歳の作曲で、メンデルスゾーンの神童ぶりを伝える作品です。原曲はヴァイオリンとピアノのための作品ですが、1864年には、アルテスの校訂によりフルート版の楽譜も出版されました。第1楽章はソロのモノローグで始まり、Allegro moderatoのデリケートな旋律がロマン派の息吹を伝えています。第2楽章Poco adagio変イ長調に転じ、悠揚迫らぬ音楽。第3楽章Allegro agitato転調を使って機転の利いた効果を上げています。フルートで演奏する場合、原曲を損なわないよう音域を注意深く選ぶ必要があるでしょう。スタッフより
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