解説
M.べンスドルフはデンマークの現代作曲家です。この三重奏曲は葛飾北斎の版画「鯉の滝登り」から霊感を得て作曲されました。単なる描写音楽ではない音のオブジェが次々と湧き上がる「神秘的音響詩」です。その音素材は現代奏法、4度累積和音、五音階(陽旋法)、半音音階、全音階等です。前奏は特殊奏法(鍵打音と息音)で主題を暗示し、第1フルートのソロで4度和音主題が奏でられ、続いてアルト・フルートが陽旋法旋律[Des.Es.Ges.As.B]を奏でます。次は五音階[C.D.Es.G.A]のオブジェで、トレモロに4度累積和音動機が激しく飛び散り、3連符の4度累積和音動機がリレーされます。滝の流れは上下行半音階と全音音階で表現され、力強いファンファーレ風主題が「鯉の滝登り」を暗示させます。滝の流れとしぶきが「16音符の半音的動機な音群」で描かれる中、B音のオクターヴ跳躍動機が全音域でフラッター音を交えて乱舞し、身を奮い立たせて滝登りに挑む鯉を連想させます。後半では、全休符を挟み前半に現れた動機断片楽句が幾重にも現れます。最後は静寂の中、倍音の五音階が1音毎に分担奏され、消えていきます。(解説/佐野悦郎)ニュース
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