マルコム・アーノルド(1921〜2006)は、20世紀を代表するイギリスの作曲家で、交響曲、バレエ、室内楽作品など数多くの作品を残しています。また映画史に残る映画音楽を担当し、作品を彩る名曲が生まれました。元はロンドン・フィルハーモニー管弦楽団のトランペット奏者で、優れた演奏家でしたが、徐々に作曲へ専念するようになります。色彩豊かで親しみやすいスタイルが多く、それらの作品は管楽器、打楽器が効果的に使われ聴き応えがあります。フルート作品では、フルート・ソロから弦楽器、管楽器のアンサンブルなど様々な編成で多数作曲されているため、フルートでもアーノルドの楽曲を楽しむことができます。
コンクールの課題曲として作曲された「無伴奏フルートのためのファンタジー op.89」は、最初のメロディでこの曲に惹きつけられ、中間部でリズムを変えて再び現れます。神秘的なメロディは、この作品を印象付けるフレーズとなっています。Vivace e molto ritmicoからは疾走感があり、フルートらしい音色の軽やかさ、中低音の響き、そして様々な技巧など、アーノルドがフルートついてよく理解していたことがうかがえます。音の跳躍や強弱など技巧的に難しい箇所もありますが、この機会にアーノルド作品に触れてみてはいかがでしょうか。
【中級者向け】 演奏時間:約4分30秒(TO)
1.Rossini - Cara per te quest'anima (Aria extrait d'Armida)
2.Mercadante - Ombra che a me d'intorno (Aria extrait de Gabriella di Vergy)
3.W.A.Mozart - La ci darem la mano (Aria extrait de Don Giovanni)
4.Rossini - Aria extrait d'Elisabetta Regina d'Inghilterra
5.Paer - Aria extrait d'Agnese di Fitzhenry
6.Rossini - Aria extrait d'Armida
7.Rossini - Aria extrait de Ricciardo e Zoraide
8.Rossini - Aria extrait de Mose in Egitto
9.Rossini - Aria extrait d'Otello
10.Aria extrait de Ricciardo e Zoraide
アメリカのフルート奏者、ゲイリー・ショッカーは作曲家としてもかなり多くの作品を発表し続け、ムラマツで扱っている楽譜だけでも200冊を超えます。作品はフルートのみならず、ほとんどの楽器のためのソナタや室内楽など多岐にわたり、国際クラリネット協会の作曲コンクールでも受賞しています。
J.S.バッハの「パルティータ」やC.P.E.バッハの「無伴奏フルートのためのソナタ」、テレマンの「12のファンタジー」に対旋律を付けた作品や、ドビュッシーの「シランクス」にピアノ伴奏をつけた作品、6曲のピッコロ・ソナタ、一人でフルートとピアノを演奏する作品・・・そんな中から今回ご紹介するのは、フルート&ピアノの編成の曲を9作品集めた曲集です。
※この曲集にはピアノ伴奏譜は付いていませんので、ピアノ伴奏譜も欲しい!という方はそれぞれピースをお買い求めください。
・『DANCES AND DAYDREAMS』短く簡単な、表現の幅の広い11の小品集です。
・『FROM MY JOURNAL』優しいメロディで静かな時間が流れていきます。
・『NATIVE AMERICAN SUITE』4つの曲からなります。「Incantation」で世界観を表し、続く「Spirit Dance」は変拍子があり躍動感に溢れています。穏やかな「Hidden Spring」からリズムが目まぐるしく変わる喜びのダンス「Harvest Time」へとつながります。
・『REGRETS AND RESOLUTIONS』モーティマー・レヴィットの80歳記念のために作曲されました。日本では「エアボーン」と同じくらい人気のある曲です。
・『GREEN PLACES』元はフルートと室内管弦楽のための協奏曲で、ゴールウェイの依頼により作曲されました。3楽章(3つの庭園)からなり、バロックやジャズ、民族音楽、即興演奏などを取り入れ、それぞれに面白さがあります。
・『ARIRANG』韓国の民謡「アリラン」をフルートとピアノ用に編曲しました。
・『AT NIGHT』3つの短い夜想曲です。
・『SCHERZO』若さ溢れる躍動的な作品です。
・『IN MEMORIAM』元はピアノ・ソロの作品です。落ち着いたメロディーで、心に優しい気持ちがじんわりと広がるような作品です。
序文にショッカーによる作品解説が掲載されていますので、演奏の際の参考にしてください。
付属CDは、ショッカー自身による模範演奏と、通常テンポのカラオケが付いています。また、テンポが速めな『DANCES AND DAYDREAMS』の「I.gallant」、「VII.spring energy」、「XI.hola」の3曲、『NATIVE AMERICAN SUITE』の「2.Spirit Dance」、「3.Hidden Spring」の2曲、『REGRETS AND RESOLUTIONS』、『GREEN PLACES』、『SCHERZO』についてはゆっくりなテンポのカラオケCDも付いています。
演奏時間:約18分/約2分40秒/約6分/約8分30秒/約15分/約1分30秒/約7分/約2分30秒/約3分30秒 (B)
コンクールの課題曲として作曲された「無伴奏フルートのためのファンタジー op.89」は、最初のメロディでこの曲に惹きつけられ、中間部でリズムを変えて再び現れます。神秘的なメロディは、この作品を印象付けるフレーズとなっています。Vivace e molto ritmicoからは疾走感があり、フルートらしい音色の軽やかさ、中低音の響き、そして様々な技巧など、アーノルドがフルートついてよく理解していたことがうかがえます。音の跳躍や強弱など技巧的に難しい箇所もありますが、この機会にアーノルド作品に触れてみてはいかがでしょうか。
【中級者向け】 演奏時間:約4分30秒(TO)