スタッフのおすすめ「フルートソロ、エチュード」(Flソロ)

このコーナーでは、ムラマツのスタッフが、長年の経験から「これは!」と思う楽譜を、その目的や内容の解説付きでご紹介します。
定期的にご紹介する楽譜を更新して行きますので、皆様の目的に応じた「使える」楽譜が見つかることと思います。

メモリアル「マルコム・アーノルド」(Fl)

マルコム・アーノルド(1921〜2006)は、20世紀を代表するイギリスの作曲家で、交響曲、バレエ、室内楽作品など数多くの作品を残しています。また映画史に残る映画音楽を担当し、作品を彩る名曲が生まれました。元はロンドン・フィルハーモニー管弦楽団のトランペット奏者で、優れた演奏家でしたが、徐々に作曲へ専念するようになります。色彩豊かで親しみやすいスタイルが多く、それらの作品は管楽器、打楽器が効果的に使われ聴き応えがあります。フルート作品では、フルート・ソロから弦楽器、管楽器のアンサンブルなど様々な編成で多数作曲されているため、フルートでもアーノルドの楽曲を楽しむことができます。
コンクールの課題曲として作曲された「無伴奏フルートのためのファンタジー op.89」は、最初のメロディでこの曲に惹きつけられ、中間部でリズムを変えて再び現れます。神秘的なメロディは、この作品を印象付けるフレーズとなっています。Vivace e molto ritmicoからは疾走感があり、フルートらしい音色の軽やかさ、中低音の響き、そして様々な技巧など、アーノルドがフルートついてよく理解していたことがうかがえます。音の跳躍や強弱など技巧的に難しい箇所もありますが、この機会にアーノルド作品に触れてみてはいかがでしょうか。
【中級者向け】 演奏時間:約4分30秒(TO)

J.S.バッハの無伴奏フルート用編曲楽譜

今では偽作説が有力な、J.S.バッハの「フルート・ソナタ ハ長調 BWV 1033」は、最近の研究では、元々は通奏低音なしで作曲され、後から通奏低音が付け加えられたともいわれています。この楽譜はその通奏低音を外し、さらにチェンバロの右手の動きが書き込んである「メヌエット」については、フルート・パートとチェンバロ・パートを組み合わせて(ほとんどはチェンバロ)直してあります。1、2楽章はアンコールにもよく使われますし、無伴奏の新しいレパートリーとして活用範囲の広い楽譜です。(「無伴奏パルティータ イ短調 BWV 1013」付き)
(SR)
ヴァイオリンの6曲に対応するかのように、バッハはチェロのために6つの無伴奏組曲を書きました。楽器の性質上、ヴァイオリンほどの複雑な声部のからみが無いことから、こちらの方がフルートに編曲し易く、以前から楽譜が出版されていました。ヴァイオリンの方は全楽章をフルート用に編曲するのは、さすがに無理のようですが、チェロ組曲は全楽章がフルート用になっています。昔からZIMMERMANN社のバラ売りの楽譜が使われていましたが、ここでご紹介するのはフランスの音楽学者で、リコーダー、トラヴェルソ、クラリネットの演奏家でもあるジャン=クロード・ヴェイヤンが編曲した1冊での全曲版で、大変お買い得になっています。無伴奏ヴァイオリンに挑戦する前に、こちらで小手調べといった感じでしょうか。
(SR)
【調性はZIMMERMANN版同様、6曲とも原曲のチェロ組曲と同じ調性(ト長調/ニ短調/ハ長調/変ホ長調/ハ短調/ニ長調)です。】
■ソナタ 第1番 ト長調【1.Allegro assai [Sonata III C-dur, BWV 1005]/2.Gavotte en Rondeau 3.Menuet 4.Bouree 5.Gigue [Partita III E-dur, BWV 1006]】
■ソナタ 第2番 ト短調(3楽章:変ロ長調)【1.Allemande 2.Corrente [Partita II d-moll, BWV 1004]/3.Largo [Sonata III C-dur, BWV 1005]/4.Giga [Partita II d-moll, BWV 1004]】
■ソナタ 第3番 ニ短調【1.Allegro [Sonata II a-moll, BWV 1003]/2.Sarabande/3.Tempo de Borea [Partita I h-moll, BWV 1002]/4.Presto [Sonata I g-moll, BWV 1001]】J.S.バッハは無伴奏ヴァイオリンのために6曲、「3つのソナタ」と「3つのパルティータ」を書き残しました。ソナタと題された3曲は、緩−急−緩−急という「室内ソナタ」の形で作られ、パルテーィタの方は様々な舞曲を組み合わせた形になっています。編曲者のペーター=ルーカス・グラーフは、これら6曲の中から各曲の楽章を抜粋して組み合わせ、それぞれ5楽章、4楽章、4楽章の3曲のソナタに編曲しています。単旋律の楽器フルートで、複雑な声部のからみをもったこれらの曲を演奏するのはスリリングで魅力的です。
(SR)

J.S.バッハの無伴奏フルート用編曲楽譜 その2

バッハの「無伴奏ヴァイオリンのための3つのソナタと3つのパルティータ」は、古今のヴァイオリンの作品の中でも最高峰に位置する名曲です。当然、その音楽の解釈や演奏も大変高度なものですが、それをあえてフルート用に編曲するのは何故でしょうか。それは、これらの曲があらゆる楽器のための音楽の中でも格段に魅力のある曲であることと、本来のフルートのための音楽には無い、別の技術的難問に挑戦する面白さではないでしょうか。この楽譜は、その中からパルティータの第2番の全曲を編曲したものですが、最終楽章の長大で威厳に満ちた、そしてアンナ=マグダレーナへの追悼の意を込めたといわれる「シャコンヌ」を、1本のフルートだけで演奏することは、吹き手にとって厳しくはあっても、手応えのある充実した経験となるでしょう。
(SR)
「バロック音楽の演奏解釈」という本でも知られる、フランスのリコーダー、トラヴェルソ、クラリネット奏者で、研究者でもあるジャン=クロード・ヴェイヤンが編集・編曲した「バッハ練習曲」です。大半はオルガンのための「プレリュード」「トッカータ」「ファンタジー」をそのまま無伴奏フルート用に編曲してあり、あとは「ペダル練習曲(PEDAL-EXERCITIUM)」と呼ばれるオルガンの足鍵盤のための練習曲、チェンバロのための「プレリュード」や「トッカータ」で構成されていて、練習曲としてもかなり高度な内容となっています。
(SR)
ジャン=クロード・ヴェイヤンのバッハ編曲シリーズ第2弾は、バッハのオルガン作品の中でも最もよく知られている「トッカータとフーガ ニ短調」を原調のまま全曲編曲したものです。この曲は一説によると、元々は無伴奏ヴァイオリンのために書かれたとも言われており、それを基にさらにフルート用の編曲をするということも頷けます。またこの楽譜の後半は、チェンバロの名曲「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調」から、「幻想曲」のみをロ短調に移調して編曲してあります。ヴェイヤンの「バッハ練習曲」を終わらせたら、次はこの楽譜に挑戦といったところでしょうか。もちろん、腕に覚えのある方は、最初からこの楽譜に挑んでも全く問題はありません。
(SR)

一人フルートを楽しむ方にお勧めの一曲です(Fl)

ハインリヒ・イグナツ・フランツ・フォン・ビーバーという名前は、フルーティストにとってあまり馴染みが無いかもしれません。ボヘミア出身でバロックの中期にオーストリアからドイツにかけて活躍した“ヴァイオリニスト”ですから当然とも言えます。でも、この人、現代にいたるまでの弦楽器の様々な特殊な奏法の多くを作り上げたと言ってもいい人です。描写音楽で知られ、指板と弦の間に紙を挟んで弾かせてみたり、弦を引っ張り上げて指板にぶつけてみたり、4半音のようなポルタメント等々、様々な事物や動物を表現するためにあらゆる手を使った人です。
もちろんシリアスな曲も数多く書いています。その中でも代表作といえば、ヴァイオリンと通奏低音のための「ロザリオのソナタ」と呼ばれるソナタ集です。この曲集の中の15曲のソナタの最後についているのが無伴奏ヴァイオリンのための「パッサカリア ト短調」、この楽譜の原曲で原調のままの編曲です。
バロック時代には器楽の無伴奏作品が作られるようになってきますが、この曲、J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番」の中の「シャコンヌ」と双璧をなすとまで言われている充実した、しかも難曲です。そしてシャコンヌもパッサカリアも3拍子と言われる中で、この曲は6/8で1小節を2つにとる変わり種。テレマンの「12のファンタジー」、バッハの「無伴奏チェロ組曲」や「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」の他に何か名曲はと思う方にお勧めします。
フルートにとって、ほとんどの部分が3声で書かれている曲を、3声らしく聴かせるのは、楽譜の見た目以上に難しいと思います。ヴァイオリニストになったつもりで演奏するもよし、フルート独自の演奏を目指してもよし、興味のつきない楽譜です。
【中・上級者向け】 (SR)

想像上の(?)組曲 (Fl solo)

ヨハン・マルティン・ブロホヴィッツ(1687–1742)は、バロック時代のドイツで活躍した管楽器奏者(オーボエとフルート)で作曲家でした。その作品はJ.S.バッハの「無伴奏フルート・パルティータ」にも影響を与えたのではないか(?)とも言われています。このブロホヴィッツの舞曲のいくつかが、J.J.クヴァンツが書き残した「カプリス」の中にも入っています。
この「組曲」は、「カプリス」の中に含まれているNo.45「アルマンド」、No.42「クーラント」、No.43「サラバンドと4つのドゥーブル」、No.57「ジガ」の4曲を選び、当時の組曲の楽章順に並べて再構成した“空想上の組曲”です。なんとファクシミリ付き!!
バッハのパルティータですらブレスが取れないなどと言っているアナタ。大変ですよ〜。当時のドイツの管楽器奏者たちはどのような肺活量だったのでしょうか? または、ブレスが得意だったのか??
編纂・校訂に当たっているアンナ・ガーツリー=ヴァールグレンは故パウル・マイゼンに教えを受け、2017年までライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で首席代理を務めた後、現在はフェリックス・メンデルスゾーン=バルトルディ音楽院で教鞭をとるフルーティストです。また、「アンサンブル・クインテセンツ」のメンバーでもあります。
この曲は彼女のCD「想像上の組曲〜無伴奏フルートのためのバロック作品集」(CD ID:7794)で聴くことができます。
【中・上級者向け】(SR)

リングキー&H管のフルートをお持ちの貴方へ (Fl)

「特殊奏法を用いた現代曲は分かり辛くて、理解が難しい。。。」という印象をお持ちの方でも、聴いても演奏しても楽しめる一曲をご紹介します。海外のフルーティストの間でも人気を集めている「ズーム・チューブ」は、イギリスのフルーティストのイアン・クラーク氏が1999年に作曲しました。R&Bや南米音楽にインスパイアされ、特殊奏法の可能性を広げたいという願いで作曲され、全体的にとてもリズミカルな印象になっています。
リングキーのリング部分のみを押さえたり、発声しながら吹き込んだり、話題のビートボクシング奏法に似た要素も出てきたり、と特殊奏法の世界が広がります。演奏方法は英語で細かく丁寧に指示されています。約4分ほどの曲ですので、アンコールにもぴったりです。
クラークは、今回のような元気のある楽曲の他にも、心地よいリラクゼーション音楽のような親しみやすい楽曲も作曲しています。スタッフのおすすめ楽譜として紹介しておりますので、ご興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。 楽譜ID:26876(クラーク/催眠)
【上級者向け】 演奏時間:約4分 (CK)

忘れられたコンクール用小品9

ジョルジュ・ドルリューと聞いてピンと来る方は、音楽ファンというより映画ファンの方かもしれません。ドルリューは1925年にフランス北部のリール郊外、ルーベで生まれ、1992年にロサンゼルスで亡くなりました。父親が工場の職工長をしていた関係で工業学校に進んだものの、家計を助けるために中退し、父と同じ工場で働くなど苦労をしました。それでも音楽への思いは断ちがたく、両親を説得して音楽の勉強を始め、コンセルヴァトワール(パリ音楽院)に入学し、アンリ・ビュッセル等に作曲を学びました。1949年、作曲科の一等賞、ローマ大賞の二等賞首席を受賞し、作曲家としてのスタートを切ります。フランス公共放送で指揮者、作曲家としてキャリアを積んだ後、1960年の「ピアニストを撃て」から始まるフランソワ・トリュフォーとの共同作業が、ドルリューの名声を高めました。「突然炎のごとく」「二十歳の恋」「柔らかい肌」「恋のエチュード」「私のように美しい娘」「アメリカの夜」「逃げ去る恋」「終電車」「隣の女」「日曜日が待ち遠しい!」とおなじみのタイトルが並びます。70年代からはハリウッドにも進出し、「リトル・ロマンス」(1979)ではアカデミー作曲賞の栄誉にも輝いています。彼は筆が早く、フランスの伝統とも言える色彩豊かで劇的な管弦楽法を得意としていたので、映画音楽というのは彼にとって天職だったようです。
フルート独奏のための《ディプティーク》(二部作)は1981年のコンクールのために作曲されました。作曲家として多忙を極めていたころですが、献呈先が当時のフルート科の教授の一人、アラン・マリオンであることから、おそらく彼の依頼で実現したのでしょう。第1楽章は十二音技法で始まったかと思いきや、第9音目からは自由に旋律を紡いでいきます。冒頭の4音からなる短2度(半音)下行、上行が旋律の契機として特徴的に現れます。第2楽章も即興風の自由な旋律ですが、 短2度(半音)、短9度の音形が随所に埋め込まれています。厳格な書法ではないものの現代音楽なので、ヌーヴェルヴァーグの雰囲気を感じることはできませんが、ブーレーズと同年代のフランス音楽の潮流が窺える作品です。
5月25日に行なわれたコンクールで一等賞を取った生徒の中には現在も第一線で活動している演奏家が多く、ジャン=ルー・グレゴワール(モンペリエ音楽院教授)、フィリップ・ブクリ(バイエルン放送響首席、H.ヴィーゼと同僚)、ユベール・ヴィレール(フランス国立管ピッコロ・ソロ)、エリック・キルクホフ(ベルリン・ドイツ・オペラ首席)、カトリーヌ・ルー(仏国立リール管ピッコロ・ソロ、M.カルデリーニは同団フルート首席)といった顔ぶれが並んでいます。
(2019年2月記)(M.N.)

忘れられたコンクール用小品→楽譜ID:7903(ムーケ/牧歌)
忘れられたコンクール用小品2→楽譜ID:2335(マゼリエ/ディヴェルティスマン・パストラル)
忘れられたコンクール用小品3→楽譜ID:7628(オベール/序奏とアレグロ)
忘れられたコンクール用小品4→楽譜ID:1721(ジョルジュ/ア・ラ・カスバ!)
忘れられたコンクール用小品5→楽譜ID:1620(ブラン/アンダンテとスケルツォ)
忘れられたコンクール用小品6→楽譜ID:1653(ドゥメルスマン/演奏会用ソロ第2番)
忘れられたコンクール用小品7→楽譜ID:11633(ポート/伝説)
忘れられたコンクール用小品8→楽譜ID:2040(ブトリ/コンチェルティーノ)
忘れられたコンクール用小品9→楽譜ID:1639(ドルリュー/折画)
忘れられたコンクール用小品10→楽譜ID:1957(チュルー/グランド・ソロ第11番 )

★無伴奏フルート作品の新しいレパートリー★

フランス六人組(デュレ・オネゲル・ミヨー・タイユフェール・オーリック・プーランク)は、第1次世界大戦後のパリで、新しい音楽の創造を積極的に推奨した作曲家集団として有名です。それまでのベル・エポックや印象主義から一転し、無駄な装飾を無くした単純で率直な音楽、日常性に根ざした芸術を目指しました。この「2つの対話」は、反復するメロディーが対話しているように聞こえる面白い作品です。簡素で分かりやすい旋律、しかしフランスの香り漂う彩りも多いに楽しめます。上級者の方で、フルート無伴奏曲の新しいレパートリーを探している方におすすめしたいと思います。なおEmily BEYNON による演奏のCD(HYPERION/CDA67204)もリリースされていますのでこちらもぜひ参考になさってみてください。
演奏時間:約6分45秒 (A)
デンマークの作曲家、C.ニールセン(1865-1931)の書いたフルート作品では、フルート協奏曲があまりにも有名ですが、この曲も近頃注目されつつあります。“子供たちが遊んでいる”は、H.ローデの劇『母』のために書いた劇音楽の中の一曲です。劇自体はもう演じられることはなくなりましたが、この劇音楽の中の何曲かは小品として現在も愛奏されています。タイトルの通り、子供が遊んでいる様子を独奏フルートで表現した面白い曲です。この作品は演奏時間も短い(約2分!)ですし、比較的易しいので、初級〜中級のかたにもおすすめです。同じリズムが繰り返し登場するので単調になりがちですが、かわいらしい子供たちが遊んでいる情景を想像しながら表情豊かに演奏してみてください。
(A)

あんな曲やこんな曲を。(Fl.solo)

W.A.モーツァルトと同時代の作曲家、F.A.ホフマイスターによるフルート・ソロの作品です。(ホフマイスターの作品かどうか疑わしいという意見もあるようですが、詳しくは楽譜に付いている解説をご参照ください。)ホフマイスターは作曲を学びながら楽譜出版の仕事もし、1785年に自宅で「ホフマイスター出版社」を設立。ついで現在の出版社「C.F.Peters(ペータース)」につながる仕事をし、楽譜出版業界で活躍しました。こうしたビジネスの才覚があった彼ですが、やはり作曲家と出版業の二足のわらじには無理が生じたのでしょうか、1806年に出版業からは退き、それ以降は作曲に専念。作曲や編曲を手がけ、フルートに関する作品も多く残しています。
この作品は、5曲のヴァリエーションからできています。有名なテーマを使っているのはIとVで、IはF.J.ハイドンの交響曲 第94番「驚愕」(びっくりシンフォニー)より「アンダンテ」のテーマ、VはW.A.モーツァルトのオペラ「魔笛」からパパゲーノのアリア「おいらは鳥刺し」のテーマです。楽譜の解説によると、II、III、IVは元ネタがはっきりしておらず、モーツァルト、ハイドンのどちらのテーマでもないという見方もあるとのこと。ともあれ、それぞれにテーマと変奏部があるため(有名なテーマの曲だけでも…)単独で気軽に演奏していただけます。カットもしやすいので色々なシチュエーションで使いやすく、幅広い楽しみ方ができそうです。今までのCDの録音もほとんど見当たらないので、人とはちょっと違った曲をやってみたい方にもおすすめです。
【中級者向け】 (YS)

カッコイイです!もう一つのタンゴ・エチュード(Method/Fl)

クトゥノヴスキの作品をご紹介いたします。
クトゥノヴスキはアメリカ、ヨーロッパ、南米、日本と世界各国で活躍している現代作曲家です。スペインやアルゼンチンの音楽を取り入れた作品を多く手掛けています。
タンゴ・エチュードと言えば、ピアソラのタンゴ・エチュードをご存じの方が多いのではないでしょうか。 クトゥノヴスキも12曲から成るタンゴ・エチュードを作曲しています。2006年に作曲されました。アルゼンチンタンゴのリズムやメロディーが元になっており、ハイテンポでリズミカルなスタイルとゆったりと流れる叙情的なスタイル、どちらにも対応しています。タイトルではエチュードとなっていますが、12曲どの曲も洒落た作風で1曲だけでもタンゴの世界を堪能できます。アンコール・ピースとして1曲吹かれても素敵だと思います。
【上級者向け】 演奏時間:約25分(全12曲) (OU)

ようこそ神話の世界へ…(Fl.solo)

「神話の組曲」という名の通り、ギリシャ神話の音楽にまつわる登場人物(?)を題材に書かれた作品。3曲の小品で構成されていて、第1番「パン」はaとb(aを半音上に移調)の2パターン、第2番「マルシュアス」はa、b(aを半音上に移調)、c(aを半音下へ移調)の3パターンがあります。

第1番「パン」
パンは、ギリシャ神話に出てくる牧神。「シランクス」という妖精への恋が叶わず、逃げたシランクスが変身した葦から楽器を作った、という話が有名です。この譜面には、第1番「パン」で使われている音階が示されていて、“パンが幸せなときや骨抜きになっている(?)(toothless Pan) とき、この音階を奏でていたことでしょう”、とあります。
第2番「マルシュアス」
マルシュアスは、アウロスという楽器(ダブル・リードで2本管の木管楽器)の名手。第3番の「アポロン」との音楽対決に負け、その後マルシュアスは…皮剥の刑(!)を受け、死んでしまった、という神話が残っています。“作曲者はアポロンに負けた後のマルシュアスの苦しみをここで表現しています”、というコメントが付いています。
第3番「アポロン」
第2番の「マルシュアス」でも登場したアポロンは、有名なギリシャ神話の神で、芸能・芸術の神、羊飼いの守護神、光明の神などさまざまな側面をもつ存在として語られています。アポロンは竪琴(リラ)を演奏したとされ、この曲ではその竪琴の演奏のようなフレーズがたくさん登場しています。
【上級者向け】 (YS)

マレ/スペインのフォリア

「フォリア」はイベリア半島起源の古い3拍子系の舞曲で、8小節または16小節単位の決まった低音主題の上に変奏が繰り広げられる変奏曲の形を取っています。バロック時代にはスペインを始めイタリアやフランスでもこの舞曲が流行し、低音をもとにした上声の旋律も決まった形のものが出てきて、コレルリ、ヴィヴァルリディ、クープランなど多くの作曲家が「フォリア」を作曲しました。 マラン・マレはバロック時代にフランスのヴェルサイユ宮殿で活躍したヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者でした。数年前にフランスで大ヒットし、日本でも公開されて話題となった映画「めぐり逢う朝」は、このマレと師匠のサント=コロンブを扱ったもので、ご覧になった方もおられると思います。フランスにはマレと同時代に活躍したヴィオール奏者でアントワーヌ・フォルクレがいて、「マレは天使のように、フォルクレは悪魔のように弾く」と謳われていました。このマレは、多くのヴィオール曲を残しており、マレの生前に「ヴィオール曲集」が5冊出版されました。 「スペインのフォリア」はその中の第2巻に収められ、彼の作品の中で最も有名な曲で、ニ短調、主題と31の変奏で構成されています。この第2巻は序文にマレ自身によって「その他の楽器で演奏してもよい」と書かれ、その楽器の例の中にフルートも入っていることから、フルート用の楽譜も数種類出版されています。 通奏低音の無い無伴奏フルート用としてこちらのBARENREITER版が昔からよく使われており、これはイ短調に移調され、主題と24の変奏に短縮されています。 
(SR)

オペラのアリアをフルートで(Fl.)

オペラのアリアと言えば、劇中で「ここぞ!」という場面で出てきますね。 イタリアの作曲家、サヴェリオ・メルカダンテはロッシーニのオペラ「アルミーダ」「リッチャルドとゾライーデ」やモーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」などのアリアを10曲選び、フルート1本で歌わせる変奏曲に仕立て上げました。ひとつのアリアに対して3〜5曲の変奏が付いています。オペラ歌手になりきったつもりで、情感たっぷりに演奏してください。

1.Rossini - Cara per te quest'anima (Aria extrait d'Armida)
2.Mercadante - Ombra che a me d'intorno (Aria extrait de Gabriella di Vergy)
3.W.A.Mozart - La ci darem la mano (Aria extrait de Don Giovanni)
4.Rossini - Aria extrait d'Elisabetta Regina d'Inghilterra
5.Paer - Aria extrait d'Agnese di Fitzhenry
6.Rossini - Aria extrait d'Armida
7.Rossini - Aria extrait de Ricciardo e Zoraide
8.Rossini - Aria extrait de Mose in Egitto
9.Rossini - Aria extrait d'Otello
10.Aria extrait de Ricciardo e Zoraide

【上級者向け】 (B)

三者三様!パユ、ベリオ、アホのカデンツアに挑戦!(Fl.solo)

3人のモーツァルトのコンチェルトのカデンツァをご紹介いたします。
まずはフルート奏者、パユの作品です。ベルリンフィル、アバド指揮の「モーツァルト/フルート協奏曲」のCDに収録されているものです。(CD:ID6866) CDが発売された当時から問い合わせが多く、聴いて譜面にした方もいらっしゃるかもしれません。コンチェルト本編の明るく快やかなパッセージが次々と現れる、聴いても吹いても気持ちのよさそうな美しいカデンツァです。一冊にKV313、314、315が入っています。
続いてはベリオのカデンツァです。ベリオといえば入学試験やコンクールの課題曲にもよく使われる「セクエンツァ」がフルーティストにとっては重要なレパートリーです。 「セクエンツァ」のように譜読みだけでも大変!というほどではありませんが、ドンジョンやタファネル&ゴーベールとは全く違う、ベリオ独自の世界です。少々長めですが、ベリオの曲として挑戦してみたいカデンツァです。パユが校訂をしており、KV314のみです。
最後はアホの作品です。現在も活躍するフィンランドの作曲家で、「ソロV」がコンクールの課題曲にもなり、知っている方も多いと思います。こちらもベリオと同様、あっという間にアホの世界が広がります。現代の作曲家が作った作品として興味深い一曲です。KV313、KV314それぞれ一冊ずつに分かれています。なお、ベザリーの演奏で聴くことができます。(CD:ID5543
それぞれ個性が光る3人のカデンツァ。モーツァルトの音楽をさらに盛り上げます!是非挑戦してみて下さい!
【中・上級者向け】(U)

モーツァルトがお気に入り(Fl.solo)

アウグスト・エーベルハルト・ミュラーは1767年ドイツのノルトハイムに生まれ、1817年にワイマルで亡くなった、指揮者、作曲家、オルガニスト、フルーティストです。父からオルガンを学んだ後、大バッハの9子、ヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハの薫陶を受けました。各地でオルガニスト、指揮者を務めた後、1804年から1810年までJ.S.バッハも務めていたトーマス教会のカントルを務めましたからバッハとは浅からぬつながりがあるのです。
作曲家としてもピアノ協奏曲、ヴァイオリン・ソナタ、カンタータなどを残していますが、特筆されるべきは11曲も残したフルート協奏曲でしょう。そんなミュラーですが、モーツァルトも大好きだったようで、有名なオペラのピアノ伴奏版の編曲なども行っています。
ここでご紹介するのは当時「モーツァルトのお気に入りのテーマ」と題されて出版された無伴奏フルートのための変奏曲です。テーマは誰でも一度は聴いたことがありそうなピアノ協奏曲 第17番の3楽章、それに8つの変奏が付いています。変奏曲といってもさほど難しいものではありませんので、ある程度経験されたアマチュアの方でもさらっと吹けるのではないかと・・・、そしてこの曲を終えたら・・・、ありました! モーツァルトの傑作「クラリネット協奏曲」の全曲、フルート版でやはりミュラーによる編曲です。(ベーレンライター版ID: 23955)こちらはちょっと難しいですが、是非挑戦してみてください。
【初・中級者向け】(SR)

「私のための作品」!(Fl.solo)

ブラシュ・プチハールは東欧のスロヴェニアを中心に活躍する作・編曲家、ピアニストです。フルート奏者のアナ・カウチッチ・プチハールを妻に持ち、共作で子ども向け、初心者向けの教則本やCDも出しています。この曲以外にもフルートやピッコロの作品があり、フルートとオーボエ、ピアノの「三重奏曲」(未入荷)やフルートとピアノの「ソナチネ 作品5」など、特殊奏法をほとんど使用せず、幅広く楽しめるような曲を書いています。余談ですが、この2作品はダマーズ作品を思い出すような爽やかさ、軽やかさを持った曲で、これらも新しいレパートリーにおすすめです。
フルート独奏の「For me(私のために)」は5分程度の小品で、穏やかなテーマとリズミカルなジャズ風の部分との対比が面白い作品。言葉遊び(for me =ミのために?)も含んでいるようです。冒頭は静かに始まりますが、曲の終盤はPrestoで、勢いを保ったまま格好良く終わります。複雑な現代奏法はなく、舌をぶつけて音を出す奏法やスイングなど、ジャズの奏法が取り入れられています。「自分のために」書かれた作品のように自由に吹いて欲しいという願いがこめられた、楽しい曲です。
(YS)

ピッコロ1本でいろいろな顔!?(Pic)

アメリカの現代作曲家でおなじみのゲイリー・ショッカーによる無伴奏ピッコロのための作品です。 この曲はヤン・ヤコブ・ファン・エイクのリコーダーの独奏曲集「笛の楽園」からヒントを得たといわれてます。 エイクは当時、教会の庭で笛の楽園を即興的に演奏して散策する人の心を和ませたといわれており、ショッカーもそのようなイメージから“Walking Songs”というタイトルをつけたのかもしれません。
内容は5曲からの小品集で、T.Eek!(キャッ!) U.Turning Dark(暗くなる) V.Mushroom(マッシュル−ム) W.Reflective(物思いにふける) V.Jaunty(颯爽と)という個性溢れるタイトルがついており、色彩感に富んだ作品になっています。タイトルの意味は詳しくはわかりませんが、それぞれのタイトルから自由に想像して演奏してみるのも楽しみのひとつなのでは?ぜひピッコロのレパートリーに加えてみて下さい。
【中級者向け】演奏時間:約5分30秒 (NS)

あのピアノ曲です。

原曲はシューベルトがピアノのために作曲した即興曲です。シューベルトは即興即を全部で8曲残していますが、こちらの楽譜は、作品90の第2、第3、第4番と、作品142の第3、第4番をフルーティストのロバート・ストールマンがフルートへ編曲しています。作品90の2番と3番は移調してあります。他の3曲は原調のままです。
もともとピアノのための作品ですので、音が多く、跳躍もあり、演奏はたやすくはありませんが、良い運指の練習にもなるのではないでしょうか。
【中上級者向け】 (B)

現代邦人フルート曲をレパートリーにしませんか

現代曲は苦手。特殊奏法がわからない、という方にクラシック的な手法で書かれている、おすすめの曲です。1954年〜55年作曲。二つの楽章から構成されており、作曲者が「声とは、歌ではなく、又、叫びでもない静かな主張である」と言っている様に全体に美しく、静かな流れを感じる曲です。
今回は現代音楽フルート奏者の第一人者であり、この曲を数多く演奏している、小泉 浩さんに演奏上のポイントを語っていただきました。どうぞ、参考にして下さい。
演奏時間:7分20秒 (Y)

「私がこの曲を演奏するときに注意している事は、この曲には激しい動きはほんの一部分しかありません。ほとんどの部分は瞑想的であり、穏やかで、物思いに耽る感じの部分が多いのですが、その中においてもなおかつ、強い緊張感を持続させなくてはいけません。決して、のんびりした曲ではないのです。フレーズが小さく途切れないように、休符においても気持ちが切れないよう演奏することを心がけております。約50年たった今でも古さを感じさせない名曲だと思います」

日本の心を感じられる作品です(Fl)

『LAMENTO 独奏フルートによる哀歌』は1983年に小泉浩氏によって初演され、2020年には高木綾子氏もデビュー20周年記念のリサイタルのプログラムに取り入れるなど広く演奏されています。
作曲の高橋雅光氏は和楽器のための作品を多く作曲し国内外から高い評価を得ています。この曲はフルートの独奏曲ですが尺八や篠笛といった和楽器を連想させるような特殊奏法が用いられ、日本の心を感じられる作品です。
曲中の特殊な記号には解説が記載されており、メロディも美しく分かりやすいため、現代曲に抵抗があるという方も挑戦しやすいのではないでしょうか。
演奏時間は7分弱で楽譜には、なんとこの曲を収録した小泉浩氏の演奏CDが付属しています。
【上級者向け】 (HS)

ランパルに捧げられた曲(Fl.solo)

今回はフランスの作曲家トマジ(1901〜1971)のフルート無伴奏曲をご紹介いたします。この曲は1948年、トマジがモンテカルロオペラ座の音楽監督だった時に作曲し、ランパルに捧げられています。その翌年1949年にはランパルのパリでの第1回コンサートで演奏されました。全体的に大人の雰囲気となっており色彩感のある曲です。新たなレパートリーとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
T.Prelude et Scherzo
U.Pastorale
V.Finel
【上級者向け】 約11分 (E)

ソロ・フルート 第1巻〜第4巻(Fl solo)

この4冊の無伴奏曲集は「バロック」「クラシック」「ロマンティック」「20世紀の作品(1960年まで)」のそれぞれの作曲された時代に分かれて出版されています。各時代の代表的な無伴奏の曲が網羅されているので、その時代のスタイルを勉強するのに役立ち、レパートリーを増やすのにも大変便利な曲集です。全曲収録ではないのですが、校訂者による演奏CDが出ております。楽譜と一緒にいかがでしょうか。

第1巻「バロック」 マラン・マレ/スペインのフォリア、バッハ,J.S./パルティータa-moll 他 全24曲
第2巻「クラシック」 クーラウ/カプリッチョop.10より3番、6番 他 全31曲
第3巻「ロマンティック」 ドンジョン/サロンエチュードよりエレジー 他 全22曲
第4巻「20世紀の作品(1960年まで)」 ドビュッシー/シリンクス、リヴィエ/優しい鳥 他 全33曲

CD ID:6358 1巻/バロック
CD ID:6359 2巻/クラシック
CD ID:6501 3巻/ロマンティック
CD ID:6502 4巻/20世紀の作品(1960年まで)
(E)

さりげなく暗譜でどうぞ(Fl.solo)

「このタイミングで何か面白い曲を吹いたらうけただろうな、でもすぐに思いつかないな」
そう悔しい思いをしたことはありませんか?そんな、「ここぞ!」というときに、お役立てください。 この曲集は、思わず「ニヤリ」なシンプルで味のある曲など、なんと100曲のネタが並んでいます。
痒いところに手が届くラインナップを一部ご紹介致します。
・ファミリーマートの入店チャイム
・徹子の部屋のテーマ
・正露丸
・笑点のテーマ
・きょうの料理
場の雰囲気を変える数秒間、さりげなく暗譜でどうぞ!
(AN)

一冊持っておくと便利!(Fl.solo)

“耳コピはできないけれど、あの有名な旋律を吹いてみたい”
”気軽に人前で吹ける曲を探している”
そんな方には2022年5月に発売されたばかりの『フルート・スタンダード120曲集』をおすすめします。
収録ジャンルは、昭和から令和までの「J-POP・歌謡曲」、ジブリやディズニー、鬼滅の刃といった「映画音楽・テレビテーマ」、リベルタンゴや虹の彼方にといった一度は口ずさんだことのある「洋楽・スタンダード」「愛唱歌」、イベントで役に立つ「クリスマス」、フルートでの演奏にピッタリな定番の「クラシック」と幅広い選曲になっています。
楽しみ方は、お手持ちの音源に合わせてカラオケ気分で吹いてみたり、楽譜に付記されているコードを利用してピアノやギターの伴奏で演奏してみたりと様々です。
一冊あればあらゆる場面で活躍する楽譜です。120曲の中からお気に入りの1曲を探してみてください。
【初級・中級者向け】(HS)

バーンスタインの大ヒットミュージカルです!

バーンスタインが1990年に亡くなって20年以上。若い人の中には指揮者としてのバーンスタインをご存じない方もいらっしゃるかもしれません。でも彼が作曲したこの「ウェストサイド・ストーリー」は1957年の初演以降、現在でも繰り返し上演されている大ヒットミュージカルとして、どなたも一度は耳にしたメロディーがたくさんあることでしょう。「トゥナイト」「マリア」「サムフェア」など単独で取り上げられることもある珠玉の名曲ばかりです。このミュージカルの曲を集めたアルバムは初めての登場です。伴奏譜は付いていませんが、メロディをお楽しみください。
【初級者向け】 (T)

ジャズ組曲がカラオケCDでお楽しみいただけます。

この曲は「クラシック・フルート」と「ジャズ・ピアノ」のために作曲され、作曲者ボランのピアノとランパルのフルートによって初演されました。今でこそクラシックとジャズのクロスオーバーは珍しくありませんが、30年以上前の当時はまだ珍しく話題を呼び、現在に至るまでフルートのジャズの定番として親しまれています。 とは言え、特にアマチュアのフルーティストにとってジャズピアニストと共演する機会はめったになく、この曲を演奏するのをあきらめていた人も多いと思いますが、今回ご紹介するのはそのカラオケと模範演奏CDです(CDのみ。楽譜は別売りで付いていません)。 これがあればどなたでも気軽にジャズの世界に挑戦できます。軽快で美しいメロディーをお楽しみください。
【中・上級者向け】 (T)

誰でもピアソラ! (Fl.CD)

この曲集は、ピアソラの名曲12曲を易しいアレンジでお楽しみいただける楽譜です。
付属のCDには、模範演奏と伴奏のみのカラオケが収録されており(伴奏譜なし)、個人でピアソラの音楽をじっくり味わうことができるでしょう。伴奏は電子音によるものですが、ベースやドラム、曲によってハーモニーも加わり、雰囲気は十分です。2021年はピアソラ生誕100年の記念の年であり、ピアソラの曲を耳にする機会も増えるのではないでしょうか。クラシック音楽とはひと味違った切なく熱っぽいメロディーや、独特のリズムを是非自身の演奏でも体験して下さい!
「1.リベルタンゴ」「2.タンゲリア」「3.エスクアロ(鮫)」「4.オブリビオン(忘却)」「5.ロス・パハロス・ペルディードス(失われた小鳥たち)」「6.セロス(嫉妬)」「7.エル・インフィエルノ・タン・テミード」「8.エスコラソ(博打)」「9.アヴェ・マリア」「10.イヤーズ・オブ・ソリチュード(孤独の歳月)」「11.ソリチュード(孤独)」「12.フォトグラフィア(写真)」
※付属のCDは、MP3非対応のCDプレイヤーで再生できませんのでご注意ください。
【初・中級者向け】(U)

あのライネッケの曲をオーケストラ伴奏で!!!(Fl.オーディオアクセス付)

ライネッケの名曲「フルート協奏曲 作品283」と「バラード 作品288」をオーケストラバックに演奏ができる優れものの楽譜をご紹介します。楽譜に記載されているコード番号を出版社のホームページに入力すると、模範演奏とカラオケ音源がダウンロードもしくはストリーミング再生できる仕組みです。以前はCDが付いていたのですが、オンライン音源に変更となりました。
また出版社のホームページにてPLAYBACK+というプレイヤーを使用するとスロウテンポ再生、繰り返し再生設定、オーディオの左右の音量の調整、調の変更が可能です。(ブラウザによってはPLAYBACK+のプレイヤーが使用できない場合もございますので、詳しくは出版社のホームページをご確認ください)
美しいロマンティックなオーケストラの響きの中であの名曲を演奏してみませんか?
※フルートパートのみの楽譜となりますのでご注意ください。
校訂・模範演奏 Katarzyna BURY
指揮者 Nayden TODOROV
管弦楽Rousse Philharmonic Orchestra
【中・上級者向け】 (NS)

贅沢な一冊です♪ (Fl.CD)

アメリカのフルート奏者、ゲイリー・ショッカーは作曲家としてもかなり多くの作品を発表し続け、ムラマツで扱っている楽譜だけでも200冊を超えます。作品はフルートのみならず、ほとんどの楽器のためのソナタや室内楽など多岐にわたり、国際クラリネット協会の作曲コンクールでも受賞しています。
J.S.バッハの「パルティータ」やC.P.E.バッハの「無伴奏フルートのためのソナタ」、テレマンの「12のファンタジー」に対旋律を付けた作品や、ドビュッシーの「シランクス」にピアノ伴奏をつけた作品、6曲のピッコロ・ソナタ、一人でフルートとピアノを演奏する作品・・・そんな中から今回ご紹介するのは、フルート&ピアノの編成の曲を9作品集めた曲集です。
※この曲集にはピアノ伴奏譜は付いていませんので、ピアノ伴奏譜も欲しい!という方はそれぞれピースをお買い求めください。
・『DANCES AND DAYDREAMS』短く簡単な、表現の幅の広い11の小品集です。
・『FROM MY JOURNAL』優しいメロディで静かな時間が流れていきます。
・『NATIVE AMERICAN SUITE』4つの曲からなります。「Incantation」で世界観を表し、続く「Spirit Dance」は変拍子があり躍動感に溢れています。穏やかな「Hidden Spring」からリズムが目まぐるしく変わる喜びのダンス「Harvest Time」へとつながります。
・『REGRETS AND RESOLUTIONS』モーティマー・レヴィットの80歳記念のために作曲されました。日本では「エアボーン」と同じくらい人気のある曲です。
・『GREEN PLACES』元はフルートと室内管弦楽のための協奏曲で、ゴールウェイの依頼により作曲されました。3楽章(3つの庭園)からなり、バロックやジャズ、民族音楽、即興演奏などを取り入れ、それぞれに面白さがあります。
・『ARIRANG』韓国の民謡「アリラン」をフルートとピアノ用に編曲しました。
・『AT NIGHT』3つの短い夜想曲です。
・『SCHERZO』若さ溢れる躍動的な作品です。
・『IN MEMORIAM』元はピアノ・ソロの作品です。落ち着いたメロディーで、心に優しい気持ちがじんわりと広がるような作品です。

序文にショッカーによる作品解説が掲載されていますので、演奏の際の参考にしてください。
付属CDは、ショッカー自身による模範演奏と、通常テンポのカラオケが付いています。また、テンポが速めな『DANCES AND DAYDREAMS』の「I.gallant」、「VII.spring energy」、「XI.hola」の3曲、『NATIVE AMERICAN SUITE』の「2.Spirit Dance」、「3.Hidden Spring」の2曲、『REGRETS AND RESOLUTIONS』、『GREEN PLACES』、『SCHERZO』についてはゆっくりなテンポのカラオケCDも付いています。
演奏時間:約18分/約2分40秒/約6分/約8分30秒/約15分/約1分30秒/約7分/約2分30秒/約3分30秒 (B)

フレンチ・コンポーザーズのカラオケCDです!(CDのみ)

『フレンチ・コンポーザーズ』といえば、フランス近代の名曲を集めた曲集で、タファネル、フォーレ、シャミナード、ゴーベールなど学生さんの試験、また、演奏会や発表会にお使いいただける曲がたくさん入っている、とってもお得な一冊です。今回ご紹介するのは、この曲集に入っている曲が全て入ったカラオケCDです。一人でお楽しみいただくのはもちろん、ピアノ合わせの練習にもなります。楽譜と合わせてお持ちになってはいかがでしょうか。
なお、模範演奏は入っていませんのでご注意下さい!
【中〜上級者向け】 (U)

初級からカラオケ演奏 (CDのみ)

ルイ・モイーズ(1912〜2007)は、アメリカのフルーティスト、ピアニストで父マルセル・モイーズからフルートの手解きを受け、パリ音楽院では父モイーズの他、フィリップ・ゴーベールに師事しました。ルイ・モイーズも作曲・編著・校訂を手がけており、父親から引き継がれた奏法や練習方法は初・中級者をはじめ学習用の教本などに反映されています。
この「40小品集」もルイ・モイーズが手がけた曲集の一つで、フルートをはじめたばかりの方から中級者が演奏できる作品を集めており、多くの方に活用されている楽譜です。この曲集に準拠した模範演奏とカラオケCDとなっており、個人練習やレッスンで活用できておすすめです。カラオケ伴奏はピアノ演奏で収録されており気軽に楽しくアンサンブルを味わえます。CDプレイヤーとパソコンでの再生が可能で、パソコン再生ではテンポの調整もできカラオケ伴奏が初めての方でもゆっくりのテンポから演奏することができます。模範演奏の後にカラオケ伴奏が続くので音楽表現やイメージが作り易く効果的に練習できるのもおすすめです。おうちでも伴奏合わせが楽しめるので練習の仕上げにいかがでしょうか。
※こちらは模範演奏とカラオケ伴奏のCDです。楽譜は別売りです。(楽譜ID:2932
【初・中級者向け】(TO)

オペラ歌手になったつもりで!(Fl.CD)

有名なオペラのアリアは美しい旋律で聴く人の耳を魅了します。オペラ歌手のように楽器で歌えたら、とは器楽奏者のだれもが思うことではないでしょうか。
この曲集は、モーツァルトの「フィガロの結婚」、ヴェルディ「仮面舞踏会」、プッチーニ「ラ・ボエーム」などのオペラから有名なアリアを集めたものです。オペラは見ないという人でもどこかで聞いたことのある曲ばかりです。オーケストラ伴奏のカラオケもついていますので、オペラを見たことのある人はその場面を思い起こしながら、オペラ歌手になったつもりで演奏してみてください。曲ごとに簡単な作品の解説と演奏のヒントもついています(英語などですが)。ある曲では悲劇のヒロインに、ある曲では恋する乙女になってフルートで歌ってみましょう。
また、このアルバムにはウィーン・フィルの首席フルーティスト、ワルター・アウアーの演奏する模範演奏のCD-ROMもついています。これを聴くだけでも勉強になるだけでなく、オペラハウスにいる気分になれますよ。
【初・中級者向け】 (T)

中級の方向けカラオケ曲集♪(Fl.CD)

カラオケCD付の楽譜が次々と出版される中でこの楽譜の特長は、曲の難易度が他の小品集に比べて高いこと、伴奏CDの演奏が曲によってピアノの他チェンバロ、弦楽器など本格的であること、そして編者で有名なフルート奏者のギスラー=ハーゼの模範演奏が聞けること(ただし各曲冒頭部分のみ)です。今までのカラオケ付小品集では物足りない、でもコンチェルトはまだちょっと、という中級の方にお勧めします。
(T)