解説
ギター音楽の名曲で知られたM.カステルヌオーヴォ=テデスコはイタリア生まれのユダヤ系の作曲家、ピアニストです。ファシスト政権から逃れるため、第2次世界大戦前の1939年にアメリカに避難して多彩なジャンルの音楽を書き残し、またハリウッドに出掛けて映画音楽までも手がけました。この喜遊曲(1945)は3楽章構成で書かれ、対位法的書法の舞踏風旋律の響きが印象的です。第1楽章 2/4 [F] はソナタ形式で書かれ、第1主題は優美な愛らしい下行舞踏旋律が随所で模倣され連続し転調します。第2主題は5度音程内の甘味な音階旋律が転調を重ねます。展開部は第1主題が模倣され、オクターヴ跳躍が4声体を築き躍動します。第2楽章 6/8 [a-A] は哀愁のシチリアーノ主題が終始一貫して色彩を変えながら美しく流れます。対旋律は声部(1st.&2nd.)を変えて華やかに踊ります。第3楽章 3/8 [d] は分散和音動機のスケルツォ舞曲が元気に活動し、中間部は優美なレガート旋律が舞い、半音階的下行音階と交錯します。短いカデンツァを経て、スケツツォ主題が再現し、フガート主題となり模倣され、躍動します。コーダは主題要素が束となり華やかに終演です。 (解説:佐野悦郎)スタッフより
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