解説
G.マーツはドイツの現代作曲家、指揮者です。ヒトラーユーゲントの指導者であったため、戦後は米軍監視下に置かれ、作品はあまり陽の目を見ませんでした。このヒンデミット風の「Tripartita」(1967)は、全3楽章構成で、第1楽章は特徴的な3つの主題がおよそ20小節毎に2回現れる構造です。第1主要主題は力強く牽引するピアノ伴奏に、フルートが束になって行進曲風断片動機を刻み、第2の副次的主題は伴奏の連続反進行する空虚5度和音上に静かに断片動機主題が応答します。第3コラール風主題は現代的響きで3回模倣されます。第2楽章3/4は静寂の中に、第1楽章のコラール風主題がゆっくりと奏でられ、徐々に各パートに模倣され、現代的な十二音的な半音階旋律の綾が生まれます。第3楽章は主題と9つの変奏で、その主題にはヴルビウス・メルヒオールの聖歌「明るき太陽が今ぞ輝き」が使われています。主題はユニゾンで提示され、Var.Iは鍵盤独奏の模倣旋律、Var.IIは3声部フルートの軽妙な行進曲、Var.IIIは左手主題の鍵盤独奏、 Var.IVは4声部で主題と対旋律の対話、Var.V 5/4では鍵盤楽器とフルートの協奏、Var.VIは対旋律(Var.IV)の模倣、Var.VII 6/4は急速な舞曲、Var.VIII 8/9はジーグ風の半音違いのカノン、Var.IXは第1楽章主題回帰とコーダで終演します。(解説/佐野悦郎)スタッフより
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