解説
上林裕子は京都市出身の作曲家。京都市芸術大学作曲科卒業後、1998年よりフランスに移住して作曲を続けています。演奏家から得たインスピレーションを元に書かれた作品が多く、名だたる演奏家によって欧米でも演奏の機会が増えています。フルートのためにも様々な編成の作品が出版されています。独奏フルートのための「廃墟の風」は、悠久の風景を描き出した作品。1998年に清水信貴氏によって初演された後、パリのLEMOINE社より出版されました。ゆっくりとした歩みと共に始まるこの曲は、廃墟となった僧院を通り過ぎていく風を魅力的に表現しています。途中、視点を空に転じて一挙に世界が広くなり、また、地面に視点を落とした後、ひらひらと蝶が行き交うような音型が続き、高まりを迎えた後に静かな世界へと帰っていく。中間に登場するひらひらとした音型が、遠くドビュッシーの「シランクス」にも登場する五音音階を思い出させます。ニュース
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